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事前準備はしっかりと

 

「ダンジョンに潜るとなると何が必要かしら」

「そうですね……まず水、それから食料と日帰りは難しい場合の為のテントは必須でしょうか」


 基本的に一回で何日も潜るつもりはないが、戻れない可能性は当然あるのでテントは必要だ。

 多少荷物がかさばるけれどそこは仕方ないことだろう。


「武器と防具は家を出る時に揃えたものでとりあえずは大丈夫よね」

「はい。もしダンジョン産の貴重な武器などが手に入った時や使っていくうちにダメになったら変えていけばいいかと」

「となると、あとは素材の剥ぎ取り用のナイフと……」

「魔法薬の類は私が用意しますので、素材を売っている店の方を少し見ておきたいですね」

「じゃあそこも行きましょ」

「ありがとうございます」


 魔法薬はかなり重要になってくるので手が抜けない。


 大通りには肉屋や八百屋などの多い区画と、武器屋や魔法具の店、貴重な素材の買取り専門の店などがある区画がある。


 食料は日持ちの出来る物を中心に揃えた。

 食事事情が寂しくなるのは辛いが妥協するしかない。


 魔法具の店と魔法薬を売っている店に入る。

 魔法薬の店では素材も売っているらしい。


「この手の店にははじめて入るわ」

「ルチア様には必要なかったものですからね」

「あなたがいるしね」


 はじめての店に少しわくわくする。


 中は木製の棚が沢山あった。

 仕分け用の小箱に同じ種類ごとにわけられた瓶が並べられている。

 すぐ手に取れるところには回復薬、魔力回復薬、解毒薬などが多い。


「やっぱりこのあたりの薬の需要が高いのね」

「どんな手練でも怪我はしますから」


 当然だ。

 どれだけ熟練の戦士でも怪我はする。


 店主か店番かわからないが、店員のいるカウンターの奥にも薬が並べられている。

 こちらはガラスのケースに入れられていて、いかにも高価そうだ。


 素材は店の端の方にまとめて置かれていた。

 それを見たライアンが少し眉根を寄せる。


「出ましょうか」

「買わなくていいのかしら? 」

「はい」


 何も買わずに店を出たライアンについて行く。

 冷やかしかと言わんばかりの視線を感じた。


「もしかして、あまり状態が良くなかった? 」

「はい。あそこはあまり質の良い店ではなかったようです」

「そう。じゃあどうしましょうか」

「しばらくは持ってきた素材で賄えますので、ダンジョンの素材や周辺でとれるものは自分で調達しましょう」

「そうね。他の店にいいものがあるかもしれないし、また落ち着いたら見て回りましょう」


 食事は妥協しても魔法薬は妥協できない。

 魔法薬の質は生存率に直結することくらい、子供でもわかる。

 私はまだ子供なのだけれど。


「よし、それじゃあ明日はいよいよダンジョンね」


 自然と声が弾む。

 冒険だ!


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