第四話‐生まれた疑問‐
前回の話から二時間後…
時計はもう12時を過ぎていた…
晴海「…なぁ…怜…」
怜「…何ですか?晴海さん…」
俺は病院のベッド…
怜は横の椅子に座り、俺が寝ているベッドに倒れ込むようにして睡眠をとろうとしていた…
晴海「俺ってさ…生きてる意味…あるのかな…」
そんなときに、ふと呟いた言葉…
怜「…どうして…そんなこと思うんですか?」
帰ってきた言葉も、少し戸惑っているように感じた…
晴海「…だって、俺って反則型の持ち主だろ?」
怜「まだ開花してないですけどね…」
晴海「でも開花したらどうなるかわからないんだろ?」
怜「反則型の大半の人は一時的に自制心を失うらしいですからね…」
俺も失うのか…そんな恐怖しか覚えない…
晴海「もし今、開花したら俺は…守ってくれてる怜すら殺しちゃうかもしれないんだよね?」
怜「…そうかもしれないですね」
俺は今まで聞きたかった事を聞いてみることにした…
晴海「何で?…どうして逃げないの?…殺されちゃうかもしれないんだよ?」
怜「…それでもあなたを守りたいんです…」
…予想外の返答だった…
晴海「何が怜をそこまで動かすんだよ…理解できないよ…俺は…自分が殺されることに怯えてるってのに…」
怜「…理由は、またいつか…さぁ、寝ましょう…疲れてるんでしょう…」
またいつか…
そう約束してくれた怜を…俺は信じることにした…
晴海「…ありがとう」
そう言い残し…俺の意識は薄くなっていった…