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【現実ノ異世界】  作者: 金木犀
死者に権利を 咎人には償いを
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3 第一陣

『よぉ、塚田』


 光輝に呼ばれ居間へと入る俺に真っ先に声をかけたのは衛藤さんだった。

 画面の向こうから軽く手を上げて挨拶している。


「どうも、衛藤さん。先日はお世話になりました」

『構わんさ。それより急に呼んで悪いな。ウチの職員とパーティしてたんだろ?』

「あぁ…」

「…?」


「そんなことまで言ったのかよ…」と光輝をジト目で見るが、当の本人はまったく気にしていないようなので、諦めて再度画面の中を見る。

 すると鬼島さんが申し訳なさそうに話した。


『済まないね、塚田くん…。職員でもないキミに無理を言ってしまって……』

「お詫びに今度衛藤さんに焼肉ご馳走してもらうので」


 俺は気にしていないと言わんばかりの軽口で返す。


『ふっ…勿論いいとも。尾張の首を持って来てくれれば、打ち上げにな』

「…」


 衛藤さんはネクロマンサーへの殺意をハッキリと口にした。

 先日駒込さんから聞いた【逮捕したい鬼島派と始末したい衛藤派】という構図が存在するものだと実感するには十分な言葉であった。


 とは言え、余りの強烈ぶりに居間だけでも空気がどんよりとしてしまう。

 なので俺はその空気を変える為、さらにふざけてみることにした。


「言質取ったぞ光輝。解決したら衛藤さんが自腹で【じぇじぇ苑】ご馳走してくれるってさ。死ぬほど食おうぜ」

「楽しみだな。一度行ってみたかったんだ」

「志津香たちも行くよな」

「行く」

「…えーと」

「あはは…」

「「…」」


 俺のフリに光輝と志津香は完全に乗ってくれるが、美咲となごみは苦笑い。駒込さんと大月に至ってはダンマリだ。

 まあ立場上、仕方ないのかな。


 ちなみに【じぇじぇ苑】とは、有名焼肉店の名前である。

 岩手出身の創業者が「お客様がじぇじぇ!と驚くくらい美味しい焼肉店にする」という願いを込めて名付けたんだそうだ。

 なお、値段もじぇじぇじぇ!と言ってしまうくらい高い。



『…じぇじぇ苑は勘弁してくれ……』

「そうですか。では考えておきますね」

『ははは…。あぁ、そろそろ始めないとだね』


 ほんの少しだけ空気が和らいだ気がしたところで、鬼島さんが進行を始める。


『えー、知っての通り、本日正午過ぎに都内の交番や110番に「死んだ人間が生き返った」という問い合わせが相次いだ。現在までで100件に迫る』


 俺はテレビに映し出されている画面共有の資料を見ながら、鬼島さんの話を聞く。

 ここまではニュースでも言っていたことだ。


『だが、通報内容は決して生き返った人間が暴れたり悪さをしているというものではない。生き返った本人が"ネクロマンサーとの約束"を果たすために自ら行ったに過ぎないことが証言から分かった』


 自ら…約束…

 発覚のタイミングは尾張の計画通りというワケか。

 狙いは混乱?特対のかく乱?裏ではもっとでかいことが同時進行しているのだろうか…。


 俺が、尾張が次に起こすであろうアクションを考えていると、今度は衛藤さんが話し始める。


『更に生き返った人間を調べてみたところ、全員に"ここ5年以内の事件・事故で亡くなっている"という共通点が見つかった』


 尾張が生き返らせ、表に出させたのは"被害者"と言って差し支えない人たちか…

 ただの混乱だけではない、何かしらの意図を感じるな。


『通報してきた人っていうのは、今はどうなっているんですか』


 参加者の誰かがマイクをオンにして質問した。

 確かに、通報があったとされる時間から少なくとももう2時間は経っている。

 その間に次の段階への何かを行っていてもおかしくない。


『…通報してきた者たち。電話してきた者・直接交番や警察署に来た者たちは口を揃えてこう言った後、そのまま帰っていったそうだ』

『………何を言っていたんですか?』


 鬼島さんが少し溜めてから話す。


『自分たちはネクロマンシーという超能力で生き返った。不本意な最期を遂げた自分たちを救ってくれたのはネクロマンサーだ。そして、超能力は存在する…と』



 尾張は生き返らせた人に、特対がこれまで秩序の為ひた隠しにしてきたことを、全て話すよう命令していたのだった。


いつも見てくださりありがとうございます!


歴代アニソンの中でも五本の指に入る曲のひとつ

とらドラの第二ED『オレンジ』

マジで名曲。

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― 新着の感想 ―
[一言] 発売日に購入したよ、オレンジ。 私だとウィンダリアのEDの『美しい星』かな?ド定番だけど
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