十五話
今回は、神彩剣吾視点です
「剣吾君、この噂聞いたかね?」
会社で業務中に部長が話しかけてきた
どんな話だろ?
「ラーシャ王国が壊滅したって噂」
「・・・」
ラーシャ王国?
どっかで聞いたような名前だな
どこだっけな・・・?
「ほら、魔法とかの宗教をやっている所」
・・・魔法の宗教?
なんだっけな
なんか、ほんとに頭の片隅で引っ掛かっているんだけどな
魔法の宗教が意味が分からない
魔法って宗教でもなんでもないだろ?
誰でも、使えるはずなんだから
・・・そう言えば、いつから俺は魔法を使ってないんだろう?
見てもいないよな・・・
最後に見たのって確か・・・・・・・・・・・・・
「え?」
思わず口に出してしまった
・・・確か、最後に見たのは「監獄」だった
どこだ!!!?
俺は頭をフル回転させた
業務中にも関わらず
今・・・思い出さないと一生後悔しそうだから
【剣吾の家】
・・・結局、思い出すことができずに四か月がたって
「おぎゃあ!!おぎゃあ!!!」
俺のあかちゃんが生まれた
正確には生まれて3か月ほどしている
「ほらほら、泣かない 泣かない」
ルミは赤ちゃんをあやしている
・・・ついでに、俺はもう仕事が終わって家で飯を作っている最中だ
サバイバルの生活が長かったから大体の物は作れる
今、作っているのはチャーハンだ
「よし、あとは盛り付けるだけだな」
「終わったーー?」
ルミが確認をしてくる
どうやら、泣きやんだみたい
「終わった、終わった。食べようぜ」
「わかったーーー」
いつも通りの席に俺達はついて食事を始める
・・・うん、味付けは間違っていないな
よかったよかった
そんな感じに思っている最中だった
「ねえ、一つ聞いていい?」
突然、真剣そうな顔でルミが聞いてくる
・・・どうしたんだ?
「ああ、なんでも聞いていいぞ?」
「最近、元気ないけど大丈夫?」
!!!
・・・ばれている?
確かに最近はちょっと元気がないかもしれないけど・・・
「教えてよ。夫婦でしょ?私達」
・・・聞いてくる
嘘はつけないな
「じゃあ、言うぞ?」
「うん」
その時だった
――――ドオオオン!!!!
「!!!」
「きゃああ!!!」
家が崩れていく!!!
まずは柱が折れた
その後に天井が徐々に迫ってくる
なんだ!?
何が起きているんだ!?
いや、考えている暇はない!!!
俺はルミの手を引いて隣の部屋にいる俺達の赤ちゃんの紗々羅抱いてドアから逃げようとするが・・・
「開かない!!剣吾!!」
「どけ!!蹴とばす!!」
―――ドガッ!!!
俺は蹴とばしてそのまま外に出た
その後に連れてルミが出てきた
そして、俺達の家がなくなった
「うそ・・・どうして・・・」
ルミはおびえている
俺はそれから目をそらそうと別の方に目を向けるが・・・
「え・・?」
周りの家は燃えていたり崩れていたりする
・・・どういうことだ?
まさに地獄絵図
なにが、起こったかは誰もわからない
クソ!!
「見つけましたよ?悪神紗々柄」
!!?
上から声が聞こえた
・・・嘘だろ?俺の真上は空しかないぞ?
俺は恐る恐る上を向いた
そこには・・・ピエロがいた
「だれだ!?お前は!!」
「おやおや、まさか忘れられているとは」
「てめえなんか!!知れねえよ!!」
俺は地面を蹴って殴り掛かる
空を飛んでいようとどうした?
自分からジャンプをすれば当たる距離だ!!
そう思った
「おいおい。落ち着けよ剣吾」
―――ドガッ!!
「剣吾!!」
紗々羅を抱きかかえているルミが叫ぶ
・・・殴られた?
嘘だろ?
空中には二人・・・いる
ピエロと背中に剣を抱えてるやつが・・・
「いやぁ~~この紙切れ結構いい効果持っているんだな」
「紙切れ?一体何をしたんです?」
「前にこいつにサインしてもらってな。こいつの記憶を消したんだ・・・そしたら、こんなにも物事が進んだ」
「・・・なるほど、いい仕事をしましたね」
・・・・あいつらがなにかを話をしている
今の俺では何もできない
逃げる・・しかない!!!
「逃げるぞ!!ルミ」
「うん!!」
俺はルミ達の方に駆け寄って手を引っ張って逃げようとした
だけど・・・
「逃げれるかよ」
「無理ですのであきらめてください」
一気に回り込まれた
クソ!!!
「おらああ!!!!」
殴りかかろうとするが・・・
「うぜえよ」
―――ドガッ!!
目にも見えない早業で蹴り飛ばされた
・・・いてえ
腹を蹴られたみたいでずきずきと痛む
けど・・・そんなこと気にしている場合じゃない
「剣吾!!」
「逃げろ!!ルミ!!」
こっちに駆け寄ってこようとするルミを止めようとする
「・・・なんだ?こいつ」
「知りませんねこの子は・・・」
やばい!!!
目をつけられた!!
「殺してもいいか?こいつ」
「別に、悪神紗々柄さえ生きればいいですよ?」
「ありがとさん!!!!」
笑いながらルミの元に行った
そして・・・
「・・・剣吾・・・」
「よいしょっと」
――――ブシャ
男は剣を紗々羅とルミを切り裂いた
紗々羅とルミから血が噴き出る
・・・そして、膝から崩れていき・・・
倒れた
「あ・・あああ・・ああああああ!!!!!!」
俺は叫んだ
殺した!!!
こいつは、ルミを・・・紗々羅を殺した!!!!
「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
・・・その瞬間・・・
すべてを思い出した
俺がラーシャ王国の王って言うことと
・・・俺が神だと言うことを
すみません<m(__)m>
今回もまた急展開になってしまいました