逆再生な桃太郎
突然桃太郎はお爺さんとお婆さんのお金を奪い取り、犬猿キジの三匹と共にムーンウォークで鬼ヶ島へと向かいました。
鬼ヶ島では何故か鬼が皆倒れており、桃太郎が財宝を置き、鬼立ちを次々と復活させると、鬼ヶ島を去りました。
「桃太郎さん、御腰に付いていたきび団子、一つお返し致しますキー」
サルが口から取り出したきび団子を、桃太郎に返しました。桃太郎がそれを受け取ると、サルは何処かへと去って行きました。
「桃太郎さん、御腰に付いていたきび団子、一つお返し致しますケン」
キジが口からねっとりと取り出したきび団子を、桃太郎に返しました。桃太郎がそれを受け取ると、キジは何処かへと去って行きました。
「桃太郎さん、御腰に付いていたきび団子、一つお返し致しますワン」
犬が口から取り出したきび団子を、桃太郎に返しました。桃太郎がそれを受け取ると、犬は何処かへと去って行きました。
桃太郎はお爺さんとお婆さんの家へと帰ってきました。
お婆さんにきび団子を返し、日本一と書かれたのぼりをお爺さんに返します。
それからと言うもの、桃太郎は次第に小さくなり、やがては赤ん坊まで縮んでしまいました。
すると、桃太郎は恥ずかしさのあまりか、大きな桃の中へと入ってしまい、お婆さんはその桃を閉じると、川へとムーンウォークで運んで行きました。
川は何を血迷ったのか、それとも天変地異の前触れなのか、何故か逆流しており、お婆さんが桃を川へと戻すと、桃は、こらぶんど、こらぶんどと、川上に流れていきました。
お婆さんが再びムーンウォークで家に戻ると、お爺さんもムーンウォークで芝刈りから家へと戻ります。
それは昔々のお話しでした。有るところにお爺さんとお婆さんがおったのです──