異世界脱出RTA(リアルタイムアタック)
ある日タツオは、突然異世界に召喚されてしまった。
召喚士から、この国を支配しているモンスターの一派を倒さない限り
元の世界には戻れないことを告げられる。
国を救うことを強いられたタツオは仕方なく討伐の旅に出た。
なんやかんやの末、条件を見事達成し日本へ帰還を果たしたが
こいつは便利と味をしめた向こうの住人はトラブルが起こると
すぐ彼を召喚するようになった。
この国凶悪なモンスター現れすぎ支配されすぎだろとぼやきながらも
日本に帰るために毎回戦うはめになってしまった。
そしてまたも召喚されてしまったが
よりによって今日はようやくこぎつけた、ひろこちゃんとのデートの日。
待ち合わせの時間まであと3時間しかない。
「間に合うか?いや間に合わせてみせる。最速で終わらせてやらぁ!」
こうしてタツオのRTAが幕を開けた。
「ゴーレム系は 砂時計で動きを止められる!」
「ドラゴンはツノが弱点、キマイラは最初は様子見してくるから後回し!」
「船よりサメを捕まえて乗っていくほうが速い!」
飛ばしに飛ばしてはやくもボスまでたどりついたタツオ。
「このボスは変身するタイプ。
一段回目で能力を上げておいて二段階目になってから全力で叩く!」
「このワシをこうもあっさりと・・・ぐああああ」
「よっしゃ終わったあ!」
タイムは2時間11分・・・最速記録で日本へ帰還した。
これなら余裕で間に合う、なんならシャワーで汗と汚れを流す時間まである!
ピピピ・・・ん? ひろこちゃんから電話だ
「タツオくん?この前言ってたあの店のからあげが気になってるの。
明日のお昼はそこで食べようね~。」
・・・デート明日じゃん。楽しみすぎて一日間違えてた・・・。
まあいいや明日のプランを練り直そう。
あの店はどの部位のからあげが人気なのかなっと―――
「いや~あいつやるなあ。あんまり呼びすぎるのも悪いかと思ってたけど
こんな凄いのならガンガン呼んじゃうかー」