河童小僧の冒険 上
涙 回
「わっしょおおおおおい!」
河童小僧はこの島国が気に入った。
生まれは静畑の山奥であったが、どうにも山より海が楽しい。
河童小僧は本人が気にしているのだが
見た目は緑のペンギンである。
ペンギンの首をなくして胴とくっついた真ん丸な顔
手はヒレ
背中に甲羅
足は黄色い三つ指で、水かきがくっついている。
山では歩きにくくてよちよちよちよち
ピョンピョン飛んで歩いていた。
泳ぐのは大の得意で
池や河原では無敵であったが。
いかせん海原とは比べられない。
大人たちはむつかしい事を色々話あっていたので
河童小僧はよく海で泳いで
島の人達の漁を手伝って褒めてもらっていた。
「うへへ~」
とても充実している。
沖合に出るときは友達になった
“大崩れ”の背中に乗せてもらって
結構頻繁に遠出をした。
竜宮城という所にもいってみた。
ぴかぴかして綺麗だった。
帰りは海面でキョロキョロすると
遠くに灯台の明かりが見えるから安心だ。
「ただいまー!たのしかったー!」
「まぁ河童小僧ちゃん!シャワー浴びてご飯よ?」
「わーい!」
(可愛い)
知月おじさんやおじいちゃんはお城に泊まっていたけど
河童小僧はリンリンお姉ちゃんの所にいく。
「小僧ちゃん今日は何が良い?」
「かっこいいやつー!」
リンリンお姉ちゃんに絵本を読んでもらいながら
いつの間にか眠りにつく。
すごく幸せ。
「……ルンルン様の結婚を祝ってのお祭りが」
なんでももう少しすると、お祭りがあってすごいみたい!
わーい!
「楽しみだねー!」
「……そうね…うん」
リンリンお姉ちゃんにその事を話すと
お姉ちゃんはなんだか悲しそうだ。
「…どうしたの?」
ツンツンと、袖を引っ張って覗き込む。
ポタリと
お姉ちゃんの涙が落ちてきた。
「大丈夫よ!うん!今日のご飯は何がいいかしら?」
「う…うーんと…」
お姉ちゃんが泣いていてびっくりした。
どうして泣いていたんだろう。
「あー…それか」
ランランお姉ちゃんに聞いてみると教えてくれた。
お祭りが終わると
僕たちは山に帰るらしい…知らなかった。
あれ?うーん、聞いてたかも。
うーん
「お姉ちゃんたちも一緒に来ないの?」
「アハハ、私らの家はここなんだよ?ありがとな」
ランランお姉ちゃんがポンポンと頭を叩いてくれた。
うーん
「…どうしたの河童小僧ちゃん?」
「うー…解らない…」
ご飯を残すと、リンリンお姉ちゃんが心配してくれた。
僕は解らないのでわからないと答えた。
なんでか解らないけど
ポロポロと泣いていた。
「リンリンお姉ちゃんは山に来ないの?」
「……!!」
お姉ちゃんは僕を抱きしめてくれた。
いつもより強くてちょっと痛かった。
けど暖かくて、良い匂いがした。
…次の日
お姉ちゃんはお姉ちゃんのパパさんの所に行った
僕はおじいちゃんとおじさんの所でお話をした。
「ホホホ!海は気に行ったか河童小僧?」
「うん!」
「帰るのが辛いみたいじゃが、静畑も河を下れば海があるぞ?
帰ったらそこで遊ばないか?」
「うん!帰ったら遊ぶ!…でも、リンリンお姉ちゃんは来れないのかな?」
「ホホホ、小僧はまだ子供じゃからなぁ…」
知月おじさんがポンポンと
お姉ちゃんたちより乱暴に頭を叩いてくれた。
うーん、ちょっと痛い。
ランランお姉ちゃんのほうが優しく叩くし
リンリンお姉ちゃんのほうが撫でてくれて気持ちいい。
「本当はあの子もまだ子供だが、俺がお姉ちゃんを取っちゃったから大変みたいだ。ちょっと…悪い事したな」
「これ、知月。一度踏み出した道をな目出度い事を…悪い事なんていうもんじゃない。嫁さんが泣くぞ」
「……ぅぅ、ありがとう。うん、気を付ける」
そのあとリンリンお姉ちゃんが戻ってきて
一緒にお船で島を一周する事になった。
お姉ちゃんのパパさんとおじいちゃんが一緒のお部屋でお話するみたいで
夕方またお話するって言われた。
「小僧ちゃんはこの島好き?」
「うん!」
(リンリンお姉ちゃんがいるこの島っていいな。)
僕はぼんやりとそう思った。
あっというまに時間がたって
だんだん夕方が近づいて来た。
リンリンお姉ちゃんは僕を膝の上にのせて
よしよし頭を撫でてくれた。
「えへへ」
僕は嬉しくて笑ったけど
頭のお皿に何かが落ちた。
「リンリンお姉ちゃんはどんなお魚が好き?大きいの?」
「えっ?そうね…昔食べた八手牙魚が美味しかったわね…」
「わかった!」
「え?ちょっと!?」
僕はざぶりと海に飛び込み手を振った
「お姉ちゃん元気だしてね!がんばって探してくるから!」
ザブザブザブ
僕は水中にもぐりながら口笛を吹いた。
河原で魚を脅かして遊んでいた時に覚えた蛙笛
そうすると
この数日で出来た友達がやってきてくれる。
「陛下、どうなさいましたか?」
オマールエビのオマールおじちゃんは物知りさんだ!
「小僧どの!戦ですか?ついにサメ共を一掃するのですね!?」
ヒラメのヒラオは砂の中の物を探す達人だ
「よかったまた会えた!好きです!」
「妹はやらんぞ!」
旅ペンギンのペンペンとギンギンは泳ぎが上手い!
「ボォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
大崩れのおじさんも来てくれた。
……僕は皆に“八手牙魚”の事を聞いてみた。
軽い気持ちで
河童小僧とリンリンにスポット当てました。
暴走しました。すいません。




