海はしょっぱいと三人は笑う
友情回
“タユタ”
世界中どこにでもいる。
占い師、霊媒師、祈祷師の類だ。
この島の王国にはタユタという占いの職業があった。
人は皆、世界の流れに身を任せているに過ぎない
流れを感じ揺蕩<タユタ>う者なのだ。
それを言葉や頭でなく
身体で、心で、魂で感じとれる存在。
…それが島国、琉宮王国におけるタユタ
「旅立ちはまだまった方がええのう…」
「うーん、まぁ、祭りの後にするつもりだけど」
タユタの店で占って貰っていた二人
ランランとガルガルは困っていた。
色々質問を変えてみても
どうにも旅立ちに良い兆候が出ない。
「うーん、今年じゃだめ?いつならいいのかな?」
「一生無理じゃ」
「ええええええええええええええええ!?」
ショックだった。
…しかし、この島において、タユタ信仰は絶対だ。
「うぐぐ…で…ではタユタ様!?毛深い殿方のとロマンスは?」
「残念、そなたに好意を抱くのはハゲだけじゃ」
「うそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
ショックだった。
…しかし、この島において、タユタ信仰は絶対だ。
店を出て
二人は小舟を漕いで鬼ヶ島に向かった。
鬼ヶ島は本島からほど近い岩島で
修行をするのにうってつけだ。
二人は悲しみをぶつける相手を探していた。
「どっせい!」
ドガガガガガガガ!
ランランの一撃で岩が砕ける
「うぅるぅあああ!」
ザギャアアアアン!
ガルガルの爪が岩を裂く
ハァハァ…
ハァハァ…
昔はここに、ルンルンの姿もあったのだ。
息抜きで来た修行場
そこに刻まれた思い出の数々が…
二人の胸にぽっかりと空いた空洞をまざまざと浮かび上がらせた。
…旅に出れば
見つめずに誤魔化せたであろう傷だ。
小さな島だ
小さな王国だ。
ちょっと歩けば、そこら中にルンルンとの思い出がある。
「…タユタ様の占いが、へっぽこだったら良かったのになぁ」
「そうだなぁ…」
二人は岩場に寝そべり空を見上げた。
どこまで続くとも知れぬ空だ。
空は昨日にも明日にもつながり…きっとあの日にもつながっている。
ルンルンが旅立ってから
二人はあのタユタの元で占っていた。
旅に出た、友人の旅の行方を…結果は大吉。幸せをつかむと結果が出た。
「あぁあ!一生この島か?ちくしょう!」
「荒れるなよ?別に不満なんてなかったろあたし等?…あぁでも、わかるけどさ」
ミャーミャーと
ウミネコが鳴く
「…やけ食いでもするかぁ」
「…だな。」
二人は起き上がり、海へと走り出した。
ウミネコが集まってるという事は、あの下に魚の群れがいるはずだ。
この時期ならなんだろうな
サンマなら静畑でかったミカンが合うかも知れない。
柚子みたいに。
ザバアアアン!
海が割れて…ルンルンが魚を持って歩いてきた。
「ほーい!二人がここに来たって聞いてきちゃったわ」
「「……」」
心臓を握られたように立ち止まる二人は…すぐにまた浜を駆けだして…
「馬鹿野郎それじゃ足りないだろ!?」
ルンルンを飛び越え海へと飛び込む!
塩水がしょっぱい
あぁ…しょっぱい!
浜に上がったら魚をやいて
もう一度馴れ初めを聞いてやろうか?
あいつ本当に…幸せそうに話すからなぁ
「フフフ…なんだか二人子供みたい!よーし私ももう一匹!」
ミャーミャーと
ウミネコが鳴く
島で育った三人娘
「あぁ…塩水がしょっぱいわね!」
ルンルンの台詞に噴き出した
やっぱり私たちは親友なんだな。
一話一話短いかなぁ
むむん、まぁいいか。




