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メローヴィス王国へ!(2)

カトレーダ「うわあー、すごいですね。」


さすがはメローヴィス王国の王都。今まで見てきたところとは、比べ物にならない、大都市だ。


碁盤(ごばん)の目のように道路が整備され、形は正方形、四方を城壁に囲まれ、その城は都のまさにど真ん中の位置にある。


なるほど、これなら空以外なら、四方どこから敵が攻め込んできても、対処できるというわけだ。


ノボル「もう夜も遅くなってくるから、ひとまずは今晩の宿を探そう。」


僕らは宿を探し、一晩泊まる。本格的な行動、そして城へ行き、国王に謁見するのは、明日の朝だ。


翌日…。


朝食はハムエッグトーストと、サラダ、それと飲み物は、オレンジジュースかコーヒー。


さらにデザートにはカスタードプリンもついていた。


ノボル「へえ、カスタードプリンとか、他にも注文すれば、いろんなケーキとかも食べられるのか。」


朝食を済ませ、城下町に繰り出す。


しかし、冒険を進めていくうちに、これは本当に『無人島開拓紀』なのか?という疑問がわいてきているのも、また事実。


もはや、『大陸開拓紀』、あるいは、『未開の地開拓紀』とでもした方がいいのではないか。


そう思いながら、城下町を歩く。


基本的にメローヴィスの王都は、常に正方形の形を維持しつつ、時代が進むごとに新たな拡張工事を繰り返し、現在に至っているということらしい。


王都のはずれの方は、まだ街道もそこで途切れており、また区画なども整備されてはおらず、建設工事が進められていた。


そしてようやく城の見える位置までやってきた。


そして城のある方角に目を向ける。


見たところ、かなり大きな城のようだ。


そして、万国旗がはためく。確かこの国では近々、『万国博覧会』が開催される予定だと聞いたが…。


ノボル「万国旗がはためいているみたいだけど、全然見たことのないような旗もある。

いずれそれらの国々にも足を踏み入れることになるかもしれないな。」


そして、あることに気がついた。各国の旗がはためく中で、なぜか、キングスクラウン王国の旗だけが、無いのだ。



ノボル「あれっ?そういえば、キングスクラウン王国の旗は?

あれっ?無いぞ。まさか、この万博に何も出展していないというわけではあるまいな。」


突如として疑問がわいてくる。


疑問を抱えながら、城へと向かう。


そして城門に到着した。


見張りの兵士たちからはお決まりのセリフ。


「王様は身分を問わず、どのような者ともお会いになられる。

王様に、粗相(そそう)のないようにな。」


そして城門が開く。


ギギギギギギィーッ!


城門が開くと、そのまままっすぐ、城の正面玄関にたどり着く。


正面玄関の扉を開けて中に入る。


そこからさらにまっすぐ歩き、2階の国王の間に続く階段を登っていくと、さらにまっすぐ歩いた位置にある王座に、メローヴィス王国の国王が鎮座(ちんざ)している。


横にいるのは大臣らしき人物と、見張りの兵士たちが脇をかためる。


僕たちは迷わず、まっすぐ進み、国王のもとへ。


「おお!おぬしたちは…。」


国王がまず、一言話したのに続いて、大臣が話す。


「おお、お前たちも国王陛下にあいさつをしに来たのか。

最近はよく、お前たちのように国王陛下にあいさつをしに来る、旅の者たちが多くてな。

それでは、この大臣から紹介しよう。

こちらにおわすお方は、メローヴィス王国の第14代国王、

ヴィヴァルディ14世陛下じゃ。

お前たち、粗相(そそう)のないようにな。」


国王の名前はヴィヴァルディ14世というそうだ。


ヴィヴァルディといえば、たしか17世紀から18世紀くらいに、そのような名前の音楽家がいたような…。


ヴィヴァルディ14世「ようこそ。我がメローヴィス王国へ。

私は国王のヴィヴァルディ14世だ。」


ノボル「ははーっ!

キングスクラウン王国の、キングスリング島からやってまいりました、ノボル・シマウチと申します。」


ヴィヴァルディ14世「む。はるばるそのような遠い所から、やってきたのか。」


ノボル「はい。」


ヴィヴァルディ14世「たしか、キングスクラウン王国の、キングスリング島という所から、やってきたとな。

うーむ。キングスクラウン王国ねえ…。」


その後、僕らは衝撃的な発言を聞き、やがてそれが事実だということを知ることになる。


「お前たち、キングスクラウン王国から来たと言うが、おかしいな。

たしかあの国は、ずいぶん前に…。

いや、こっちの話だ。気にするな。」


国王が意味深なことを口にした。


いったいどういうことなんだ?


さらに話を聞いてみると、なんとメローヴィス王国もまた、ヤツハカ教団の侵略を受けているのだそうだ。


「実は、我が国はヤツハカ教団によって、一度は滅ぼされるところだったのですよ。」


そう話したのは城に仕える下働きの男だった。


「昔々、この世界は、邪教集団ヤツハカ教団の信仰する邪神、ミツクビ神と、そのしもべたちによって、侵略されていました。

その時、真っ先に攻め滅ぼされたのが、実はあなたたちがやってきたという、キングスクラウン王国だったんですよ。」


な、なんだって!?


嘘だろ!?まさかそんなことが、あるはずがない。


「その時は世界各国が侵略を受け、結局はキングスクラウン王国だけが、完全に滅ぼされ、それ以外の国々は、大きな被害を受けながらも、どうにか無事だったということなんです。」


そんな、そんなことが…。


それじゃあ、僕が今まで見てきた、キングスクラウン王国は、


ミッテラン国王や、大臣のシラクや、イザコ・ドルチェや、マルシア・アイーダや、


それから、僕が仲間として連れてきた、ブルース、リディア、そして、カトレーダは…?


リディア「あら、実は私たちね、もともとはキングスクラウン王国の出身じゃないのよ。

ここからさらに行った、テミス王国から、移住希望者として、キングスリング島に来たのよ。」


ノボル「テミス王国!?それは本当なのか?」


リディア「ええ、本当よ。」


ブルース「そういうことだ。

それから他の衛兵たちも、実はキングスクラウン王国以外の、他の国々から集められた精鋭揃いだ。」


カトレーダ「そういうことです。

ちなみに私は、オセロニア王国というところから来たんです。

ほら、あの万国旗の中にも、あれがテミス王国の旗、それと、あれが私の故郷、オセロニア王国の旗ですよ。」


カトレーダが指差した、あれとあれが、テミス王国とオセロニア王国という、2つの国の旗だという。


そしてこの2つの国も、今回のメローヴィス万博に、出品しているという。


しかし、それよりも何よりも、キングスクラウン王国が、実は既に滅ぼされていると聞いて、驚きを隠せずにいた。


僕が最初に、無人島だったキングスリング島に来たときは、この世界にあった大陸、島は、キングスリング島と、キングスクラウン大陸だけで、その唯一の王国が、キングスクラウン王国だった。


頭の中が混乱してきた。


じゃあ、あのキングスクラウン王国の人々は…。


まさか、ゾンビとか!?それとも、幽霊!?


僕らは急遽、キングスクラウン王国に、瞬間移動で戻ることにした。


戻ってみると、いつもの日常を送っていた。


1人の老人に話を聞いた。


「たとえヤツハカ教団が攻めてこようとも、わしらはこの国を守るのじゃ!

何!?この国はとっくの昔にヤツハカ教団に滅ぼされているだと!?

なら、今ここにいるわしらは何なのじゃ!冗談もほどほどにせんか!」


けんもほろろに、言い返された。


そして僕らはまたも、メローヴィスに戻る。


すると、報告係の兵士が、何か国王に報告があるという。


「おいおい、何か変な報告が来たらしいぞ。」


とりあえずその報告を聞いてみることにした。


「申し上げます!我らの船団が南方の海域を調べてみたところ、

なんと、昔滅ぼされたはずのキングスクラウン王国が、現在もなお、立派に存続しているのです!」


「な、なんだと!?それはいったいどういうことだ!?」


「それだけではなくて、キングスクラウン王国のある、キングスクラウン大陸の近くにある、

無人島だったはずの島に、なんと開拓者たちが町を築いて生活をし、さらには、カジノや劇場まで建ち並んでいるのです!」


「何!?」


ここでノボルの出番。


ノボル「そうです。あの無人島にキングスリング島と名付け、開拓団を派遣して町を築き、カジノや劇場も建設したのは、他でもない、僕らの開拓団なのですよ。」


「何!?お前たちの開拓団が!?」


さすがのメローヴィスの国王、ヴィヴァルディ14世も、これには驚きの表情を隠せなかった。


ノボル「そしてこちらの者たちは、僕らの開拓団の仲間たちなのです。」


ブルース「どうも、ブルースっす。」


リディア「リディアです。よろしく。」


カトレーダ「カトレーダです。よろしくお願いいたします。」


つまり、僕らの今までの開拓によって、この世界の行方に、少なからず影響を与えたということが、あらためてこれで立証されたことになる。


そして、ヴィヴァルディ14世は、驚きの表情を見せながらも語る。


ヴィヴァルディ14世「むむむ、にわかには信じがたいが、つまり、そういうことだな。

しかも何か?お前たちの島の町と、このメローヴィス王国とが、対等に付き合いたいということか。」


ノボル「はい!このうえは、僕らの町と、それからキングスクラウン王国からも、メローヴィス万博の方に、何か出品させていただきたく、どうかよろしく、お願いいたします。

それから、万国旗の方にも、僕らの町の旗と、それからキングスクラウン王国の旗も、掲げていただきたいと。」


こうしてヴィヴァルディ14世は、ノボルたちの要求を受け入れることにした。


これで晴れて、キングスクラウン王国も世界の国の仲間入りを果たせたというもの。


ミッテラン国王もさぞや喜んでいることだろう。


しかしそれを成し遂げたのは、他でもない、僕らの開拓団の功績であるということもまた、紛れもない事実だということを忘れてはならない。


その頃、レディーファースト大陸と、ラクシャーサ大陸のさらに北側に、またまた、新たな大陸が出現した。


しかも今度の大陸は、比べ物にならないほど大きな大陸だ。


それが、ペルセウス大陸。


この大陸にあるのが、リディアやブルースの出身国のテミス王国、それとカトレーダの出身国の、オセロニア王国である。



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