九話
今回は、神彩剣吾視点です
これは、一体どういうことだ?
剣に刺された俺はそのまま下に落ちた。そして、気が付くと周りには誰もいず、俺1人だけだった
傷口が開いてはいたが、そんなこと気にもせずに帰ると俺がいた
俺の形をした、別の魔力の俺が・・・
そして、やっと気が付いた。今の俺は、魔力体・・・魔力だけで動いている
何がどうなってこうなったかは知らないけど、このままじゃ魔力を消費していき俺は消える
・・・やるしかない
「おいおい、せっかく全員殺すチャンスだったのに」
「悪いな、だけど俺の体でやるな!!!」
答え返すとともに、切りかかる
本気だ、早く自分の体に戻らないとどんどん消えていく
幸いにも俺の魔力は高いから、消えるまでは時間がかかるはずだ
しかし、いつ消えるかはわからない・・・早く戻らないと・・・
――――ズシャ
「・・・自分の体なのにいいのか?」
「別にいいよ、俺の体ぐらいな」
「本気か。なら・・・」
「私達を無視するな!!」
―――ブン、ゴオオオ!!
俺の体が一瞬にして、火の海に飲み込まれた
「お前が本物だな?」
ミララが聞いてくる
まあ、こんなことが起きたから恐いんだろな
「ああ、そうだ・・・だから、手伝ってくれ」
「断る」
・・・まじかよ・・・
「じゃあ、王としての命令だ」
「断る」
・・・じゃあ、どうしろと?
「私たちは・・・王妃様を守る!!ただ、それだけ・・・」
「じゃあ、王妃様を連れて逃げろ。こいつぐらい俺1人でいい」
「何をいう?もう、相手の魔力が風前の灯じゃないか」
確かに、感じるところでは、魔力がもう少ないが・・・
「・・・いやな予感がすんだよ」
「ただ、それだけで私達を逃がすのか?」
「ああ、だからさっさと」
「安心しろ。止めはしない」
火の海に向かって走り出した
多分、あいつは俺の体を縛って動けなくすることだ
ミララが飛び込むと同時に全員が・・・
「待ってみんな!!」
いや、2人だけが飛び込んでいない
確か、名前がミーナとヒルナだ
あの二人は他のやつらと比べてまだ危険察知能力か魔力探知が優れているみたいだな
「ミーナ!ヒルナ!!お前らだけでも、王妃を守れ!!」
「でも、みんなが・・」
「俺が全員助け・・・」
「うああああ!!!」
・・・!!!
人が・・・いや、女騎士団の一人が俺の方に飛んできた
―――ガシッ!!
「きゃぁ!」
「う!!」
くそ!!魔力体だから力が入りにくい
俺は受けとめたのはいいが・・そのまま転がってしまった
「召喚魔法・・・ゴブリン!」
――――ドン!
止まった!!
どうやら、何かにぶつかって止まったみたいだ
「コフウ・・・」
「ん・・?」
俺は見上げると・・鬼の顔があった・・・
「うああああ!!!!」
「ちょっと!それ、私のゴブリンです!!」
・・・ああ!!そういうことか
ヒルナが召喚してくれたから止まったけど・・・さすがに至近距離でゴブリンを見たらだれでもビビるって
「じゃあ、ゴブリンすまないけどこいつ頼むは」
「コフゥ」
うなずいてくれた
それをOkと思ったので抱きとめた騎士・・・シーナを手渡す
そして・・・
「とにかく・・・火の海を蹴散らす!!スラッシュ!!!!」
――――ブン!!
技だから魔力は減らない・・・だが、わかる
この黒魔の騎士を召喚しているから、どんどん魔力がなくなっている
だんだん、体が淡く光りだしてきた
早く、早く・・・