表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/4


 恋愛に正解などありません。

 口では何度も言いながら、自分でもそう思い切れていなかったのでしょうか。

 絶対に否定してはいけないと思うのに、信じなければいけないと思うのに、思ってしまっているからだからこそか、心の中では間違いだと思っているのかもしれません。

 「どうして?」などと、問い掛けえてしまいそうになるのです。


 そのような問いを投げても、どうせ答えなど返ってきません。

 正解が存在しないのが恋愛というものなのですから、答えなど期待するだけ無駄なのでしょう。いえ、答えなど期待してはいけないのでしょう。

 それはわかっていますが、わかっているのですが……。

 どこかで僕は思ってしまっているのです、僕の恋は確実に間違いですから、だなんて。

 もし正解があるのだとしたら、模範解答の恋とは遠いものかもしれません。

 ですが、間違っていることこそ恋の正解だとも言えましょう。


 そうして適当な言葉を並べて、何かに答えを求めてしまうのは、僕の弱さの象徴なのかもしれませんね。

 僕は自分の弱さのために、大切な君さえも傷付けるのです。

「どうして、好きになってしまったのだろう」

 つい口から洩れてしまったのです。


 一人で悲しくなってしまう僕に、強い君は優しくそう言い放ってくれるのです。

「理由なんてどうでも良いわ。愛し合っているのは本当よ」

 そう、愛し合っているのは本当なのです。

 だれに何を言われようと、禁断だとか、そんな適当なことを言われても、められてめられる恋ではありません。

 手放せる君ではありません。


 それでも僕は弱いのです。

 愛を理由に、軽蔑の視線に耐える決意はできないのでした。

「どうして? どうして君は、そんなにも強くいられるのでしょうか」

 思わず漏らしてしまった言葉が、更に君を傷付けてしまったことがわかりました。

 さっきから、もっと口をきつく締めないといけませんね。

 目の前に君がいてくれると、あまりに君が優しいものですから、そういう言葉を抑えられないのです。

 正解という、つまらないものを求めてしまいそうになるのです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ