メローヴィス王国へ!(3)
僕らは、やっとここまで来たのだから、ここいらで気楽にいこうかなと、思っていた。
この際だから、もうちょっと、メローヴィス王国の城下町を散策することにしてみた。
メローヴィス王国の国王が言っていた。
「以前、といってもだいぶ前のことになるが、実は以前、調査団を南の海に派遣した時には、何もないただの海だったのじゃ。
その時のその場所と、全く同じ海域を今回も調査したところ、なんとキングスクラウン大陸と、キングスリング島とを発見した、ということなのじゃよ。」
城下町の散策に入る前に、僕らはネオアイランドシティの旗と、キングスクラウン王国の旗とを、万博の会場となる、万国旗が立ち並ぶ場所に新たに掲げた。
城下町は徒歩で歩くには広い。全ての道が碁盤の目のようになっていて、住所の表記も『何番目通りの何条のいくつ』といったような表記になっている。
メローヴィス王国の王都は、このような形できちんと整備され、他の国々の都市造りの参考にもなっているという。
「それにしても広いし、賑わいもある。迷子になりそうな感じだな。
またオートバイとか、そういう乗り物を用意しないといけないかもな…。」
さて、ここでまた何らかの交通手段を使おうか…。
幌馬車も通る。すると、そこにはなんと、人力車が走っていた。
人力車といえば明治の初めくらいに走っていたという、あれだよ。
今も浅草あたりで、観光用に走っているという、あれだよ。
するとその人力車の運転士たちが、こちらに近寄ってくる。
「あのー、もしよければ、この人力車に乗ってみませんか?」
僕らは、お言葉に甘えて、乗り込んでみることにした。
「それじゃ、出発!散策開始だ!」
それにしてもこんな大都市で生活している人々にしては、皆親切だよな。
僕らは人力車に乗って、城下町を案内してもらうことにした。
まずは南の方から。四方八方、碁盤の目のようになっている道を、人力車に乗って、観覧していく。
「あちらに見えるのが、武器屋、防具屋、道具屋、宿屋。それから、魔道書の店だ。」
せっかくだからちょっと、買い物でもしてみるか。できれば、魔道書などを見てみたいと思った。
「ここの店はすごいな。こんなにたくさんの種類の魔道書が置いてあるんだな。」
その中に『女魔法使い専用魔法』というのがあった。
「これはさすがに、僕ら男は使えないということか。
使えるとしたら僕らの中では、カトレーダかリディアだな。」
その魔法は、『リザイア』というらしい。敵の体力を吸い取り、自分の体力にするという効果があるらしい。
他にも、敵を混乱させたり、眠らせたり、敵に唱えると敵をマヒさせたりするような魔法も、ここの魔道書を読むことで覚えられるとか。
とりあえずひととおり、魔道書を買っていくとするか。
それではまた、行くとするか。
この商店街からまっすぐ南に行くと、僕らが最初に入ってきた城門にたどり着く。
「ここから外に出て、周辺地域でも散策することにしますか。」
僕らはそこから、城門の外に出て、さらに散策を行うことにした。
「それにしても、メローヴィス王国には、けっこう近代文明のアレとかあるよな。」
典型的な剣と魔法のファンタジー世界かと思いきゃ、実はけっこう近代の科学と魔法が融合しているような世界観だ。このメローヴィス王国というのは。