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VSおっぱい拳 THE アルティメット るんるん   作者: 前歯隼三
琉宮王国編
19/28

外道の拳 対 鬼人の拳 (琉宮編最終回)

琉宮編 最終回



「いやぁあああああああああああああああああ!」



目出度い船出の朝だった

そのはずだったので!

しかし…



「ライライ…お…お前!その構えは!!」

「ランラン!今日こそ俺は…お前を超える!」


「いやぁあああああああああああああああああ!」


「落ち着いて姉さま!」

「どうしたんだルンルン!?」



祭りも終わり今日は静畑への帰還の船出

涙涙、笑い手を振りの船着き場

港の広場でその“決闘”は行われた。


決闘を持ち込んだのはライライ

受けたのはランラン

昨夜の決闘の申し込みで、今日の昼に決まった決闘だが


知月の催促で船出前の戦いとなったわけだ。



(見ていてください!師匠!僕は…!)

(ライライ…お前なら行ける!お前は…!)


(大破威拳を引継ぎし者!)

(おっぱい拳の継承者だ!)


…審判はガルガルだ。

ギャラリーは王国の面々フルメンバー


ガルガルの合図と共にリンリンが凛と鈴を鳴らす。



ライライは足を内股に

大きく腰を落とした!


手をそっと前に突き出し!

掌を相手に向け

そっと丸める


まるで何かを…優しく包み込むように!




“見ろ……おっぱいを揉みしだく形をしている…!”


「いやぁあああああああああああああああああ!」


ルンルンは一年前のクジラ牙池の戦いを思い出していた

外道=尻喰らいの戦いの記憶だ!

奴はいやらしい手つきで内股でにじり寄ってきた!

そして…!



ライライは人差し指と伸ばし、他の指を丸めた。


“見ろ……あの指が何を弄ぶか!”


「ヒィイイ!」


ルンルンは胸をかばう様に、腕を交差させ距離を取った。

…あの時は、構えを解いた瞬間河童に距離を詰められて…

うあぁあああ!記憶がない!

何か…何か悍ましい記憶があああああ!

おっぱい無いって言うなぁあああああ!



「くかか…知月よ、よくぞこの短期間で体得させたな」

「親父…違うぜ、あいつは…天才だ」


ドクン!


ランランは距離を取り左足を前に、右足を後ろで屈する構えを取った。

防御に優れ、また、重心を後ろにする事で前足の自由を得る構え。


全身の毛が逆立つ感覚

ランランの目が金色に輝く!


「なんだろうな…お前、もやしっこのハズなのに、なんか攻めれねぇや」


ドクン!ドクン!


ランランは怪力に任せて打ち砕く

攻めに攻めを重ねる“剛”の拳の使い手だ。

大抵の敵ならそれで倒せる。

まして…目の前の相手はライライだ。

少ない島生まれの子供同士

一緒に道場で励んだものだ


実力は知っている…知ってるはずだ!


「私が上…お前が下のはずだ!力も…スピードも…!」


ジリリ

…何かおかしい


いつも攻めのランランが距離をとり

歩を進めたのはライライ


内股のまま、腰をそのまま…にじるように歩を進め…


「お前の方が上さ、ランラン…だが、俺はそれに打ち勝つ」


ギン!


「やってみろぉおおおおおおおおお!」


ランランは、己の直感を感情で塗りつぶし

飛び掛かる!



金色の瞳

鋭利な歯

鬼の血の混じる少女ランランの跳躍は

獲物に飛び掛かる虎に似ていて…


……師匠…見ていて下さい!………



バッキャァアアアアアアアアアアン!



「もっと腰を落とせ!」

「押忍!」


祭りまでの数日間

俺は師匠に、あの…ルンルンを戦慄させたという技

“大破威拳”の師事を仰いだ。


師匠は昼間、島でルンルンや国王と色々な所に周り

挨拶をする多忙の中で

夜は俺の為に時間をくれた。


「脱力だ!膝が固いぞ!…もっとストンと腰を落とせ!」

「は…はい!」


大破威拳…師匠は静畑の鉛なのか“おっぱい拳”と言っているが

恐ろしい技だ。


あの内股、構えて解ったが…安定感が物凄い!

揺れる船の上でも戦えそうだ。


あらかじめ腰を落とし、膝を曲げているし

身体の重心…体軸を中央にしているので

前後左右…即座に全方向に移動が出来る!


「ッハ!ッハ!ッハ!ッハ!」

「いいぞ!そのまま城外を一周だ!」


月明かりの下

内股で城外を回っていると…何度か衛兵に止められた。

仕事熱心なのは感心だが

理由を言っても信じて貰えなかった。

ぐぬぬ…修行がたりないぞ?どこが変な構えなんだ?


「ッハ!ッハ!ッハ!ッハ!」

…さすがに3日目には見逃してもらえるようになった。


「…ッツ!」

…しかし…、中腰の姿勢は思ったより太ももに来る!

連日夜の修練で、昼間は部屋から出られなくなった。

うぐぅう

…その間にロンロンの野郎はなんかカッコいい事して

意中のガルガルにアプローチをしたらしい。


あいつはもう友達じゃない

くそう!

俺だって…俺だってランランと!


「ッハ!ッハ!ッハ!ッハ!」

「…やるじゃないか!」


7日目にして、ようやく師匠に褒められた。

…うぅ

嬉しい。




「師匠…立ち方の基本、足運びはだんだん掴めてきました!次は技を!」


「フン、うぬぼれるな!…城は一日にして成らず、鍛錬とは本来、万日<まんじつ>を持って成す事だ!祭りまでの…

たかが数日でお前に“技”を教えるつもりは無い!」


「そ…そんな!!」


ショックだった、俺はランランに勝たねばならない…

ルンルンの旅と結婚を経て

ランランはガルガルと大陸への旅を計画し出している…嫌だ!


“いや~旅立ちで良い人見つかったよダハハハ!私、幸せになるわ!”

脳裏にそんな情景が浮かぶ

あぁ…幸せそうなランランの笑顔は良い物だ。

だけどその笑顔は…彼女のとなりは…俺で在りたい!!


ダン!

ライライは土下座をして

頼み込む!琉宮七星家…親から引き継ぐ貴族の誇りなど…そんな物は要らない!


「…お願いします!全ての技を…極意を知りたいとはいいません!せめて…せめて一矢報いる力を!」


「馬鹿者…気安く頭を下げるな!」


「いいえ!お願いします!誇りなど…彼女のためなら」


パン


「だからだ、馬鹿者…愛する者の隣立ちたいならば、誇りを捨てるな」


「し…師匠!」


師匠は俺を石畳に立たせ、そして…大破威拳の演武を見せてくれた。


「技は教えない…教えるのは“型”だ」

「型…ですか?」


「そうだ…武とは本来、一子相伝。学問と違い、文字で形に残す事は叶わない…だから、

俺たち“武道家”は“型”を持って伝えてきた」


スゥ…

ジリリ…

タァアン!

シュババ!


ッザッザ!

スゥ…


月明かりの下で、ライライはその“型”を見た。

武道というか舞踊だ…。

美しく…スムーズであり…力強い…それは、その一連の動きは



「型とは、流派の極意…その技の集合体…、お前が鍛錬した立ち方もまた…基本の一つに過ぎない

型を続ければ…基本的な体捌き、手の回し…腰の入れ方…それらは体得できるだろう…しかしだ」



“型とはあくまで形であり、技とするには理を解する必要がある”


……

………………

……………………


バッキャァアアアアアアアアアアン!



「…っな!?」


飛び掛かったランランは迫りくる石畳に驚愕した!

鬼人の力を宿した四肢には熱い血が流れ力が滾り

長年の鍛錬により

精神と心と肉体は寸分違わず“一致”していた。


この“一致”こそ武の要よ

どんな体勢からでも技を打ち出し

また止め、流し

全身の把握、空間の把握、精神の把握!

心技体

全て一にして「武」は成り立つ。


…ところがだ!

…ダンッ!


迫りくる石畳を殴りつけ、ランランは空へのがれながら

“統一”をする。

四肢に変化なく、また、前後左右も上下も判る。


ズレたのは…ライライに飛び掛かった一瞬だ!



…スタン!


「…ぐぅ!」

弱音は吐かない…戦いの最中だ!

ランランはただ唸りを上げて

背後を見やる…


ライライはあの構えのまま…こちらを見ている。



ザワザワ…!


「なんだ…?ライライってあんな“技”出来たのか?」

「お…おっぱ…おっぱ」

「お姉ちゃん落ち着いて、現実を見て。」



「ククク…あれがあの小僧の“技”か」

「えぇ…俺が教えたのは“形”だけ…型に意味を持たせ技とする。

それを成せるか否か…それは鍛錬だけではだめだ。想像力、センス…あの小僧はなかなかの天才だぜ」




(…上手くいった!)


スゥ…


ライライは腰を下ろし

手を相手に向ける


(この構えは。どう考えても“防御”の姿勢…)


ッハッハッハッハ


(この構えのままのあの鍛錬、あれは自在な移動をする足運び!受けで在りながら…前へ!…その意味とは!)




ライライは型を繰り返し、繰り返し、繰り返し、繰り返し

考えた、考えた。


道場へ行き

幼い頃学んだ技や

ルンルンの技、琉宮拳や

大陸の技…南国の拳武


元々…ランランをいつか射止めるために。

ライライは様々な書物を研究していた。


「城は一日でならず…しかし、あの小僧の中にはもう材料がそろっていた。俺はそれにちょっと口を出したにすぎない」



(師匠見ていてください!…これが…これが俺の考えた!たどり着いた!大破威拳!)



…船出の時間が迫っていた。

港の広場

石畳に亀裂が入っていく。


ダン ダン ダン!


獰猛な拳

剛直な拳

それを受け流し

薙ぎ

回り込む…死角に…背後に…


ランランが左足で踏み込めば

ライライはその外に足を踏み出し…

体を回転させ“外”へ逃れた


ランランが拳を突き出せば

その手首を肘を…トンと押すように流れを反らす


ランランが獲物を逃すまいと

力んだ瞳の前には二本の指


ゆらゆらと揺れ…

平行なようで、同距離のようで

巧みにずらし…感覚を揺らす…


ダン ダン ダン!


それは闘牛の様であり

それは舞踊の様である


「アレは“王”破威拳ですな」

王の隣

初代乙姫の従者として、はるか龍宮城からやってきた血族

半魚人のザブザブは懐かしそうに笑う



「王破威拳」

「何をいってるのおっぱい拳よ!見えるは…あぁ!あれは虚乳の構え!」

「落ち着けルンルン」


ザブザブの名に知月は頷いた。


「あぁ…おっぱい拳…元の名を王破威拳…王に牙を向く…外道の拳だ。」


この世界は弱肉強食

力持つものが「王」である。


百獣の王ライオンしかり。

猛虎

竜王

鬼神

そして人も


弱者は王の餌でしかく、奴隷でしかなく

力なきを嘆き運命を受け入れた。

しかしだ…


…人はそんな簡単に諦められる物だろうか?

「力が無い」からと言い。

全てを諦められるだろうか…


…かつて、力ある物に打ち勝つために

力なき者達が研鑽し…編み出し技が存在した。


王破威拳


王に仇名す、外道の拳は

時代と共に存在を消された。


残ったのは山に追いやられた…弱者たる河童の一部のみ。


人の王を打ち倒すための技が

人の世から消え

そして今

再び人の手に渡った。



「うるぁああああああああ!」

「…!!ぐぅああ!」


バッキイイイン!

「ぐ…あああ!ぐぅ…!」


…しかし、彼がその流派を蘇らせ、琉宮の地に根付かせるのは

まだまだ先のお話だ。


「ハァ…ハァ…やっと捉えた!」

「ちくしょうおおおお!」



わー

わー

わー


試合が終わり

ルンルンと知月一行は静畑へと帰った。


遠く消えてゆく船を見送り

ランランは隣の怪我人に聞く


「折れたか?」

「いや…ヒビでなんとか…グゥウ」


…良かった。当たった瞬間、我に返って踏みとどまった。

いささか夢中になり過ぎた。

…まさか、こんなもやしっこに必死になってしまうとは。


「すげー技だな、知月のおっさんに教わったって?河童の技か?」

「うーん解らない、ルンルンを恐れさせた技があるって聞いて頼み込んだ」


「うーんまじか」

…一瞬、ボヨヨーーンボヨヨーン言う河童が浮かんだが違うだろう。うん


「…あと一つ、なんで攻撃しなかったんだ?」

「あー技を教わったのが10日ぐらいでな。足運びだけでも必死だったよ」


…まぁ、本当は。

最初の一撃ならば…油断したランランならば出来たかも知れなかったが、出来なかった。


「なぁ…ちょっと基準下げてくれないか?」

「…ん?なんの話だ?」


ランランは俺の言葉に引っかかるのか、何かを考えこむ様子だ。

普段はあっけらかんとして、

頭を悩ますキャラじゃない、なんだか珍しい表情だな。



“私が将来付き合うならよ、私の顔に傷をつけるぐらい強い男さ”


「まぁ…いいや!なぁそれよりさ、夕飯に昨日の作ってくれねぇーか?」

「ダハハ…いいぜ?おまえチャーハン好きだなぁ」


ふと思いつき、

ライライは意を決して付け加えた。


「ラ…ランランの飯は旨いからな!ま…ま…毎日俺に!

チャーハン作ってくれねぇーか?」


ダハハハとランランは笑い

「良いぜ」といって肩を叩いた。


ヒビに響いて涙が出た…そういう事にしておこう。

終わりました

琉宮編


かなり多くの所を、走りながら作りました

それこそガルガルやライライ、ロンロンだって八手牙魚だって走りながら…

いつも通りなのですが

名称やいろいろが不安定です…いつか、ちゃんと統一して直したいとは思うのですが

まだ勢いのまま、物語を吐き出しつづけていきたい気分で…うん、サーセン


さてさて

これからまた静畑山に戻ります

この物語は the アルティメットるんるん

ルンルン嬢というキャラクターを描きつくしていきたいと思います。

よろしければまたお願いします。


一読、ありがとうございました。

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