開戦
バトル回
…会話を試みたが無駄なようだ。
虚ろな瞳
変わり果てた兄貴を友人を息子を!
救い出そうと河童一族が
いつものんきな、おどけた一族にピリリと…山椒のような空気が流れる。
パチッパチ…ジュゥウ…ポタり
ボンジリの脂が…地面に落ちて
「ヒョウッ!!蛙舌鞭!」
沢尻が動いた!
河童は肩腕を縮めると反対の腕が伸びる…これは全身の骨の繋がりが曖昧で
筋でのみ繋がれた身体構造だからこそ可能になる。
河童族本来の拳法「如意手」
伸ばした腕は水と重なるイメージにより
正に鞭の如く…獲物に伸びる蛙の舌のようなスピードで…富士見の頭の皿を狙う!
シュパアアン!
「…なーんだおめー?」
…しかし、首を胴に引っ込め、富士見は落ち着き払って聞き返す。
右手にはしっかりと“舌”を掴んで。
「蛙舌ってのはよぉ…こういう技だぜ!?クカッ!」
ピョキュ!
一閃
腕ではなく、紛れもない舌…鞭というには余りに無駄のない、直線の動き…それは矢のように
沢尻の脳天の皿を打ち抜いた
「沢尻ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
「くかかか!同族の“皿”はうめぇえなぁああ!」
ダンッ!ゴバァアア!
揉尻が土をこね続け鍛えた腕で、強靭な五指で…そこに張られた分厚い“水かき”で
大地を掻いた。
水面に飛沫があがるように…富士見の前に“土飛沫”
そして揉尻は地中にもぐり…
ピョキュ!
一閃
皿を割られて揉尻が倒れた…
「も…揉尻ぃいいいいいいいいいいいいいいいい!」
「ぐがぁあああああ!」
倒れた揉尻に駆け寄ったが…富士見の様子がおかしい!
「なんだぁ?かれぇええ!痛いぃいいい!ペッッペェエエ!舌が…焼けるぅう!」
「……!揉尻!」
揉尻は土と一緒に“毒”を撒いていたのだ。
山椒小粒でピりリと辛い
辛子は鋭い鷹の爪
静畑ワサビは鼻から脳へと駆け抜ける
「く…くく、オリジナルのブレンドだ…あとは頼んだぜ…みんな…」(がくり
「揉尻ぃいいいいいいいいいいいいいいいい!」
二人の犠牲で、“舌”を奪った。
後ろでは親父が“器”となり
胸尻がおっぱい拳を構え…山から…気を集めている。
ルンルンは…よかった…一番後ろで…見守ってくれているようだ。
親父から渡されたのだろう
小さな手にはお守りとして“白い皿”が握れれている。
「おうぉおお!」
ブチブチブチ!!!
正当なおっぱい拳の伝承者にはなれなかった!
俺には…兄貴のような器も!
胸尻のような器用さも無い!
俺にあるのは筋肉だけだ!この肉体で!目を覚まさせる!
「次はお前か…デカブツううう!」
「来いよぉ兄貴ぃい!おれぁデカブツじゃねぇ…知月だぁああ!」
ズドドドドーン!
知月の一撃で大木が吹き飛んだ
しかし…その一撃、突進を…富士見は避けた
舌はまだ動かないようだが…さすが兄貴!
ルンルンやランランは簡単に兄貴を倒していたが…
兄貴は河童族の中では天才だ。
誰よりも“器”を使い来なし
山の気を集め…力に変える才があった!
そして研ぎ澄まされた嗅覚、軟体、伸縮自在の舌!
そして、相手の動きも見る観察眼
天才…そんな兄貴を超えなければならない弟の気持ちが解るか?
…俺は正道を捨てるしかない。まっすぐに向かっても届きはしない!
俺は…“でんぶ”の構えをとった。
…どしーん!どしーん!…
大地に足先をめり込ませる
「!…知月!お前!?」
「クカカ…なんでぇ…お前も“外道”じゃねーか!」
四股を踏むように足を広げ…腰を落とし
地に這うように体を前へ倒す…そして…両手は軽く前に、掌を上にしてそえるように差し出す
…その手はゆらゆらと揺らぎ
まるで尻をさするように円を描く。
「…田武!!」
「…臀部!?」※お尻
山の気をためる胸尻も驚いたようだ。嫁もだが…そう、これは数々の河童族を葬ってきた忌まわしき武だ、まさに…河童にとっての外道。
「田畑を荒らす河童と戦うために…農民たちが編み出したとされる技“田武”じゃ…
人間と仲ようしろとは言ったが尻月…おぬしそこまで…」
「ククク…おもしろいじゃねーかよ!クーカカカカカカ!」
富士見は身をのけぞらせ笑いだした
不気味な笑いが静畑に響く…ピタリ
しかし突然に笑いが止まった。
のけぞっていた身を起こし
富士見はまっすぐに知月を…いや、その後ろに控える河童長老を見やる。
「牙を向ける者たちは不快だが…その牙をへし折るのは楽しい物だ」
ザワァ…
空気が…変わった。
いや…兄貴の口調じゃない!なんだ…誰だ!?
「やはり…お前だったか…牛魔王」
親父の声が震えている
凄まじい怒りだ…牛魔王と言えば
猿のウキウキ
豚のトントンで翻弄し
法師パイパイの「おっぱい拳」で倒したされる魔王
…その魔王を封じたのが親父であり
あの大皿だ。
なんという事だ…俺が魔王の皿を割り…兄貴を…乗っ取ら得てしまったのか!
「河童の妖力はあなどれんな、いや…山の気か…長い間…私の力とこやつの力で主導権を争っていた…空の体は本能の求めるまま、無様な姿で尻を求める有様で…体を乗っ取る私としてはいささか不快……苦汁の…日々であったわ」
…勝手を抜かす!
しかし…すべては繋がった。
兄貴を岩に封印し、先祖の皿で“悪い気”を吸い出して弱らせているし
後ろにはおっぱい拳の継承者 胸尻
そして親父が封印の儀を行っている。
「牛魔王…観念して兄貴をかえせ…!」
「ハハハ、楽しいぞ…おそいかかって来た者の牙を折り、その牙で仲間を屠る瞬間だ!」
…スゥ
魔王が両手を前に突き出した.
掌を相手に向ける、五指をやさしく丸め…おっぱいを包み込む形にする。
足は内股…腰を落として…くぅ…これは!!
「き…貴様ぁああ!」
「かつて私を倒した拳で!憎きパイパイの弟子に引導を渡してくれる!!」
悪辣な顔だ、元々見慣れた兄貴の悪辣顔だが…瞳が冷たい
そこに一切の愛嬌はない…
ただただ…悪意に満ちている!
「ああああああああああああああああああああああ!!」
「いいぞ!その顔だ…では」
“おぱい拳…漏らし堪えの立…にじり歩み!!”
ジャリィ…
「……!!」
凄まじいオーラだ…、あの諸手は、命を弄ぶ禍々しさを秘めている。
膝が震える……しかし!
「ぬあぁあああ!」
田武…尻かがみの立…なで歩み!
ジャリィ…
こうして…
おっぱい拳と知月、ルンルン達を巡る
静畑の最後の戦いが幕を上けた。
乳拳 VS 尻拳
酷い話だよ本当




