春川里緒菜
「……で、その後、色々あって遅刻した、と」
「いやー、申し訳ない……」
狩りをするための装備を整えて待っていたクラスメイト二人に対し、僕は深々と頭を下げる。
しかし、パッパッと手を動かして、陽気なギャルの春川さんが僕を止めた。
「あー、いいの、いいの。大した遅れじゃないし、気にしない気にしなぁい!
今から追いかければ、ちょうど狩れるぐらいには合流できるっしょ!」
といって、彼女は背後にある森の入り口をくいくいっと親指で指し示した。
――実はこの『ヒポカムポス』の拠点は、山の奥深い場所に位置している。
切り拓かれた土地にメインの施設が並び、その周りをぐるりと未開の森が囲んでいるのだが、今いるこの場所はそんな森と平地の狭間にあたるのだ。
そして、敢えてこんな場所に建てられたこのログハウスこそが、戦闘探索班の狩猟拠点なのである。
時刻はもう8時半を過ぎていた。
敷地内には時計があまり設置されておらず、気づけば約束の時刻を30分以上もオーバーするという、大遅刻をやらかしてしまった。
そのため、自分を除くクラスメイト29人のうち、実に12人ものメンバーが所属する一番の大所帯『戦闘探索班』は、サポート組の2人を残し、既に森の中へと入った後であった。
「いやいや、迷惑かけたことに変わりはないからさ……」
「大丈夫だよ。どうせ、俺らの仕事も、獲物をゲットするまでほとんど無いから」
ヤスラギの更なる謝罪に対し、人当たりの良さそうな好青年、ライトは肩をすくめてそういった。
「そうだとしても、だよ。待っててくれてありがとう」
「いやー、遅刻するラギ長なんて珍しいモノが見れたんだから、待った甲斐があったよ」
「そうそう。アタシなんて、しょっちゅう遅刻してるもんね〜」
「そだね。威張れることじゃないケドねー」
穏やかそうな黒髪の好青年が三戸雷斗。
その横で、にへらっと笑う茶髪のギャルが春川里緒菜。
狩猟や戦闘とは無縁そうな2人だが、どちらも得意分野が一番活かせるということで、戦闘探索班に所属しているようだ。
ちなみに、ラギ長というのは"ヤスラギ委員長"の略称である。彼の数少ない、あだ名のひとつだ。
今日は肉類の調達に同行する約束だったのだが、この狩猟小屋までの距離が想像よりもはるかに遠く、いくら走ってもたどり着かなかったことが遅れた原因だった。
「あの案内図を見た感じだと、すぐに着きそうな感じだったのに……」
「あーね(「あーなるほどね」の意味)。やっぱりあそこの地図のせいだったか……。
やっぱ、描き直してもらった方がいいんじゃない? あれじゃ、ここまでの距離が初見殺しっしょ」
「だよなー。納品のときに、ついでに管理班に頼むか」
三人は多くの施設が集中する中央エリアにある案内図を思い浮かべる。
デフォルメされた建物などのイラストが描かれたとても見やすい地図……なのだが、端の方にある狩猟小屋までの距離だけは、実は正確に描写しきれていないようだ。
おかげで僕も、すっかり騙されてしまった。
「じゃあ、僕があとで伝えておくよ。誰かが僕と同じ目に遭わないようにね」
「マジそれな。まかせた!」
「さ、それじゃ無事にラギ長も来たことだし、俺らも本隊に合流するとしますか」
名前:春川里緒菜
年齢:16(4月28日)
性別:女
容姿:158cmのギャル
髪と肌:先端がカールした茶髪セミロング、少し焼けたイエローベース
一人称:アタシ
イメージカラー:黄色、チョコレート色
動物に例えると:ジャガー
似ているキャラクター
(活動報告にあります)
名前:三戸雷斗
年齢:15(6月9日)
性別:男
容姿:168cm、育ちの良い好青年
髪と肌:黒のデコ出しショート、血色のいいブルーベース
一人称:俺
イメージカラー:青紫色、黄緑色
動物に例えると:アオダイショウ
似ているキャラクター
(活動報告にあります)