雨と余白
線路の脇には
雑草が生えていて
白い花も顔を見せていた
雨の日だって優しさはあって
全部全部を説明しなくても
言葉にならない感情があってもいい
神さまは点数をつけないから
僕は傘を刺して歩いてく
小粒の雨が服を濡らした
駅は雨宿りに丁度いい
時間ってものは大概のことを
ゆっくりゆっくりと
過去にしてくれる
些細なことを忘れていくのは
寂しいけれど確かに傷を塞いだ
電車に乗った僕は
ゆらりゆられて目を閉じる
変わらない音が心地良い
アスファルトの上に水溜まり
全てを憶えていられなくても
秋はまだ浅い
愛は不変だったら良いのにと思う
愛は普遍だったら良いのにと思う