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魔導兇犬録:闇黒新世界  作者: HasumiChouji
第二章:The Wailing
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(5)

 俺を閉じ込めてた某「ネット上で誘拐犯御用達扱いされてる車種」の車は、俺の家の近くの駐車場に停められていた。

「何が、どうなってんだ……一体?」

「こっちが訊きたい」

 課長が連れて来た同業者(魔法使い)の口調には……微かだが北関東の訛が有った。

 だが、俺の故郷のモノとはビミョ〜に違う。

 多分……群馬か栃木の方言だ。

「あ、そうだ……この辺りの防犯カメラを運用してるのは……神政会のフロント企業だ」

「そこは抜かりねえ。ちゃんと防犯カメラに写る場所は避けてる」

 その時、車の運転席のドアが開く

「あ、課長は、あたしが宿まで送る。あたしは、フェリーで車ごと帰るから」

「は〜い」

「誰?」

 俺は同業者(魔法使い)に、そう訊いた。

「ウチのカミさん」

「じゃあ、防犯カメラに写らない場所まで移動、お前ら2人は、そこで降りろ」

 だが……同業者(魔法使い)の「カミさん」の口調は……また訛がビミョ〜に違う。

 標準語に近いが……西日本のものっぽい……。だが……関西弁とも、この辺りのものとも違う気がする。

 やがて、俺達は車から降され……。

「結局、あんた、誰なんだ?」

「今は警察(サツ)を辞めてるが……斎藤課長の昔の部下だ」

「ええっと……流派は密教系? それとも修験道?」

「ノーコメント」

警察機構(カイシャ)辞めたって……あれか? 都市伝説になってる課長が関わった剣呑(ヤバ)い件絡み?」

「何の事だ?」

「だからさ……こう云う案件を手掛けた『桜田商事』の『落しの名人』が、実は本人も自覚してなかった『精神操作能力者』だった、って『都市伝説』だよ」

 そう言って俺は、片方の手を拳にして首の後ろに回し、目をむいて舌を出して「絞首刑」のゼスチャーをやる。

 いわゆる「異能力者」の中でも、最初に存在が(おおやけ)になったのは「精神操作能力者」。

 当然……死刑囚の中には「精神操作能力」を持った警察官(サツカン)のせいで嘘の自白をしたか、自分が真犯人だと思い込んでしまった奴がかなり居て……その中には、既に「吊るされ」てしまった奴も少なくない……そんな噂が立った。

 そして、次に立った噂は、対異能力犯罪広域警察機構「レコンキスタ」の汚れ仕事部隊(ゾンダーコマンド)が「自分を『精神操作能力者』だと自覚していなかった『落しの名人』」を粛清した、と云うモノだった。

「それも……ノーコメント」

 精神操作系の術が専門じゃない「魔法使い」でも、相手の「気」から相手が動揺してるかぐらいは推測出来る。

 だが、ちゃんと体系立った、そこそこ以上の歴史が有る「流派」で、マトモな修行をした「魔法使い」は、結構な自制心を持ってるのが普通だ。

 この同業者からも、何の心の動きも読み取れない。

 だが……ヤツは……溜息を吐いた。

「俺達と斎藤課長が関わったのは……それどころじゃない剣呑(ヤバ)い案件だと言ったら信じるか?」

「へっ?」

「俺達が、あるクソ野郎どもを壊滅させたのは確かだ……。けど、それが正しかったかは……今でも俺ん中では答が出てねえ……。キザな言い方でアレだけどな」

 どこまでが本当で……どこまでが与太なのか……それさえ判断出来ない。

「ともかく、連絡はコレで取る」

 そう言ってヤツが差し出したのは……今の携帯(ブンコPhone)が主流になる以前の古いタイプの折り畳み式携帯電話。

「これさぁ……」

「そこも抜かりない。県外で手に入れた『飛し』の携帯だ」

「あんたの事は……何て呼べばいい?」

「朝霧」

「へっ?」

「名字は朝霧。下の名前は……そうだな、陽介でいいか?」

 まぁ、多分、偽名だろうが。

「あと、念の為だ。この携帯を使うのは……お前の今の自宅以外の場所にしてくれ」

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