4-3~5
3。
クラー・ケンが長年に渡って極秘に研究してきたモノがある。それが即ち『人間をイカにする研究』であった。
その目的はイカに人間並みの知能を与えることと、陸でも十二分に活動できるための身体機能を備えさせるためである。望んでいた過程とは少々違えど、この実験は見事に成功を収めた。彼がイカエビルとして活動できるのもその成果だ。
そして、彼は人間のイカ化によって起こるある事象に気がついた。それがイカ化による身体能力向上からくる興奮作用によるものなのか、イカ化による動物本能の強化によるものなのかは定かではない。いずれにしろイカになった人間は、普段はときに邪魔でさえある理性が薄弱になる傾向があった。つまり、内部に鬱憤を抱えている人間――エリート集団であるギネヴィア学園の学生というのは実験体としてこのうえない逸材であったのだ。
いつしか組織として呼べるほどにイカ化した人間がクラーのもとに集結しだすと、イカの帝国を造ろうという彼の野心も比例するように募っていった。
だが、そのイカたちに牙をむく輩が現れた。それがムーンプリンズである。彼女たちの恐るべきは強化服の性能にあらず。彼女たちの使う雷こそが脅威であった。なぜなら、彼女らの雷を受けたイカたちはことごとく浄化され、もとの人間に戻されてしまうからだ。
これに業を煮やしたイカエビルは彼女らに対抗するため女王を造りだしたのである。造りだしたのであるが……。
「これはイカん……」
イカエビルは朽ち果ててしまった研究室を見て、ぼそりとつぶやいた。
彼の野望はいま斜めうえの方角へ爆走していた。皮肉にもその原因の大本は、女王の誕生によって引き起こされたのである。
「イカカカカカッ。世界にいる男をすべてイカにしてしまえばいいのよ。そうすれば、私は文字通り女王になれるわ。私こそ唯一にして最高の女」
イカエビルはここにきて自分の失敗を悟る。自ら制御できない力というのは諸刃の剣であり、彼女とはまさにそんな存在であった。
「でも、まずは邪魔な雷ビッチどもを完膚無きまでに叩きつぶす必要がありそうね。待ってなさいムーンプリンズ!」
笑いながら研究室を飛びだす女王。イカエビルはそんな彼女を止めようともせず、呆然としたままその後ろ姿を見送った。
4。
小春日和な天気が眠気を誘う放課後。六は自分の研究室へ向かうため、部室棟への連絡路である渡り廊下を歩いていた。
「今日はなにもなければいいんだが……」
そんな淡い期待がふと囁かれる。かれこれイカエビルが現れてからというもの連日、彼が関わった事件が必ず起こっている。そして、そのたびに自分やフェイと穂乃華が駆りだされる始末であった。
六としては強化服の実験もできるともあって、最初は嬉しかった。だが、こう毎日騒ぎが続くとなれば話はべつだ。彼らが暴れるたびに大なり小なりの物的損害や人的損害がでてくるし、まわりからの不平不満も肥大化していく。このまま解決の糸口が見つからず、恒常化していくような事態になれば、それはギネヴィア学園というブランドに対してもそうだし、六も当事者の一人ということでよろしくなかった。
いま、学園に求められているのは性急に事件を解決することである。しかし、スルメイカの事件から一週間が経つというのに、解決の糸口はまるで見えていなかった。そうしている間にもこちらは疲弊していくばかりで、迅速な対応すらままならない状況であった。
(まあ、一発で事件解決できるようなことでも起こればいいんだろうけどな)
しかし、それに関して望みは薄いだろうとも理解していた。イカエビルはあれだけ派手に動くというのに、引き際をよく心得ている男だからだ。そんな男があっさり尻尾を掴ませてくれるわけもなく、膠着状態が続いていた。
そんなことを考えているうちに、彼の城である研究室が見えてくる。今日は資料をまとめたらさっさと帰ろうと思っていた、まさにそんなときである。
白い影が研究室の屋根を突き破る姿が見えた。
なにか嫌な予感が背筋を駆けめぐる。そして、その予感は見事に的中する。
窓から白い光が漏れだしたかと思うと、光は肥大化していき、爆発音とともに広がっていった。
やがて、光と粉塵が収まると、研究室はその影も形も残っていなかった。その瓦礫からゆらりと現れたのは、なんと人間だった。それもどこか見たことある影だ。
「こんにちわ、宇尾海くん」
制服についた埃を払って、こちらへゆっくり向かってくるのは同じクラスのシンディー・アークライトであった。
「アークライトさん、どうして……?」
それは愚問だろうか。破壊された研究室から無傷同然で現れた彼女を見て、普通だと思うほうがどうかしている。
「宇尾海くん、あなたに残念なお知らせがあるの」
ふふふと狂気に満ちたような表情で、彼女は笑っていた。
「今日から私はあたたちの敵になったわ。よろしくね」
にこりと笑ったかと思うと、シンディーは白い光に包まれて、イカ怪人へと変貌した。
「人間がイカになった……?」
「いまさら驚くこと? 変身解除されたイカはみんな人間に戻っていたじゃない」
たしかにごもっともな指摘である。だが、こうして人間がイカ化するのを見せられるのははじめてなのだ。驚かないわけがない。
「牝豚どもの姿は見えないようだけど……、好都合なのかしら?」
牝豚とは誰のことだろうかと、そんな疑問が浮かぶ。だが、その答えをだす間をシンディーはあたえなかった。
「まずは宇尾海六は私の下僕にしてやるわ!」
いきなりイカに下僕と呼ばれても実感がわかない六は困惑するしかない。そんなことをしている間にもシンディーは襲いかかってくる。だからといって、高い身体能力を有しているイカ・シンディーから逃げるのは不可能なのだから、そもそも抵抗してもしょうがないというのもあったのだが。
「待ちなさーい!」
すると、その間を割って入ったのが驚くことにイカエビルであった。
「あら、負けイカの分際で私の邪魔をする気?」
「男には負けるとわかっていても、立ち向かってイカねばならんときがあるのだ!」
「いまがそのときということ? それって格好つけすぎなんじゃない?」
シンディーは鼻で笑うと、一本の足でイカエビルを横殴りし、そこからイカ足のラッシュをあびせ、最後に地面に叩きつけた。
「男とは女にその存在を貢ぐために生まれてきたのよ。その自然の摂理を根性論などでくつがえそうなど愚の骨頂だと思わなくて?」
地面にうつぶせたまま身動きしないイカエビルの頭を足蹴にしながらシンディーは彼に問いかける。
そんな間に逃げだしてやろうとした六であるが、それを見逃すほどシンディーは甘くなかった。
「どこに行こうっていうのかしら?」
殺伐とした視線を向けてくるシンディー。蛇に睨まれた蛙のように、その眼力に圧倒されて萎縮してしまう六。生存本能が彼女の存在を危険であると認識していた。
「研究室も壊れてしまったことだし、今日はさっさと帰宅しようと思ってね」
「……この状況で、私がそんなことを許すと思ってる?」
その問いは愚問である。弱者は強者に対して逆らう権利を持たされていない。両者にある関係性とは屈服と服従であった。
「わかったよ。降参だ」
六は両手をあげて、自分が無抵抗であることを証明する。これは相手に対して、絶対的優位が確立されたことを意味していた。
「それじゃあ、次は私に対して服従を誓っていただこうかしら」
六が小さく嘆息をつくと同時、シンディーのイカ足が六を束縛しようとする。しかし、これこそ六が待っていた瞬間だった。
六はポケットからスタンガンを取りだし、イカ足にスタンガンの電流を流したのだ。イカ足から駆けめぐる電流はシンディーを包みこみ、青白い光をほとばしらせる。奇声を発しながらのたうちまわっている姿は見ていて痛々しいものがあった。
「このチンカス野郎! よくも私をだましたわね!」
恨みのこもった視線を向けてくるシンディー。電流がおさまってもダメージが残っているのか、地に伏したまま起きあがろうとしない。
「捕まったらロクな目にあわないってわかってるのに、なんで捕まってやらないといけないんだよ」
六は当然だろうとばかりに嘆息をつく。しかし、シンディーには受けいれがたいことのようで、憎しみのこもった表情を向けてくる。
「どうやら、今回もオレたちの勝ちのようだな」
あとはトドメを刺すだけ、シンディーの受けているダメージの度合いから、六はそう判断する。
「イカカカカカッ! 果たしてそうかしら?」
しかし、シンディーの表情には余裕がある。その余裕はどこからくるのか?
「イカエビルの秘密兵器を使えば、お前たちなど恐るるに足りないわ!」
高笑いをしながらシンディーが立ちあがる。その表情は自分の勝利を確信した者のものであった。
「いでよ、ギガ・スクイド!」
そう叫ぶと同時、シンディーの足下が盛りあがり、そのなかからなにやら蠢く巨大な物体が姿を現す。
「な、なんなんだ?」
「驚いてる場合じゃないわよ。さっさとキチガイ牝豚どもを呼びなさいな。ノミのチ○ポほどしか価値のないあなたでも命は惜しいでしょう」
相当酷いことをいわれてるのだが、いまの六に反論をする余裕などあるわけなかった。
「だからって、呼べばでてくるもんじゃないだろうが!」
というわけで、六はその場から一目散に逃げだす。地面は六を追いかけるようにして地割れを起こし、あたりのモノを片っ端から吹き飛ばしていく。そして巻きあがる粉塵と一緒に現れたのは巨大なイカであった。見あげようとすると首が痛くなりそうな大きさで、だいたい二十メートルはあろうか。
「イカカカカカッ! あれこそ私の最高傑作ギガ・スクイド! 世界最強のイカです!」
六の隣を嬉しそうな顔をして走るのはイカエビルだ。自分も死ぬかもしれないというのに、なにが嬉しいというのか。六は理解に苦しんだ。
「世界最強だろうがなんだろうが、そんなことはどうでもいい! さっさとなんとかしてくれ! そうでないと学園どころかムーンウォールの街が壊れちまう!」
「そもそもギガ・スクイドは都市制圧のために造った人造イカ怪人。弱点らしい弱点がないのが強み。そういって本来なら某巨大軍事国家に売りつけて独立を声高に主張するテロリストどものねぐらを踏み潰させるつもりでした。そして、そのテロリストたちに強化版を破格の価格で売りつけるのです。そうすれば争いは泥沼化し、我々は延々と兵器を売り続けられるし、兵器の試験運用までできるのです」
「……死の商人じゃねえか」
「イカカカカカッ! なにをおっしゃる。そうすれば延々と金が稼げるじゃありませんか。しかも荒廃後は復興支援の名のもとでインフラ事業も独占し、それからも半永久的に金を搾りとれるですぞ。戦争万々歳とはまさにこのこと!」
「あんたは自分の研究が戦争目的に利用されてもいいっていうのか?」
「研究には金がかかりますので」
「それをいわれると身も蓋もないな……」
六が開発しているのも兵器なので、実戦投入が魅力なのは否定できない。ある意味で六とイカエビルは同じ穴の狢であった。
「だからって、自分とこのねぐらまで壊すことはないんじゃないか?」
「もともとはここで使うつもりは毛頭なかったのです。ですが、彼女が封印を解いてしまった。ムーンウォールは滅びるかもしれません」
「それほどに切羽詰まっているのかよ……」
ムーンウォールが危ないと聞かされればさすがに心中は穏やかではない。とりあえず、なにか対策を練らねば。こんなときこそ正義のヒロインが颯爽と現れるべきだ。そう思っていたら、彼女らはやってっきた。
「誰がキチガイ牝豚よ! こんな美少女捕まえて、もっと用法は考えて使うべきだわ!」
「器物破損だけではなく、暴言を垂れ流すその習性……捨て置けません!」
学園の屋上にフェイと穂乃華――ムーンプリンズの二人はいた。
「きたわね牝豚ども。今日は徹底的に辱めてやるわ。ゆけ、ギガ・スクイド!」
ギガ・スクイドはうなり声をあげながら、触手を二人めがけて叩きつける。その攻撃を二人は左右にわかれて回避する。が、代わりに校舎の外側が触手の一撃で大きくえぐられてしまった。
「おいおい、これはちょっとやばいんじゃないか……」
「イカカカカカッ。素晴らしいですよギガ・スクイド! もっとです。もっとやりなさい!」
破壊の爪痕をまざまざと見せつけられ青ざめる六。それとは対照的にイカエビルは嬉々としていた。
「宇尾海さん、無事ですか?」
ギガ・スクイドの攻撃を避けて穂乃華が六のそばまでやってくる。気遣いの言葉を忘れないあたりは彼女らしいのかもしれない。
「そっちもなんとか大丈夫のようで」
六もとりあえず再会の挨拶を交わす。
「ええ、なんとか。今回の騒ぎの元凶はやはりイカエビルさんなんですか?」
イカエビルの触手を掴んで穂乃華は六に訊ねてくる。それに対して、イカエビルは警戒心のない顔を浮かべて突っ立っているだけだった。
「まあ、A級戦犯なのは間違いないな。とりあえず、こいつから片づけよう」
「そうですね」
穂乃華は微笑むと、なんの躊躇もなくイカエビルに電流を流し、動きを止めたところで拳を叩きこむ。その一撃を受けたイカエビルは紙のように吹き飛ばされていった。
「ようやくイカエビルを捕まえられそうですね」
「……まったく。苦労ばかりかけてくれるよ」
やれやれとばかりに六は肩をすくめる。それでも戦いが終わったわけではない。まだ大物が残っていた。
ギガ・スクイドが巨大建造物のようにしてそびえ立っている。六たちはその巨大さに圧倒され、見あげるしかない。
「……これって、ひょっとしたら世界の危機ってヤツかもしれないな」
六がつぶやいていると、ギガ・スクイドが二人にめがけて足を振りおろしてくる。その足をかわすために六は慌てて走りだし、穂乃華は跳びあがって避けた。
そして、そのままギガ・スクイドに向かって蹴りを一撃お見舞いする。しかし、足はギガ・スクイドにめりこむだけて、その一撃を受けた巨大なイカは効き目などまるでなかったように振る舞っている。
穂乃華は効き目がないことを悟り、ギガ・スクイドと距離をとろうとする。すると、その間隙をついてギガ・スクイドが巨大足で穂乃華をはたいた。
「イカカカカカッ! ハエは叩くにかぎるわ!」
シンディーことイカ・クイーンは愉快そうに笑いながら、ギガ・スクイドをゆっくりと前進させる。ギガ・スクイドの向かう先、そこは学園の校舎だった。
ギガ・スクイドはためらいもなく足を振りまわし、校舎に叩きつけ、まわりのモノをなぎ払っていく。
対するムーンプリンズも黙っていない。フェイはギガ・スクイドの足に跳び乗ると、そのまま足を伝って、ギガスクイドの頭上にいるイカ・クイーンへ向かっていく。
そんなフェイに対してイカ・クイーンは挑発的な笑みを浮かべる。その態度にプライドを刺激されたフェイは怒りに身が震えた。
フェイは咆吼をあげながら、ギガ・スクイドの足を伝ってイカ・クイーンのところまで駆けあがっていく。
「人間風情が女王である私に刃向かおうっていうのかい?」
そんなフェイが悪あがきをしているようにしか感じられず、イカ・クイーンは笑みを漏らす。
「その人間さまがイカごときをわざわざ相手をしてやろうってのよ。感謝なさいな」
フェイは大きく跳びあがって、ギガ・クラーケンの頭上をあっさり飛び越える。そしてそのまま急降下して、イカ・クイーンにめがけてかかとを落とす。イカ・クイーンはハッッと頭上を見あげるが、そのときにはなにもかもが遅かった。フェイのかかとはイカ・クイーンの超反応を持っても避けられない距離まできていた。
避けられないのならばと、イカ・クイーンはフェイのかかとを足で受け止める。だが、受け止めた瞬間にフェイは足に電気をまとわせて、イカ・クイーンに電流をあびせる。それでダメージを受けてしまったイカ・クイーンは防御を緩ませてしまい、フェイに追撃の隙を与えてしまう。
イカ・クイーンの懐に潜りこんだフェイは、右拳のストレートを叩きこむ。その一撃に怯むイカ・クイーンであったが、歯を食いしばりながらもなんとか耐えきる。そして反撃にイカ足でフェイの顔面を薙ぐ。だが、効き目などなかったように、それどころか睨むようにイカ・クイーンを見据えながら、今度は回し蹴りで応酬する。それを受けきったイカ・クイーンは雄叫びとともに衝撃波を放ち、フェイを吹き飛ばす。大地から足を離されたフェイは宙に舞いあがり、為す術もなく落下していく。
このままでは地面に激突してしまう。さすがに焦りを覚えたフェイはなんとか足掻こうとするが、どれも効果が見られない。どうしようもないか、そう諦めかけたときである。不意に体が浮きあがるような感覚になる。その正体は穂乃華だった。穂乃華がフェイの右手を握って引っ張っていたのだ。
「これは貸しにしておきますね」
穂乃華は意地悪い笑みを浮かべながら、ギガ・スクイドの頭上に着地する。それに続いてフェイも着地をする。
「フン。いつか万倍にして返してやるわ」
「楽しみにしていますね」
そういって二人は同時にイカ・クイーン目指して走りはじめる。だが、最初に仕掛けてきたのはイカ・クイーンのほうであった。イカ・クイーンは得意のイカ足で攻撃をかけてくる。イカ足は二人の両手を拘束し、動きを制限しようとする。が、二人はイカ足を掴み、そのまま背負い投げしてギガ・スクイドの頭に叩きつける。
「よくも私ばかり攻撃して……。こうしている間にも校舎は破壊されているのよ」
イカ・クイーンは悔しそうな表情を浮かべて、よろめきながらもなんとか立ちあがる。
「だから? 壊れたらまた直せばいいだけでしょ。そんなことより、あなたをぶっ飛ばすことこそ最重要課題だわ」
フェイは、それがどうしたという口調で返答をする。
「フン。それってただの開き直り? ただのバカってこと?」
その問いかけに、まずフェイと穂乃華は互いに顔を見合わせたかと思うと、二人は突然笑いだした。
「あなたはとても大切なことに気がついてないようね……」
二人はすっと息を吸いこみ、右腕に青い雷光をほとばしらせる。
「私たちは、キレてるのよー!」
フェイの叫びが解き放たれると同時に、せき止められていた雷の本流は解放され、右腕がギガ・スクイドの頭上にめりこむ。
怒りという感情によって増幅された雷は、巨体のギガ・スクイドのいともあっさり包みこみ、体内まで侵入していく。そしてその体は醜く膨張していき、やがては足先から肉が弾けはじめ、最後には全身が爆発した。
5。
爆発もすっかり収まったころ、どこからともなく男子学生たちがぞろぞろと集まってくる。
これはどういうことかと首を傾げる六であったが、その疑問はすぐに氷解した。
「変身解除されたヤツはみんなすっ裸になる。ということは、今回は女の裸体が拝めるってことだ」
つまり、そういうことらしい。
もくもくと白煙の巻きあがる爆心地から、人影がゆらりと出現する。すると、男子学生たちから歓声が沸きあがる。
人影はこちらに向かってきているのか、徐々に像は大きくなり、姿もはっきりしていく。それに従って高まっていく期待感。そして、その白煙煙る大地から現れたのは――
「ハロー。エブリワン」
すっ裸のクラー・ケンであった。
その後、学園を揺るがすほどの暴動が起こったのはいうまでもない。なにはともあれ、イカ事件は一応の解決を見たのであった。
お読みいただきありがとうございます。
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