表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/26

第8話

島内昇=ノボルは、さっそうとカジノと劇場の建設予定地に姿を現す。


目の前には既に、ノボルの話を聞こうと、黒山の人だかりができていた。


「皆さん!ついにカジノと劇場を建設する目処がたちました!」


さらにカジノの名称も発表される。


『カジノロワイヤル・キングスクラウン&リング』


続いて劇場の名称は、


『ノボル・シマウチ総合エンタメ劇場』




ちなみに完成までには、あと数ヶ月かかるという見込みだ。


その数ヶ月の間に、ゲド村や、ヤツハカ教団、ミツクビ神が何かリアクションを見せるかという、懸念もあったが、


しかし、その後数ヶ月、ゲド村も、ヤツハカ教団も、ミツクビ神も、目立った動きを見せることなく、カジノと劇場は完成し、さっそく『こけら落とし』と称して、オープン初日のイベントを開催することになった。


人々はオープン前から長蛇の列をなし、いよいよオープンの時刻になり、正面の扉が開け放たれると同時に、カジノと劇場の建物内になだれ込む。


人々が心待ちにしていた瞬間がやってきた。


「うおおおおっ!ついに!ついに俺たちの心待ちにしていた瞬間がやってきたぜ!

この瞬間をどんなに待ちわびたことか!

さあ!さっそくやるぞー!いくぜー!」


カジノで賭け事をすることを何よりの生きがいにしているような、荒くれ男たちも、この瞬間を待ちわびていたようだった。




カジノといえば、


スロットマシン


ポーカーゲーム


ロシアンルーレット


そして、一番の見せどころは、なんといっても、モンスター同士が対戦する、


モンスター格闘技場


だった。ここに世界各地から、選りすぐりのモンスターたちを連れてきて、戦わせて、興行として成り立たせる。


これが町の予算にもなるという構図だ。


もっとも登場してくるモンスターたちは、ノボルたちが今までの冒険で、一度戦ったことのあるモンスターだという。


なんだ、やっぱりそうか。モンスター格闘技場に登場させるには、もっともっといろんなところに出向いて、モンスターたちと戦っていかなければならないようだ。


「あーあ、いっそのこと、ここでチートが使えたらなあ…。」


ノボルはそうつぶやいた。


ここから先は、新たに現れた大陸などからも、移民を受け入れなければならない。


「僕らが冒険していって、新たな大陸や島を出現させて、その住民をまた新たにカジノや劇場の顧客や労働力として、受け入れていくという構図だよ。」


ノボルはそこまで考えていた。


そこに、貴婦人マルシア・アイーダから、アドバイスを受ける。


「カジノと劇場を建設したのはいいけど、内輪だけじゃ、限られたパイを食べるだけになってしまうわね。

限られた人間関係で、みんな知り合いで、ほとんど親戚同士みたいな関係も、悪くはないけどね。

キングスクラウン大陸からの客だけじゃ、いずれジリ貧になるわ。

やっぱり、よその大陸にも出向いて、営業活動に当たらせないとね。」


それはそうだ。顧客を獲得しないと。内輪だけじゃ、金の回りも限られてくる。


しかしノボルはちょっとイラっとしていた。


いちいち、他の誰かから指示やアドバイスをもらわなければ、いけないのか?と、その時思った。


というのも、これは前世の記憶で、とりわけ母親からは、あれをやりなさい、これを勉強しなさい、エッチな本やDVDを見て面白がるなんてもってのほかとか、


あとは、門限を勝手に決められたり、1日の勉強時間とかも、同意なく勝手に決められていたりした。


そのくせ、僕がこれをやろうとすることには、うちの両親は、事あるごとに、難癖をつけていた。


とにかく前世では、両親にあれやこれやと指図され、両親の指図した通りに、動いていた。


やっとそれから解放されたと思った。これからは、誰にも指図されずに、自分の好きなようにやらせてもらう、と思っていたノボルだったが、


ここはやはり、さらにこの町を拡大していくために、営業活動を行う必要があると思った。




そうだ、あのレディーファースト大陸から、いよいよ移民希望者と、顧客と、雇用を確保する時だ。


そんな矢先、カジノと劇場の建設に携わっていた作業員から、石板らしきものを渡された。


「これは…!」


渡された石板は2枚あった。さっそく例の石板の間に行ってみる。




「あったあった、ここだな。」


1枚目は、また無人島らしいな。2枚目は、こちらはまた、かなり大きな大陸らしい。


ノボルはさっそく石板をはめ込んだ。


すると…!


石板が光り出す。


「うおおおおっ!これは、また新たな大陸が現れたのか?」


そして外に出てみる。


「瞬間移動!」


キュイーン!


そして外に出てみると、またまた大変なことになっていた。


さらに町の中にも、異変が起きていた。人々に話を聞く。


「いつの間にか、町の中に魔物の住みからしきところができていたんだ。

おかしな奴らが住み着きそうで、困るよな…。」


そして、新たに現れたのは、1つはまたまた無人島、しかも今度は本当に、今まで人間が誰一人、足を踏み入れたことのない、全くの未開の地だという。


「おい、ノボル、今度現れた大陸は、ラクシャーサ大陸という、悪鬼たちが住む大陸らしいぞ。」


そして、ラクシャーサ大陸という、なんと悪鬼たちが住む大陸が現れたという。


悪鬼ラクシャーサというのが住んでいるらしいぞ…。


ついにカジノと劇場が完成したが、せっかく建てたカジノと劇場、生かさない手はない。


カジノの名称は、


『カジノロワイヤル・キングスクラウン&リング』


一方、劇場の名称は、


『ノボル・シマウチ総合エンタメ劇場』


という名称まで決まったのに、これを生かさない手はないだろう。


カジノといえば、賭け事の殿堂。大損することもあるが、大当たりした時の爽快感は、他の楽しみでは味わえないほどだ。


「今日は大当たりだー!ガッポリ儲かったぞー!」


「チッ、今日もかなり負けちまった…。」


賭け事を楽しむのは、なにも荒くれ者だけでなく、若い女性も、おばちゃんも、大金持ちも、おじいさんも、賭け事を楽しむ、立派な顧客だ。


一方で、劇場では連日、セクシーな衣装の踊り娘たちが、ダンスショーを披露する。


ダンスショーだけでなく、女たちが着衣を脱いでいくストリップショーなども、開催していく予定だ。


「いいぞー!踊れー!」「ヒューヒュー!」

「いいぞー!脱げー!」「もう最高だ!」

「色っぽいよー!」


日頃のストレスを解消するため、あるいは仕事の合間の余暇(よか)を楽しむために、


人々は集い、その場限りの享楽(きょうらく)に身をゆだねる。


ノボルは新たな顧客(こきゃく)を獲得するため、次はレディーファースト大陸に目をつけた。


レディーファースト大陸


大きく分けて、


『港町湾岸地域』

『メローヴィス王国領』

『内陸辺境地域』

『北部海岸地域』


と、いくつかの地域に分かれるようだ。


その中でも、メローヴィス王国領は、メローヴィス王国の王都を中心に、栄える地域。


対して、内陸辺境地域は広い土地だが、人口が少なく、小さな村が点在する地域。


人口は少なく、それらの村の人口はだいたい約300人~約500人程度。


あとは、湾岸地域や海岸地域は、港町が点在する地域。


北部海岸地域には、リアス式海岸もある。


ノボルはさらに考えた。


「どうせなら、大金持ちに来てもらった方がいい。いくらでも金が余っているような人たちだから。

商人イザコ・ドルチェや、貴婦人マルシア・アイーダにも、お金を使ってもらおうか。

特に、商人イザコ・ドルチェの総資産額は、算定不能というくらい、あり余っているから、いよいよという時には、資金援助を申し込むという、泣きの一手もある。」


そして、狙いはやはり、メローヴィス王国領の、王候貴族や、豪商などの金持ちたちと、その子女たちだ。


彼らに金をたくさん使ってもらうことで、カジノや劇場の収入にもなるし、町にまた新たな住民がやってくる機会も出てくるというもの。


「いいねえ、実にいいよ、うん。」


ノボルはとにかく、自分の決めた通りにやっていかないと気が済まない。


協調性が無い、人の意見を聞かず、自己判断で勝手に物事を進めるために動く。


「お次は、第2の無人島と、ラクシャーサ大陸だ。」


第2の無人島は、今まで、人間は誰1人、足を踏み入れたことの無い、まさに未踏の地、正真正銘(しょうしんしょうめい)の無人島だ。


対して、ラクシャーサ大陸は、悪鬼(あくおに)の大陸といわれ、『悪鬼(あくおに)の国』と呼ばれる国まであるという。


「悪鬼の大陸の、悪鬼の国か、この際だから、顧客は何も、人間だけにこだわることもないかもな…。」





さてお次は、カジノと劇場の中に入る飲食店について紹介することに。




『ミスターデスティニードーナツ』カジノ内支店。


一見すると普通のドーナツ屋だが、この店でどのドーナツを、どういった組み合わせで注文して食べたかによって、今後の運命が決まるという、なんとも摩訶不思議なドーナツ屋。


まずはこの店で販売されるドーナツの種類から。


オールドファッション系


オールドファッション(ノーマル)


オールドファッション(半分チョコ)


オールドファッション(全部チョコ)


オールドファッション(いちごチョコ)


フレンチクルーラー系


フレンチクルーラー(プレーン)


フレンチクルーラー(チョコ)


フレンチクルーラー(いちご)


コロネ系


チョココロネ


クリームコロネ


いちごコロネ


フォンデリング系


フォンデリング(プレーン)


フォンデリング(チョコ味)


フォンデリング(いちごチョコ味)


フォンデリング(抹茶チョコ味)




さてドーナツ屋に続いては、カレーライス専門店の紹介だ。





『カレーハウス・ノボル・シマウチ』カジノ内支店。


まずはメニューの紹介から。


基本メニュー


当店こだわりポークカレー


当店こだわりビーフカレー


当店こだわりチキンカレー


当店こだわりスープカレー


当店こだわりハヤシライス


いずれも基本料金は100ゴールドと格安。


ただし、トッピングや、大盛、辛さ増しなどにすると、追加料金となる。


大盛 +100ゴールド

特盛 +200ゴールド

メガ特盛 +300ゴールド


メガ特盛は、大盛、特盛を完食できた人限定とするという。


辛さ増し 1辛から10辛まであり、1辛ごとに10ゴールド追加となる。


また、6辛以降は、5辛までを完食した人に限らせていただくという。


トッピング


ロースカツ 200ゴールド


特製とんかつ 300ゴールド


メンチカツ 150ゴールド


ハンバーグ 130ゴールド


チーズハンバーグ 150ゴールド


チーズinハンバーグ 150ゴールド


エビフライ 220ゴールド


うずらの卵フライ 100ゴールド


唐揚げ 120ゴールド


コロッケ 110ゴールド


カニクリームコロッケ 100ゴールド


カキフライ 250ゴールド


チーズin 120ゴールド


さらに限定メニューとして、カレーパンも販売している。




そしてさらに、魔物用のトッピングメニューもある。これはさすがに人間は注文しないようなメニューだ。


食用のヘビ、カエル、トカゲ、ヤモリ、コウモリ、さらには、カタツムリまで、魔物用のトッピングメニューとして、用意されているという。


いったいなぜ、このようなメニューを考案したのかというと、


ラクシャーサ大陸の悪鬼、ラクシャーサたちは、このような爬虫類や両生類、コウモリや昆虫などを、普段の食事として、獲って食べているという。


この他、ゴブリンやオーク、オーガやトロルなども、これらの爬虫類や両生類、コウモリや昆虫などを食事とするという。


しかし、リザードマンや、フロッガーという名の大ガエル、それにコウモリ男などの魔物もいるから、メニューによっては、『共食い』ということになってしまいはしないか、という懸念(けねん)も、一つの懸念(けねん)としてある。


あとは、ドラゴニュートなどの種族も、実はそういうメニューが好みだという話も、聞いたことがある。


真偽のほどは定かではないが。


これらはあくまでも魔物用であり、普通の人間はとても、よほどの物好きでもない限りは、まず注文しないだろうというのは、折り込み済みだ。


実際にエスカルゴという、カタツムリの料理もあるが、さすがにカレーに乗っけるという発想は、今まで想像すらしていなかっただろう。


いや、想像するだけで、今後カレーをまともに食べられるのか、心配になってくるような、そんな魔物用のメニューだと、もっぱらの評判になっていた。


いったいどんなゲテモノ料理になるんだ!と思うだろうが、その点はご心配なく、とのことだ。


何の肉かわからないほどに細かく切り刻んで、じっくり煮込んで、それで提供するという。




また、これでダシをとって、サイドメニューのスープにして売り出すという計画もある。


またさらに、サイドメニューとして、イナゴのつくだ煮もメニューとして売り出すという…。




人間用のメニューと、魔物用のメニューとは、全くの別物なので、魔物用メニューはまた、魔物用の専門の店舗で取り扱う方がいいという、意見も出た。


てかそもそも、人間たちは魔物というと、自分たちの生活や生存を脅かすような、悪い敵だという印象を持っている。


ノボルはそんな魔物たちに対する偏見を解消し、いつかは共存共栄できるような方向に持っていきたいと、思っていた。




魔物用のメニューに対しては、意見を募ったところ、そもそもゲテモノ料理の専門店として、別に作れ!という意見があった。


というわけで、今度はゲテモノ料理専門店も作ろうかと。じゃあ、激辛料理専門店とか、他にもいろいろ、作ってやるかと、ノボルの妄想は、どこまでも広がるばかりだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ