十一話
今回は、神彩剣吾視点です
はあ・・・この状態にはなりたくなかったんだけどな・・・
そのために早く早くって思っていたのに
俺の着ていた黒魔の騎士が、さらに黒く染まる
それと同時に俺の魔力が完全な闇に染まる
魔力には、色があり、それによって使える魔法が異なったりする
例えば、ミーナは黄色。雷とかの魔法が得意なはずだ。しかし、俺は世にも珍しい純白の白
どんな魔法でも使えるし自分の意志で色を変えたりすることもできたりする。黒以外は
今のところ、色の種類に黒と言うものはないはずだ。しかし、なぜか俺は使える。ただし・・・今の俺に制御しきれるか賭けだな・・・これは
俺の偽物もなにか変ったみたいだ
魔力の質が変わっていることがわかる。色は紫に近い青
ちょっとだけ似ている・・・俺を刺したピエロの魔力に・・・
だけど、ちょっとだけ違う
「さあて・・・やっと完全に復活することができたんだ。この国を滅ぼすか」
「滅ぼす?・・なら、私達を倒してからにしろ!!」
もう、立ち上る気力もないくせに威張っている
はあ、ちょっとめんどくさいけど助けるか
「試してみるか・・・復活したこの力を!!毒の魔法・・・毒竜!!」
自分の体に毒の羽や角が追加される・・・おいおい、俺の体なんだけど
しかも、周りが毒霧みたいに細かい紫色に霧に包みこまれていやがる
多分、ちょっとでもすったらアウトだ・・・俺以外は
「はいはい。お疲れさん!!」
――――ドガッ!!
霧の中に入って、蹴り飛ばす!!・・・が
「ゴッフ!!!」
血反吐を吐いてしまった・・いや、魔反吐を吐いてしまった
猛毒の霧・・・ここまでか・・・。魔反吐を吐いてしまったため力が抜ける
「はっは!!まさかここまでバカだったのか貴様!」
俺の姿で高笑いしていやがる
結構イラつくなこいつ・・・俺の姿のくせに・・・ん?
俺の姿・・俺の体・・・なら・・・俺の体で一番苦手なもの。それを使えばいいんじゃないか?
立てるよな・・・?この魔力体のままで・・・ちょっとだけ持てばいいんだから・・・
俺は自分にそう言い聞かし、魔反吐でもう魔力が少ない体をゆっくりと持ち上げ、ミララが使っていた剣を手に取った
「おい・・・」
「なんだ?剣吾」
「名前なんていうんだ?お前の名前」
俺は自分の体を使っている奴の名前を知らない
もう、倒したら会うことはない。今の内に聞いておく
「名前か・・・そうだな、ソロモンって言うのはどうだ?」
「ソロモンか。わかった。じゃあなソロモン・・・安らかに眠れ」
―――ズッシャ
目にも止まらない速さで刃のついた剣で自分の体におおきな切り傷を作った
血が舞い散る音だけが聞こえる。俺の体から・・
俺の体の唯一の弱点・・・血を見ること
多分俺が魔力体になるきっかけになったのもそうだ
俺の体に隙があって俺を押しのけてソロモンが入った
なら、同じようにすればいい・・・俺の体に戻るために、俺は自分で自分の体を切る!!
「あ・・・あああああああ!!!!」
叫びながら魔力がどんどん弱まっていっている
俺の体が拒絶しているんだ。俺の体が・・・
ピエロに切られたときに俺の体を軸にしたのはいいけど、もう何十年の付き合いだ
俺以外のやつは拒絶しているんだ
俺は、待った・・・ソロモンが出ていくのを・・・
「ア・きえ…る・・・俺…ソロモンが・・・」
「だから、言っただろ?安らかに眠れって」
そして、俺の体から魔力は完全になくなり、俺が入って元通りになった
うん・・・やっぱり一番しっくり来るな俺の体が・・・
そう思った時だった
「あ・・・そう言えば・・血・・・出しっぱなしだ」
そう言いながら俺は意識が遠くなっていった
「剣吾さん!!」
「剣吾!」
騎士団のみんなが俺の名前を呼んでいることだけは・・・意識を失う前にちょっとだけ覚えていた
これからも、頑張っていきます!!
あと、今回はちょっとわかりにくいと思った方はできたら、どこら辺がわかりにくいか指摘してください<m(__)m>