二話
今回は、ララミ=ミララ視点です
納得がいかない!!
なんで、魔力がないやつが空を飛んだり、ドラゴンを倒したりすることができるんだ!
女騎士団が成立して7年・・・最初からいる私からしてみればこの凡人は不思議すぎる。まるであの時の教官みたいだ
女騎士団は、普通の騎士団と比べて魔力が大幅に高い。女王様を守るのも女騎士団しかできない
そんな名誉ある騎士団なのに、魔力がないやつに王妃を守られるなんて・・・あの教官に顔向けできない
昔、私達の騎士団は子供の遊びで設立された
その男の遊び相手が教官だ。その人は尋常じゃないほど魔力を持っていて、どんなに私たちがくじけそうになっても手を差し伸べてくれた。
その人からしてみれば、ただの遊びだったかも知れないけど私たちからしてみれば遊びじゃなかった
そして、私たちはその遊んだその日の内に王妃様に言いに行き、正式に騎士団となった
私たちはうれしかったけど、教官は騎士団成立を知らない
いつの間にかいなくなっていた。
全員で町の人に聞き込みをしたけど、意味がなかった
まるで鳥のように空に逃げたのかも・・・そんな考えもうかんだりしていた
あれから、私たちは教官に一度もあっていない
そう言えば、一度だけ王妃様に訪ねた時に王妃様はこんなことを言っていたな
『あの人はあなたたちとはちょっと違うんです。だから忘れなさい』って言っていた
あの時の私達にはどういうことかわからなかったけど今ならわかる
私はあの人に恋をしていたんだ。子供だからいろんな感情が入り混じったりしてよくわからなかった
ただ、それだけのことだ・・・もし、また教官に会えたなら伝えよう
『好きです』最初で多分最後の告白を・・・
【神彩剣吾の家 周辺】
・・・デカいな・・・
この凡人、まさかこんなにもデカい家に住んでいるのか?
ぱっと見ただけでも普通の家3軒ぐらいはあるだろう。
金持ち?なら、王妃様が訪ねてきた理由がわかる
経済的投資か・・・しかも、この凡人ドラゴンを撃墜するほどの力があるみたいだ
その力で国を取り返し、そして経済もこのものの金でなんとかする
さすがは王妃様だ!!私達みたいなのでは考えようもないことをしてくれる
だけど、違った
「おーい、みんなどっちを見ているんだ?こっちのアパートだぞ。俺の家」
・・・へ?
右側をゆっくりと見ると、古臭いアパートが立っている
どういうことだ?経済投資じゃないのか・
ますます訳の分からないことになってきた
もう、考えるのはやめよう。すべて王妃様に任せたら今は何とかなるだろう
私はそう思いながら、神彩とか言うものの家に入ろうしたが・・・
「待った、待った。こんなにも入ることができないんだこの家」
「なら、どうするんですか?剣吾さま」
剣吾さま!?さっきまで呼び捨てだったのに、王妃様がこの者に「さま」を語尾使う!?
その瞬間、私の何かが行動をさせた
「王妃様!このものに「さま」なんて使わなくてよろしいです!!」
私は鞘から剣を抜き、この凡人の首元に当てた
もちろん、切れるように刃を表にして
「おっと、怖いな」
嘘だ・・・この凡人は全然怖がっていない
その証拠に、剣を突き付けられて笑っている
本当に八つ裂きにしてやろうか?
そんな考えが浮かんでいた
だけど・・・
「やめなさい、ミララ。さっきのこと忘れたのですか?」
そうだ、よくよく考えてみればこの凡人はドラゴンをいとも簡単に撃墜していた
ここで、八つ裂きにしようとすれば逆にやられる
私はそう思い、剣を納めた
「でだ、この人数で人目に付かない場所・・あるんだけどどうする?」
何を言っているんだ?こいつ
そんないい場所があるなら最初からそこに行けばいいのに
「いいですよ、その場所で」
王妃様は答える
そして、この凡人は手を叩き
「扉の魔法・・・ストラム」
その瞬間、凡人に目の前に現れた
その中は、綺麗な緑色が広がる大地だ
「さて、ここに入るにつれて注意があるんだが」
「なんでしょう」
ここはちゃんと聞いておかないとな
仮にも私は騎士隊長、団で隊長っておかしいと思うけど団長は決まっているから私はその下の隊長だ
だから、この団をちゃんと仕切るためにきいておかないと・・・
「ここにいるモンスターに絶対手を出さないでくれ」
「どうしてだ?」
私は率直な疑問を聞いた
おとなしいからか?それとも、毒か何か持っているのか?
でも、どちらとも違った
「いや、単純にモンスターが強いから手を出さないでくれ。撃退するのめんどいから」
「そうですか、わかりました」
王妃様が答える
・・・強いか・・・
まあ、この凡人は魔力を持っていないからどんなモンスターも強く思えるんだろうな
その点、私達女騎士団は大丈夫だろうな
まあ、この凡人が頭を下げて助けてくれって叫んだら助けてやるか
そう思いながら私は扉に入って行った
【神彩 剣吾の扉の世界】
なんだ・・・外から見たのと変わりないじゃないか
綺麗な草原が広がっている
香りがいいな・・・すがすがしい気分になる
ずっとここにいたいなあ。そんな気分になってきた
周りを見ると全員目を細めている。この気分を味待っているのだろう
だが、2人だけ違った。凡人ともう、1人新人の女騎士だけが目を見開いて周りを注意深く探っている
こんなところに注意するものなんてないだろ。現に王妃様も目を細めている、いつも注意深いのに・・
そう考えながら私は目をつぶった