プロローグ PART.2
んで、今さら気になったことがあるんだが。
「遙姉さんはどうしたんだ?」
その質問に、二人は苦笑いをしてしまった。
何となく予想が読めてしまった。
「えーっと、飛鳥お兄さんが来るのは改めて知ってはいたんだけど……」
「迎えに行く前に仕事場からの連絡が入って……」
「そして、二人に任せたわけか」
その答えに、二人は頷いて見せた。
場が悪いというかなんというか。
俺は、二人には見えないように溜息を吐いた。
「私たちじゃ駄目でしたか?」
「あー、違う違う……もし、遙姉さんとここから案内されたなら家に着くのが何時になるかと考えたんだよ」
その言葉に二人は『あー』と声を揃えながら相づちを返してくれた。
「たぶん、今日中には家につけると思いますよ……可能性的には」
「失敗すると、警察のお世話になりますよ……犯罪者的な意味で」
最後の言葉はあまり肯定したくはないかな。
とはいうもの、遙姉さんはこの二人と姉妹と思われるぐらい若いからな……
それに、強ち間違えではない。
再三言わせて貰うが、遙姉さんの方向音痴は物凄いと。
「それじゃ、家に向かうんですけど、その前に今晩の材料を買わないといけないので商店街に向かいましょう」
その言葉に頷いてベンチから腰を上げた。
「そう言えば、商店街って何処にあるんだ?」
「覚えてないんですか?」
その言葉に「あぁ」と答えた。
「最後に来たのが五年前だから仕方ないですね」
「店の場所とかを案内しながら行きましょうか?」
「そうしてくれると一番助かる」
二人は、両サイドから手を引っ張った。
「「それじゃ、行きましょう飛鳥お兄さん(お兄ちゃん)」」
俺はなすがまま引っ張られていった。