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メローヴィス王国へ!(1)

メローヴィス王国領。




この地域は神秘のヴェールに包まれてきたが、最近になってその実態がわかってきた。


最近になってこの国は、他国との交流を積極的に進めるようにし、その一環として、次々とイベントを開催するようになってきた。


その1つが、『メローヴィス王国主催万国博覧会』というイベント、


通称、『万博』とも呼ばれる。このイベントには世界中から様々な絵画や彫刻、陶芸品などが出品されるという。




第2の無人島をひととおり調べてみようと思ったが、今のところは、取り立てて調べるようなものもない。


「おかげで、ゴブリンたちはおとなしくなりました!」


コロボックルのココロからも、お礼を言われた。


が、もともとノボルは、実はメローヴィス王国に行ってみたいという、かねてからの願望があった。


『万博』をこの目で見てみたいという願望があった。


もともと、無人島探検記などを読むのが好きで、ライトノベルのダンジョン探検記や、モンスター百科、レアアイテム百科、伝説の武器防具に関する本を読んだりするのが趣味だった。


無人島に生息する動植物や、ダンジョンの構造、罠や仕掛けの種類、モンスターの属性、特徴、種類、名称、レアアイテムの名称、由来、効果、また、伝説の武器防具の名称、由来、それにまつわる神話の物語など。


これも勉強のうちだろう、とノボルは考えていた。


親の英才教育で、がんじがらめで勉強と読書しかやることがなかったノボルだった。


だから自然とそれが身についた。


メローヴィス王国の王都には、世界的に有名な図書館があるという。


蔵書は数千冊、いや数万冊ともいわれる。




そんな中、ノボルはまた1人の仲間と知り合う。


衛兵ブルース・ウイル・スミスの知り合いの、リディアという、ムチ、槍、魔法の杖を使いこなす女だ。


「ここにノボル・シマウチさんっていう人がいるって聞いたけど。」


「ノボル・シマウチは僕だが。」


リディアはノボル・シマウチという名前を聞いたとたんに、


「やっぱり、あなたがノボル・シマウチさんだ。

能力って顔に出るみたいね。

ノボル・シマウチさんは頭脳派で、私の知り合いのブルース・ウイル・スミスは怪力自慢なのよ。」


そこにブルース・ウイル・スミスが、扉を開けて入ってくる。


「リディア!?リディアじゃないか!?久しぶり!」


「ブルース!?ブルースじゃない!

やっぱり、ここで働いてたんだ!」


リディアとブルースは、実は幼なじみで、かなり昔からのつき合いのようだ。


が、このリディアは可愛い顔をしているが、実は勝ち気な性格で、言いたいこと、思ったことがあると、ずけずけと口に出してしまうようだ。


「誰が可愛い顔だって?」


ブルースもやはり、思ったことをずけずけと口にしてしまうタイプのようだ。


「やっぱりね、ブルースは昔からそうなのよ。

やっぱり、能力や性格ってのは、顔に出るのかしらね。」


「何だとっ!?」


「何よ!?」


いきなり痴話(ちわ)げんかになってしまう2人だが、実はけんかするほど仲がいいとも言う通り、まさにこの2人はそういう関係だった。


「さてと、ノボルさんはやっぱり頭脳派?

だけどどうも知識が(かたよ)り過ぎているみたいね。

もっといろんなジャンルに興味を持たないと。」


リディアはそう言ったが、ノボルは実は歴史や地理、それに世界地図などにも詳しい。


それと、魔道書(まどうしょ)なども読みあさっている。


ノボルは世界地図を広げた。


「今度は、メローヴィス王国に行ってみたいんだ。

僕らが今いるキングスリング島は、この世界地図で見たら、最南端にある。

キングスクラウン大陸は、大陸の中では最南端の大陸。

オーストラリア大陸くらいの位置にある。」


「はあ?オーストラリア大陸!?」


おっと、ついつい前の世界の基準で言ってしまう、ノボルの悪い癖だ。


ノボルは説明を続ける。


各大陸の位置についても説明する。


理屈っぽいところがあるのも、ノボルの悪い癖かもしれない。


「ここにあるのが、キングスクラウン大陸、そしてこっちにある島が、キングスリング島だ。

キングスクラウン大陸から見て、北東の方向にある大きな大陸が、メローヴィス王国のあるレディーファースト大陸だよ。

キングスクラウン大陸から、ちょうど少し北の方にある、小さな島が、第2の無人島、

このたび僕らがコロボックル島と名付けた島だよ。

そしてそのコロボックル島からさらに北、レディーファースト大陸から見ると、北西方向にある大陸、この不気味な感じの大陸が、悪鬼の国があるという、ラクシャーサ大陸だ。」


大陸の位置関係もひととおり説明を終えて、さあそろそろ、メローヴィス王国へ向かう旅を始めるとするか。


メローヴィス王国領。


ビスタの港町からメローヴィス王国領までは、本当に何もない、広い広い平原が広がる。


空にはペガサスや飛竜、それにグリフォンまでが飛び交う。




今回のパーティー編成は、僕、ノボルと、カトレーダ、ブルース、それとリディアの4人。


カトレーダだけは毎回、毎回、連れていっている。それからブルースは、連れていかないと文句を言われそうだから、連れていっている。


それと、この間仲間にした、リディアを連れていくことにした。


冒険のたびにパーティー編成が変わる。それも無理はないか。


仲間キャラの数が増えてくると、どうしても全員は連れていけなくなるから。


あまり大挙しておしかけてもなあ…。ここは4人程度で行くとしよう。




僕らはまず、キングスリング島の港の船着き場から、船に乗り込む。


途中、海の上で、ピラニア6匹と戦う。


ピラニアといっても普通の大きさではなく、モンスターとして現れる、大きなピラニアだ。


僕らはまず、そのピラニア6匹を倒す。


すると、さらにピラニアが6匹現れる。


「何匹出てくるんだよ。」


僕らはその後、さらにそのピラニア6匹を倒し、計12匹のピラニアを倒した。




ようやく船はビスタの港町に到着。


「さあ、ここからいよいよ、メローヴィスへの道だ。」


メローヴィスへの道。世界の街道を行く旅だ。


海路は帆船。陸路は、徒歩か幌馬車か。たまにキャラバン隊が通りかかることもあるという。


「こんな時に、オートバイでもあったらなあ…。」


するとなんと、本当にオートバイが現れた。


ブルース「すげえな!本当にオートバイってのが、出てきたよ。」


リディア「だけど、2台しかないよ。どうするの?」


ノボル「実はこのオートバイは、2人1組で乗るんだ。」


リディア「えーっ!それじゃあ、私はブルースと2人で乗るのー!?」


ブルース「えーっ!俺はリディアと乗ることになるのかよ。

まあいいや。そうと決まったら、さっそく乗っていくか。」


ノボルとカトレーダ、ブルースとリディアの2人ずつで、2台のバイクに乗ることに。


カトレーダはノボルの後ろに乗り、ノボルが運転することに。


リディアはブルースの後ろに乗り、運転するのは、ブルース。


ヘルメットもしっかりかぶって、いよいよ、出発進行。


カトレーダ「それじゃ、ノボルさん、よろしくお願いします。」


ノボル「ああ、わかってるよ。」


リディア「しっかり運転してね。お願いね。」


ブルース「任せとけって。」


そしてオートバイは、メローヴィス王国の王都に向けて走り出す。


本当に何もない、だだっ広い平原を走る。


途中で、高層ビル群の瓦礫らしきところを見つけた。


「あの建物が何なのか、ご存知ですかな?」


このあたりの家に住んでいるらしい、老人が尋ねてきた。


「昔の都市?」


「そう、これは大昔の、魔法戦争によって破壊され、打ち捨てられた、都市の残骸じゃ。

戦争というのはいつの時代も、このような傷跡を残す。

同族同士が殺し合うような時代に向かっていくなど、人間というのは生命体の中で、最も愚かな存在といわれる。

そればかりか、昔の人間たちが築き上げてきた、負の遺産も含めて、我々の父祖たちの痕跡を、平然と破壊し、荒らしまわるなど、

まさに愚かな人間の、その愚かな人間の歴史の中でも、またさらに愚かな者たちの、蛮行じゃよ。」


なんだか説教くさい話になってきたが、なぜか、みんな聞き入っていた。


そして僕ら4人は、オートバイに乗って先を急ぐ。


そして、ついに見えてきたぞ、あれがメローヴィス王国の、王都の灯りだ。


到着した時には、日も暮れて夜の灯りが灯っていた。


「これがメローヴィス王国の王都か!」



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