最終回 「河童とサイコロ」
最終回…おまけはまだあるかもだけど。
「くかかかか!みんなデカくなったなぁ~」
「富士見!おめぇ…あの時は悪かった!」
「俺たちすぐに村長にいってなぁ…心配してよぉ、おめぇ戻った来たら目がやべぇし」
「くかかか!馬鹿野郎!黙ってろやあほ!俺の雄姿を胸に秘め生きろや!」
…兄貴は友人たちと再会を果たした。
なんとなくの意識はあったようだ。
“魔王の我と心を奪い合って…わずかにでも勝つとはコイツがおかしい…ぐぐぅ”
「黙れや!サイコロ!」
「……どうしたんだ?」
「あぁ、食あたりでな、昨日食べたダンゴムシが腹の中で生きてるみたいだ」
「「「きっも!」」」
“ぐぬぅう!”
…ルンルンは倒れた親父の元にいた。
親父から渡されていた白い皿を胸に乗せる。
「雷を受けた時の記憶がないの…お皿が割れてて…きっとお義父さんが守ってくれたんだわ」
「……」
俺が現場に駆け付けた時
焼けた倒木が一直線に…俺たちが倒れていた村の入り口に向かって伸びていた。
しかし
ルンルンが立っていたところで二股にさけ…俺はルンルンが雷を切ったと確信した。
「…親父…」
俺は胸の上の皿を手に取り
そっと頭にのせてやる。
「やっぱり河童だ、皿が無いとしまらねぇな」
「うん…」
親父は言った、涙で器を満たすなと…それが親父の、最後の教えだ。
ッザッザッザ
「知月さぁああん!ルンルンちゃぁああん!」
静畑村の人達がやってきた…山から響いた雷鳴に驚いたのだろう。
村から山への出入り口
倒木の数々…焦げ臭いにおい…そして…倒れた河童長老と
仲間と笑い合う外道=尻喰らい
せっかくのボンジリはもう炭だ。
兄貴を救えたらみんなで食べるはずだったのに。
「ちょ…長老さん…」
親父は俺たちの祝言の時、村に来ていた。
村長は親父と飲んでいたのだ…ふたりにこやかに。河童と人の垣根を越えて…
「俺が…話します…」
兄貴が話せば厄介だし
他の河童達も村人と面識があまりない
俺は村長にそう告げた。
全てが終わったと村人に告げるが
街へ避難した女子供はまだ帰らない
戻ったといっても…尻喰らいがいるのだ。
村人たちが作ってくれた担ぎ椅子に親父を座らせ…頭の更に
酒を注ぐ面識のある幾人かが泣いてくれた。
後は目を覚ました三人
沢尻、揉尻、胸尻が親父を河童村へと運んでくれる。
残ったのは俺とルンルンと兄貴
兄貴は村長に頭を下げた。
いつものふざけた笑いも上げない。
「記憶はある、もうしわけなかった…どうか、河童を…嫌いにならないでくれ」
…それは、村人はもちろん、俺とルンルンを思ってのことだ。
「俺は外道の尻喰らい、正気にもどったが…あの行動は俺の性、
偽りではないし俺の罪だ…恨むならばこれまでどおりこの身一つとして頂きたい」
「兄貴!」
「…あんたぁの事情はわかった…大変だったな…、
もちろん、知月さんやルンルンちゃん…河童村の連中を恨んだり嫌いにはならないさ」
…村長は重々しく、なるべく柔らかくいった。
親父の頭の酒が零れて…なんだぁ…ちょっくら泣いてるようにも見える。
「…だが、やっぱりおれらはあんたが怖い。今のあんたは理性があるが、心ん中には尻喰いがいる」
「村長さん!…だったら…人間の心にだって!」
「辞めなじょうちゃん…これは道理だ、それにあんたは弟の嫁で。…河童のルンルンなんだろう?」
「……ッ」
クカカカカカカ!
ポン
兄貴は昔のように大きく笑い、頭の皿をポンと叩いた。
尻喰らいの時の笑いと違う
どこか気の抜けた優しさがある。
「ありがてぇよ!村長さん!村のみなさんもよぉ!おらぁじゅうぶんだ!クカカカカ」
兄貴は俺たちに向き直り
俺とルンルンの頭を叩いた。
ポン ポン と
そして親父の額をペチペチと
「おらぁ旅に出るわ!元々そのつもりだったんでぇ、だから安心しとくれ村の方々!」
「……」
解っていた、兄貴の性格は…くぅ
「親父の葬式に出れねえのは残念だが、今こうして会えた!クカカカ!十分十分!」
♪
空の器はむなしくて
水を求めてシンと泣く
ヒビ割れ器は悲しくて
水を入れてもちょろりと零れ
小さくたってもヒビ無い器
心の中で満たして生きろよ
他の何が足りずともさ
それより勝
幸福はなし
「くかかかかかか!ってぇ事だ!俺は今幸せよ!」
外道=尻喰らい…いや、覇外甲羅=富士見はそういって村を後にした。
♪
思いで一つでちゃぷりと満ちた
再会重ねてちゃぷちゃぶり
幸せ知って溢れそうだぜ
器溢れて零れる物は
勿体ないからなペロリと舐めて
喉を潤し 旅に出る
溢れるほどにもらったもんを
納めるほどの器を探しに
おいらは河童
器を求めてどこまでも
「尻喰らいがこんな流暢に歌うとはなぁ…」
村のもんはみんな驚いていた。
弟として鼻が高いぜ
「あぁ…兄貴はすげーんだ!」
横でルンルンもドヤ顔だ
…ペタリ
………ペタリ
“おい”
…ペタリ
………ペタリ
“おい聞こえてるだろ?”
「なんでぇ、うるせーな。サイコロ」
“だれがステーキだ!ぐぅ…駄目だ、完全に封じられている”
「クカカ!子供の時のおいらじゃないしな!親父の皿と揉尻の作った皿も食ってんだ、
三枚の皿でなら余裕だぜ?」
“ぐぬぬ…まぁ仕方ない、して…どこに向かうつもりなのだ?”
「あ~…大陸へでも行こうかなってな」
“…な!!…何故大陸に?”
「別に行き場もないしなぁ…それにおめぇ、子孫の国が気になるんだろ?」
“……!!”
「くかかかか!気にするな…100年も一緒に居た中じゃぁねーかよ」
“うう…すまぬ……すまぬ……”
「くかかかか!気にするなって、おいらは器のでっかい男だぜ!?」
牛魔王は封印されてより300年
国に残した子孫を思って嘆いていた。
たった一人闇の中で…
守れなかった後悔と
自分の弱さの不甲斐なさ
…それが今
理解者を得たのだ。
「ばかやろうが…てめぇおいらの中でよ?いいか?こんな言葉があるんだぜ?」
何処へ行っても、天国で親父がみていらぁ…
「涙で器を満たすんじゃねーよ」
VSおっぱい拳 the アルティメットるんるん 【完】
終わりました。
「胸を揉みしだく形をしている!」っていうギャグだけで始めた話
設定は全て回しながらの後付け
だから読みにくく、矛盾もあろうと思います…うぅ
でも…楽しかった。
細かい事かんがえず、彼らの暴れるままにまかせて…
その結果。
これだけ世界がひろがって。全員を救えた。
オリキャラ大好きで、誰も不幸にしたくなかった。
それが果たせて…今とても満足




