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作者: Madder


彼は人を守るために生まれてきた。


何年も人の暮らしを見守っていた。


人が来ては、また去り。

いくつもの人々と時代を見守り続けた。


そんなある日から人が来なくなった。

何年も何年も待ったが誰も来ない。

空っぽになった彼の中には冷たく埃がつもら一方で、彼もどんどん年老いていった。


ある日彼のところに久しぶりに人が来た。

彼の中に懐かしい日差しが差し込む。


だが、人はそこに長くはいなかった。

彼は少し残念に思った。


また、彼のところに人が来た、今度は人数が増えていた、少し嬉しく思ったがどうも様子がいつもと違う。

その日は何もなく人は帰った。


それからしばらく、また彼のところに人が来た、今度は大きな機械もやって来た。

彼は自分の最後を悟った。


……………………………

………………

……


彼のいた場所は冷たいコンクリが貼られた平地、今は車の居場所となっている。

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