花道を…汚すは外道の尻喰らい
河童きもすぎてワロタ
祝言の日…最悪のタイミングで“それ”は来た。
「尻を出せえええ!」
感動で震えていた河童の族長
照れる知月
顔を赤らめていたルンルン
反対だったけど、なんとなく受けれたリンリン
村人も河童も手を取り合い、種族を超えた愛に胸震わせた。
そしてランランは…
「うおおおん!うおおおん!」
目から涙がナイアガラ
そんな最中のその声だった。
パリンッ!(プシャァアアア
「お義父さぁあああああああああああん!」
…族長はただでさえも、緑の顔が赤くなるほど興奮感動していたのに…
一族の面汚し、追放者、外道…、人間に河童が蔑まれた原因
そんな奴がだ…!
愛する息子と…新しい娘を迎える感動の席での“尻を出せ”!?
怒り過ぎて、皿が割れた。
「あんの野郎!こんな日に!!」
パカラ…「痛!」
外で馬に蹴られたようだ。だが…それで終わりにしてなる物か。
…怒れる新郎!
村の衆、河童の一族!
……さすがのリンリンも切れてるようだ。
「悪いみんな…私に行かせてくれないか?」
ランランはぶち切れていた。
背中に背負った中華鍋を…リンリンに…
「あーそうね…頼むわランラン、“手加減無用”で殺してやって」
ランランが中華鍋や、武器を振るうのは手加減だ。
それでも尚、大妖“大崩れ”を海に沈め
河童共にも100戦100勝
リンリンは中華鍋を受け取って、取り乱す姉へと駆け寄った。
「お姉ちゃん大丈夫よ?……ランランがぶちころして来てくれるわ」
「あばば…おっぱ…おっぱ……あわわわ」
姉の様子はどうにもおかしい
「お姉ちゃんがこんな怯えるなんて…ランラン油断しないでね」
「あぁ…全力で潰す」
ランランはそう言うと駆け出した。
そこで正気に戻ったルンルンが叫ぶ!
「あ…まって!リンリン!ランランを止めて!いやぁああ!」
「……!?」
ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
時すでに遅し…
ランランが現場に付いたようだ。
地を揺らすほどの衝撃が…彼女の怒りを表している。
「どーこ行くきだい?おめでたい日に泥をぬってぇ…」
馬に蹴られて帰ろうと、山に向き直った時であった。
目の前にあった静畑山の大木が…
一瞬で粉微塵になっていた。
パラパラ…
舞い上がる土煙と
降り注ぐ木くずの中にあって
その小娘の目はぎらりと光る。
(チィ…また退治屋かなんか雇ったか?)
一年前、クジラ牙池での死闘を思い出す。
人間の見分けなぞつかないが。
木をぶっつぶした戦い方は…あのギロチン娘じゃないようだ。
「知るかよ…誰だてめぇは?」
「あぁん?わたしは料理人のランランってんだ!今からお前を犬の餌にでも料理してやる」
「フン…吠えるな、小娘」
時は大正
場所は静畑の山の麓
ルンルンと外道=尻喰らいの血みどろの戦いから
一年ばかし
相対するは外道と少女“ランラン”
親友の花道に唾を吐いた。
その落とし前は高くつける。
「あわわわ…あいつ、殺したはずなのに!」
「あぁ、俺たち河童は不死身だからな、山の気を吸って再生したんだ」
新郎新婦も駆け付けた。
自分達の式が汚された事より
友人の身を案じている。
「お姉ちゃん、本当にあいつ強いの?私には雑魚妖怪にしか見えないけど?」
リンリンは姉の動揺振りがいささか疑問だ。
ランランは姉の様に、技を極めているわけではないが…
その身体能力は鬼神の如く。
姉以外に負ける姿は浮かばない…
今もそうだ…
女だてらに鍛え抜かれた四肢に力を込めて
獣じみた眼光で相手を射抜く勇ましさ。
「ランランの負けるなんてありえるの?」
(前の嬢ちゃんは待ちだったが、こいつは突っ込んで気やがるな)
対する河童も馬鹿ではない
前回の敗北を反省し
今一切の油断は無い
ルンルンのスタイルが柔ならば
ランランのスタイルは剛である
相変わらず舐めるようにいやらしい瞳で
対する少女の体を隅々まで分析する
さて…高まる緊張!
パキリッ!
ランランが踏み出し、必殺の一撃を放つ刹那に!
「気をつけて!そいつはおっぱい拳の使い手よ!」
静畑の山にその声が響く!
「え?…おぱ?…えぇ!?」
フルーツおでんの河童と世界線が違う同一人物
うん…何があったんやろ。
なんか救済したくなるなぁ…(オリキャラ愛