1/1
私を拾ったのは天使のような悪魔でした
神様に1つだけたずねることが出来るなら、私はきっと何故「私」という存在を作ったかを聞くだろう。
1年の天気のほとんどが雨の街、ティアーズシティの隅で私は娼婦の子として産まれた。母はいつの間にか出来た男と逃げ、6歳から暴力と酒に溺れる父親と二人暮しを続けた。日々身体に出来る痣に耐えながらゴミ捨て場を漁って生きていく。
「その顔、ほんとあのクソ女ソックリになりやがって」
ある日いつものように暴言を言いながら腹を蹴る父親に遅めの自我か、私は文句を言ってしまった。
「当たり前でしょ、嫌でも子は親に似るわ。子は親を選べないもの。」
その後の事はよく覚えていない。いつの間にか全身がとても痛くて、路地裏に捨てられていた。地面の冷たささえも感じることが出来ない私はきっと死ぬだろう。
死んだら何処に行けるのだろうか?
「お前、死にたいのか?」
私はこの時天使で残酷な悪魔とはじめてであった。