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ヤスラギ委員長は死ぬほど忙しい  作者: スウェイル
第一章︎ ︎ ︎委員長、死す
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鈴木康良義4

物語の中で一日が終わるたび、こんなふうに日記が挟まります。

~異世界日記~

[5月26日(木)]


 今日は戦闘探索班と渉外輸送班の見学をした。


 また、所属する班と初期スキルも決めた。


 どの班にするか悩んでいたが、カケノリのおかげでスキル問題と一緒に解決することができた。


 結論として、僕はすべての班に所属することになるだろう。


どの班でも、スキルを七種類とも使える自分ならうまく力になれそうで、今からワクワクしている。


 この件は明日の朝、茜先生に報告に行く。

 ……ここまで書いてから気づいたけど、ダメって言われたらどうしよう。


 そのときは新しい班を作ろうかな。

 情報共有班とか情報管理班とか、同じ漢字四文字の班を立ち上げよう。

 

 僕らが使える初期スキルは全部で7種類。


 もしものために、この日記の最後のページにそれぞれのスキルの特徴や使い道、欠点などを記録しておく。


 もし新しい発見があれば、その都度書き加えて更新しようと思う。

 

 初期スキルは魔術付与装置、通称「エンチャンター」で脳に魔術を刻み込むと使えるようになる。


 もし復活したとしても、生前の記憶を引き継ぐためには脳に刻まれたスキルも引き継がなければならないので、本当ならスキルの変更は難しいようだ。

 

 また、エンチャンターには、研究所にある大型のものとカケノリが持っていた小型の『シルバーズ・リング』があるが、どちらもほとんど性能は変わらない。


 ちなみに、大型の方は『シルバーズ・リング』を分析して造った模倣品だ。

 「小さくする必要がなかったのと、メンテナンスがしやすいようにと、あえて大型にしただけで、決して、再現できないワケじゃないからな!」


 と翔典は言っていたが、その真偽は不明だ。






~日記の巻末〜

 

【鑑定】……黒色のメモリージェム。

 初期スキルの中で一番容量が大きい。

 そのため、このスキルだけは刻み込むのにリングが2往復する。

 

 物体の名称や構成、生物ならその種類や生態、また対象に掛けられている魔法などが分かる。


 ただし、未知のものは不明と認識する。この不明なデータは手動で編集することが可能。


 また、同系統のスキルや魔術と自動的に共鳴して、記録の共有が発生することがある。



 

【強化】……琥珀色のメモリージェム。

 容量は中くらい。シンプルで扱いやすい。

 

 肉体や物体を魔力で補強する。構造を強化することで、純粋に物体としての強靭さが上がる。

 重ねがけするごとに強さは倍増するが、そのたびに消費魔力が増えていく。魔力が最大まで溜まっているときでも、7回までしか重ねがけ出来ない。

 

 また、より軟らかくしたり、より弾むようにしたりと、性質を強化することもできる。


 ただし、それには体内の魔力を変質させることが重要で、それなりに訓練が必要。




【索敵】……乳白色のメモリージェム。

 容量が小さく、ほかの容量が小さいスキル同士となら3つまで同時に保有できる。


 周囲にいる敵の位置を把握できる。

 このスキルは単品よりも【飛翔】や【伝心】と併用することで真価を発揮する。


 残念ながら、僕には1枠分しかスキルの空きがないので、その二つと同時に使うことは出来ない。

 



【製作】……深緑色のメモリージェム。

 容量は中くらい。

 

 特定の範囲内の物体を自由に加工できる。

 魔力を消費すれば、範囲内の空中に固定したり、その範囲を拡張したり、加工しにくい物質を無理矢理加工できたりする。


 ただし、あまりにも硬すぎるものや、逆に脆すぎるものは上手く加工できないことがあるので、【遣直(やりなおし)】との併用が推奨される。

 



【伝心】……桜色のメモリージェム。

 容量が小さいスキルの1つ。

 

 魔力を介して意識した相手に感情を伴った意思を伝えるができる。これは動物に対しても遠距離間でも可能。


 一度でもこのスキルで意思を伝えたことがある相手は魔力でマーキングされるため、遠距離でも認識することができ、意思を伝えることが出来る。


 ただし、いずれにしても相手が同等のスキルか魔術を使えない場合、一方的に自分の意思を伝えることしかできない。


 追記)


 ここでいう「意思」とは、「言葉」と「感情」を合わせたものである。

 不快な感情や強烈な感情を相手に送りつけないように、ある程度心を落ち着かせてから使うこと。



  

【飛翔】……薄緑色のメモリージェム。

 容量が小さいスキルの1つ。

 

 魔力を消費して、空を自由自在に飛ぶことができる。このとき、追加で魔力を消費すれば、急浮上、急加速なども可能。


 ただし、重い物を持ち上げるときは魔力だけでなく、支えるための筋力や体力も必要。

 したがって、肉体の【強化】との併用が推奨される。



 

遣直(やりなおし)】……青色のメモリージェム。

 容量はやや大きい。

 

 青い魔力のベールで保護した物体やエネルギーの変化を全てキャンセルし、保護した瞬間まで状態を戻すことができる。


 このとき、保護されていない物などに与えた影響はそのまま残り続ける。保護した矢が刺さって開けた穴や、壊した壺などはそのままの状態から戻ることは無い。


 ただし、長時間保護する場合、その間はずっと魔力を消費し続けることになるので、注意が必要。

 

 追記)


 ずっと【遣直】の影響下にある2つ目のスキルは、こまめにリセットしないとずっと魔力を消費することになる。


 なので、特に使いたいスキルが無いときは、2つ目には何もセットしない方が良いだろう。

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