前へ目次 次へ 2/3 『視力検査のCマーク』 二年前の冬。いつものバーにて。 バーのオーナーは、女性バーテンダー。従業員さんが体調不良の為、入院。復帰が危ぶまれた。 同業者男性が、オーナーに言う。 『人は視力検査の「C」のようなもの。完全な円の人間は居ない。切れている不完全な円の箇所がそれぞれ違い、チームワークで一つの○になる。』 オーナーは、さっと、泣いた。その後、すぐに笑顔に戻った。 いずれは僕も人を雇う身になるかもしれぬ。従業員への愛とは、この涙のように、さっと現れるものなのだ、と感じた。