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逆じゃありません?

作者: 反兎


僕は今、ある女の子に押し倒され両手をがっつり押さえ付けられている。


この状況だと普通、僕が上で彼女が下だと思うのだが…何故か僕が下だった。

彼女に勉強を教えるはずが…何故か気がついたらこうなっていた。


何故こうなったのだろう−−−−?


事の始まりは今回のテストの結果だった。


彼女とは中学からの友達で、高校では同じクラス、席も前後だった。

彼女はいつもより点数が悪かったらしく、これだと親に怒られると見るからに落ち込んでいた。


「次もこんな点取ったら親に食事抜きにされる〜」


どんな罰だよ…と思いながらも、確かに彼女には1番利く罰だなと納得した。


彼女は食べるのが大好きで早弁は当たり前。そんな事をするからいつもお昼がない彼女は、いつも購買でパンを買っていた。

本当に彼女はよく食べる。男の僕よりも食べるぐらいだ。

だからといって彼女は太っている訳ではない。けど、彼女は背が高いので僕より体格が良く見えるかもしれない。


そして彼女のテストの点が落ちたのも、この食い意地にあった。


早弁するのが悪い!と親にお金を出してもらない彼女は、お昼のパンを買う為だけにバイトを始めた。だから彼女の給料は気持ちがいいまでに食べ物で消えていく。

自業自得だ…と思わない事もないが、僕は勉強が好きなので少しでも役に立てばと申し出た。


「僕で良かったら勉強教えようか?」

「本当!!?」


差し出がましいかと思ったが彼女は僕の手を両手でガシッと握り、目を輝かせてぐい気味で食いついてきた。

そこまで過剰反応されるとは思わなかったので、僕は少しだけたじろいだ。

目の錯覚だが…本当、目の錯覚だが…何だかこの時の彼女は目を光らせて少しヨダレを足らしているように見えた。


だが錯覚ではなかったと今なら解る。


だって、上手い具合に獲物が自ら自分の所へ舞い込んできてくれたのだ。そりゃあ食いつきたくもなる。


だがこの時の僕は、どんな事でも人の役に立てるのは嬉しいな…ましてや好きな事で役に立てるだなんて願ってもない事だ…と思っていた。

今なら自分があまりにも純粋だったと解る。

いや…だが、この時に誰がこんな事になると予想できた?

どんな天才であろうとこんな予想なんて出来る訳がない!!


そして着実と僕は、彼女の元へ自ら餌になりに行く。


どこで勉強するかという事になり、私の家でもいいけどさすがに勉強をするとはいえ男の人と2人きりは親に反対されると彼女が言うので、じゃあ図書館は?と聞くと、静かだけど人が多いから集中出来ないと言われ、だったら僕の家でしようと、彼女のバイトがない日に僕の家で勉強をする事になった。


僕の部屋で黙々と勉強していると、


「ここ解んない…」

「どこ…?」


と、彼女が指を差している所を見ようと近づいたら、急に抱きつかれて押し倒された。


そしてこうなった。(冒頭参照)


今、僕がどんな顔をしているのか解らないが、猫に追いつめられた子ネズミみたいに怯えていると思う。

だって追いつめた彼女は不敵な笑みを浮かべている。


食べられる−−−−!!本能的にそう思った。


彼女は軽くチュッチュッと僕のほっぺにキスをしていき、最後に鼻先にチュッとキスをしてはにかむように笑う。

何だかその笑顔に一瞬だが…胸がトキメいてしまった自分が嫌だった。


そして彼女は、最後の最後に食べたいから大切にとっておきましたと言うように、僕の唇にキスを落とした。(多分…ショートケーキの苺は最後に食べるタイプなのだろう…)


ああ…僕のファーストキスが〜〜〜〜〜………


色々と甘酸っぱく夢を見てきたのに…こんな風に失ってしまうなんて…夢にも思わなかった。

ファーストキス消失に悲しんでいると、彼女の舌がにゅっといきなり何故か僕の口の中に入ってくる。

何してんだ!?と驚いていると彼女は僕の舌に自分の舌を絡めてきた。

まるで口の中を犯されている気分だった。


「やめ…やめろっ−−−…」


少し口が離れた隙に声を出して抗議するのだが、彼女はやめてくれなかった。

僕の口の中を十分堪能したのか、最後にチュッと軽くキスをしてやっと解放してくれた。

離れた彼女の唇は、僕と彼女の唾液で湿っていて何だか艶っぽく見えた。


こんな事は初めてで…色んな感情が交ざりあって…もうとりあえず泣きたかった。てか、もう涙目だった。

これで終わりかと思ったら、まだまだ続くみたいだった。


彼女は口で噛んで僕の服を器用にまくっていき、そして僕を思わせ振りに見つめてから露にされた胸元に顔を近づけていく。


「うわぁ!やめろっ…!?」


近づいた彼女の口からは舌が出て、その舌は飴でも舐めるように胸元で動く。

少し屈辱的なこの行為に僕は残念な事に激しく感じていた。


「うわっ…!やめろって!!お願いやめっ…やめて−−−−−…」


そして彼女は追いつめた子ネズミを、食べる前に散々なぶって弱らせるように次々と僕の初めてを奪っていった。


この先は男のプライドと、何か諸々の諸事情と僕の気持ちが崩壊していったので自主規制させてもらいたい…。


ただ全てが終わった後、


こんな事って…初めてだったのに…酷い−−−−と、涙を流した事は言うまでもない。


そして僕の初めてを奪った彼女は恥ずかしそうにモジモジしながら、


「責任とってよね…」

「お前が言うな!!」


逆にこっちがとって欲しいくらいだ!!




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