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孤独死
「ここどこなの…ていうか、私電車に確実に轢かれたよね…?」
この状況、疑問しかない。
可笑し過ぎる。笑えないレベルで。
私はこういう異世界トリップとか転移召喚とか超能力とか魔法とかそんな非科学的論理的証拠の無い絶対的に有り得ないことは信じない主義。
だから本当に理解不能。
「にしても異世界って感じもしないような気が…」
異世界にしては元の世界に似ている感じがする。
けれども建物や街並みはまるで近未来のようなものを感じさせる。
そんな近未来街を途方に暮れ歩く。
目的地はない。
「とりあえず住む場所確保したいな。野宿は勘弁…。」
そう思いながら歩くがまた疑問が生まれた。
「人、一人も歩いてないって可笑しくない…?」
こんなに近未来的な街並みに一人も人がいない。
建物内も見てみると人のいる気配が無い。
状況を把握した瞬間から心の底から恐怖がどっと溢れてくるのが分かった。
「誰か…誰かいないの!!」
恐怖に耐えられず柄にも無く大声で叫んでしまった。
私の大声に反応するモノは無かった。
「誰だ。」
絶望に駆られる中、突如後ろから声がした。