表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/26

親玉ゴブリン

ステージボスの部屋に通じる扉を開いた、ノボル率いるパーティー。




そしてついに、ここのステージボスといえる、親玉ゴブリンが登場する。


しかしこの親玉ゴブリン、普通のゴブリンとは比べ物にならないほど、巨大なゴブリンだ。それに力もありそうだ…。


「うおおおおっ…!これが親玉ゴブリンか!」


「そうだ、俺様が親玉ゴブリンだ!

ただのゴブリンとは違うぞ!なにしろ、さるお方から、力を授かっているのだからな!」




「それでその、さるお方というのは…。」


僕らが思いつくのは、ただ1人しかいない。


おそらくは、ヤツハカ教団のミツクビ神…。


僕は親玉ゴブリンにそのことを尋ねてみた。


「あのー、その『さるお方』というのは、ひょっとして、ヤツハカ教団の唯一絶対の神、ミツクビ神ではないかと…。」


すると親玉ゴブリンは、怒り心頭。


「ええいうるさい!それを言うな!それに関しては断じて口を割らないぞ!

お前たち、ここまで来て生きて帰れるとでも思ったか!」


どうも話し合いも無理のようだ。こうなったらもう、戦うしかない。


僕は拳銃を構える。ちなみに、この拳銃の正式名は知らない。


僕はそのへんのところは詳しくないので。


ダーン!ダーン!ダーン!


親玉ゴブリンに拳銃を放つ。しかしダメージは僅少(きんしょう)だ。


「しまった…。弾切れだ…。」


とうとう拳銃の弾が切れた。


ガッ!


親玉ゴブリンの攻撃。僕は弾き飛ばされる。


それとともに手に持っていた拳銃も、弾き飛ばされてしまった。


親玉ゴブリンは大きな足で、転がった拳銃を、踏みつぶす。


ドガッッ!


これでもう拳銃は使えないか…。


「おい!こいつは普通の武器なんかじゃ、ひとたまりもないぞ!

魔法のかかったような、特殊な武器でもないとな。」


ブルースが口にする。


親玉ゴブリンはニヤリと笑う。


「ぐふふ、俺様はただのゴブリンとは違う、強大な力を授かったと、言っただろう!」


ちょっと待て、まさかこんなところにまで、邪教ヤツハカ教団、邪神ミツクビ神の影響力が及んでいるなんて…。


「くくく、そうだ、ちょうどいい機会だから、冥土の土産に教えてやろう。

ミツクビ神様は、強大な力を持っている。

むろんお前たちの信仰する神など、足元にも及ばないほどにな。

だが不幸にして、お前たちの信仰する神に戦いを挑み、果敢に戦いを挑んだものの、その時は結局、敗れ去ってしまった。

そして長らく、『封印の間』という部屋に閉じ込められ、そこから一歩も外に出られずにいた。」


ゴブリンの化け物の分際で、そこまで詳しく語るとは…。


要するに、その『封印の間』から外に出してやろうという、実に単純かつ明快な理由だ。


「いまだに外には出られない、ということは、ミツクビ神の力は、まだ不完全ということか。」


「そうなるな。かくいう俺様も、人から聞いた話だからな。

ミツクビ神様は長い間、『封印の間』に閉じ込められていたせいで、その力を失ってしまっている。

『封印の間』への封印はあまりに長すぎた。

ミツクビ神様が完全なる力を取り戻すためにも、ヤツハカ教団が一丸となって、そのためのイケニエを集めなければならない。」


その話を聞いているうちに、なんだか退屈で眠くなってきた僕、ノボルだった。


そんな時だった。なんと偶然にも、いやこんな偶然があろうかと思うほど、本当に偶然に、そこに一振りの剣が、ミスリルソードが、地面に転がっていたのだ。


僕はそのミスリルソードを手に取る。


「ええっ!?」


僕の手におさまった瞬間、ミスリルソードは輝き出す。


そして一同、僕がミスリルソードを装備できるということに驚く。


なにしろ、ミスリルソードといったら、


ミスリル銀という特殊な金属でできていて、魔法のかかった特殊な武器の中でも、かなり強力な部類に入る。


このくらい強力な武器はめったにない。それを僕が装備しているのだから。


「ノボルさん!私も加勢します!」


そう言ったのは、カトレーダだった。


カトレーダは親玉ゴブリンの守備力を下げる魔法をかける。


すると、効いた!親玉ゴブリンの守備力が下がった。


「守備力を下げたところで、本当にお前にその剣が使いこなせるのか?」


親玉ゴブリンは、なおも挑発してくる。


「剣の使い方はただ斬るだけじゃないんだ!

こんなふうにも使えるんだよ!」


そして、もうヤケクソだとばかりに、僕はミスリルソードを、親玉ゴブリンめがけて投げつける。


ザシッ!


すると、ミスリルソードは親玉ゴブリンの、眉間(みけん)に、見事に命中!


「あ!ミスリルソードが親玉ゴブリンの眉間(みけん)に!」




ちゅどーん!




「ぎょえーっ!」


親玉ゴブリンは爆発!


その次の瞬間、あれだけ巨大だった親玉ゴブリンは、ただの普通サイズのゴブリンに戻ってしまったようだ。


「わーっ!参りました!許してください!」


そう言って、ただのゴブリンに戻った親玉ゴブリン?は去っていった。


僕はなんとなく、拍子抜けしていた。


「なんだかおもったよりもあっけないな。

さて、それよりも何かアイテムとか持っていなかったかな。」


そして、調べてみると親玉ゴブリンは、たくさんの金銀財宝、金貨銀貨銅貨、ゴブリンアックスという戦斧(せんぶ)


それからさらに、その他装備品や所持品、それと石板を隠し持っていたようだ。


「また石板か。この石板をはめ込めば、またまた新たな無人島や大陸が現れるという。その繰り返しだな。」


これまでの順番では、


キングスクラウン大陸→キングスリング島と名付けた無人島→レディーファースト大陸→第2の無人島→ラクシャーサ大陸


という順番で現れてきたが、となると次の順番は、またまた無人島か?


ということになる。


「いよいよ、ヤツハカ教団とも本格的に戦うことになっていくのか…。」


そう思っていた僕に、またまた、クギをさしたのはブルースだった。


ブルースもブルースなりに感じ取っていたのだろう。そして他の仲間たちも、やはりそうだった。


「おいおい、言っておくがな。どうやらヤツハカ教団というのは、並の組織じゃねえぞ。

あんなゴブリン野郎が大将なわけねえんだ。

きっともっとすごい大物がいるに違いねえ。」


ノボル「それにしても、もう少し手ごたえがあるかと思ったら、所詮は最弱のザコ敵か…。」


ノボル、マルセロ、ブルース、キム、ウィル、ロバート、そしてカトレーダの7人は、ようやくゴブリンの洞窟を攻略した。


しかし、思ったよりもあっけなく攻略できたということもあって、なんだか拍子抜けしていた。


ブルース「てか、この程度のダンジョンなら、わざわざ7人で行くこともなかったんじゃないか?」


マルセロ「それこそブルース1人でもよかったんじゃないか。」


ブルース「おいおい、よせよ。俺は魔法も使えないし、1匹ずつしか倒せない、それに素早さが低いから、敵に先に攻撃されてしまう。」


雑談が続く中、ノボルの持っていたミスリルソードは、ますます輝きを放つ。


そして、『スーパーミスリルソード』に進化したのだった。


そしてノボルは、ダンジョン脱出用の魔法を使った。


ノボルが使える魔法は、このダンジョン脱出用の魔法と、瞬間移動の魔法。あとは、ファイアボールなどの基本的な攻撃魔法と、初歩的な回復魔法のみ。




ひとまずこれで、地上に戻った。さっそくコロボックルのココロに報告しにいかないと…。


ノボル「ほう…、意外と小さな島なんだな。

そうだ、この島は『コロボックル島』とでも名付けよう。」


というわけで、第2の無人島は、ノボルの独断と偏見によって、『コロボックル島』と名付けられた。


「ココロー!戻ってきたぞー!ゴブリンたちを退治してきたぞー!」


「あっ!ノボルさんたち!それは本当ですね!

よかった!これでゴブリンたちも、おとなしくなりますよ!」


ひとまず報告を終える。


しかしそれと同時に、ある疑問が浮かんでいた。


「もしかしたら、世界各地で、ヤツハカ教団、それとミツクビ神は、あのように魔物たちを強化しているのでは…。」


あの親玉ゴブリンのことを言っていた。


ということは、やはり、ミツクビ神を復活させようとしている、ヤツハカ教団の息のかかった者たちが、魔物たちを強化したりしているのか…。


あるいは、ヤツハカ教団の教祖とか、大幹部とかが…。


その疑問もあったが、考えたところで、今のところはらちがあかない。


ひとまずは、キングスリング島に帰還することにした。


「さあ、もう行こうか。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ