知月の弟子 大破威拳を継ぐもの
また新キャラ出たよ。
びっくり
「「師匠お願いします!」」
知月の元に
琉宮七星家という貴族の子息
ライライとロンロンという少年が来て頭を下げた。
目つきの鋭い黒髪の少年と
頭の禿げた色黒の少年だ。
「おいおい!人間の常識はわからんが、多分頭下げたらだめだろう」
河童にとって、頭を下げるとは重い事だ。
皿の水を自ら零す。
弱点である皿を相手に向ける。
…それは、命を差し出す行為に等しい。
「昨日の宴で、ルンルン様の話を聞いて、心を決めました!…どうか!どうか
“大破威拳”のご教授を!!」
色々誤解を生んでいる。
ルンルンは故郷の知人に挨拶周りに行っている。
知月は後日回るはずで
今日は暇なので河童一族で島をぶらぶら観光するつもりだった。
案内役はリンリンだ。
知月の言葉に、リンリンは頷く
「そうですよ、あなた達!貴族としての振る舞いも判らないのですか?」
「真面目なふるまい、正しいふるまいでは…彼女達は振り向いてくれないのです!!」
「……!」
どうやら
彼ら、共に種族は人間に見えるが。
目つきの鋭い黒髪の少年“ライライ”はランランに
禿げた黒肌の少年は“ガルガル”に恋心を抱いているようだった。
しかし…
「まぁ…確かに、あの二人の基準で一番は“強さ”でしょうねぇ…」
リンリンは頭を抱えた。
まだ自分達は子供だと思っていた。
…仕事、結婚。そのような話は大人になってからで…それはまだ先
今は勉強し、鍛錬し、青春をして…そんな時期だと思っていた。
「お姉さまの結婚が…島に与えた衝撃はすさまじいですねぇ…」
ルンルンは15歳だった。
というか、琉宮王国は婚姻に年齢制限がないので関係なかったが
うん、それでもやはりまだ先だと思っていた。
そんなルンルンの結婚を受けて
同世代のガルガルとランランは大陸への旅立ちを検討している。
特にガルガルは結婚願望がありそうだ。
これには想いを寄せていた
少年二人にはそうとうな焦りを与えたらしい…そりゃそうだ。
家の立場や、そんな事を考えている場合ではない。
家を飛び出し
結婚して帰ってきたルンルン
彼女の友人二人も同じぐらいの行動波だ。
うかうかしてると本当に旅立ち結婚して戻ってくる。
そん気がする。
…しかし…だ。
「…えーと、普通に告白とかはしたのか?」
…知月は浮かんだ疑問を投げかけた。
「無理です!」
即答だった。
「ランランは昔から公言しているんです。自分が相手に選ぶなら“自分の顔に傷を付けれるぐらいの男”だと」
「ガルガルも公言しているんです!相手は強くて逞しい頼れる百獣の王のような男で!髭か髪の毛がもモフモフしている事が条件だと!」
「なるほど。わかった…で、筋トレとかすればよくないか?」
「してますし間に合いません!今朝がた世界地図を眺めている二人を見ました!」
うーん
「あのルンルン様が恐怖に慄いたという“大破威拳”それを是非!そうすれば…きっとランランに一矢報いて認められます!」
「自分も是非!強くて頼れる男になりたい!」
食らいつく二人の少年
本当に立場とか家とかどうでもいいようだ。
ついでに客人である一行を足止めしている無礼もお構いなし
…だが
その無茶苦茶さが知月は気に入った。
男とは熱くあるべきなのだ。
「わかった…ライライと言ったな。稽古はつけてやる…そしてロンロン」
「は…はい!」
ガッツポーズととるライライ
そのよこのロンロンはやや不安げだ。
「お前には河童族に伝わる桂をプレゼンとしよう…」
知月は甲羅を下ろしガサガサと漁った。
出てきたのは幾つかの桂だ。
「人間の正装が良くわからなくてな、幾つか持ってきたのだが…不要になった」
…国王ドンドンはおっしゃった。
“楽にせよ”っと。
それから知月はタキシードを脱ぎ、普段通りの全裸で過ごしている。
当然桂も不要になった。
「おっぱい拳…忌むべき、外道の拳ではあるが…本当に極める覚悟はあるか?」
「は…!はい!」
ライライは覚悟を決めた凛々しい顔で返事をした。
覚悟を決めた男の顔だ。
「今日の夜から始めよう…外道の拳だ、お天道様の下でやるような技ではない…!」
「はい!ありがとうございます!お願いします!」
「返事は押忍だ!」
「おっす!」
こうして、知月に弟子が出来た。
その様子を見ていたリンリンの心は虚空だ。
「ぼよよーん、ぼよよーん」
「駄目だお嬢ちゃん、聞いていただろう?忌み技じゃよ…お天道様に嫌われるぞ?」
知月の父
河童長老がそっとたしなめる。
「……本当にええのか知月」
「あぁ…彼らの熱意は本物さ、それに…結婚してわかる。この幸せ…なんだろうな。
みんなにもにも味合わせてやりたくてな」
「ははは…浮かれておるのぉ」
「あぁ…勿論だぜ」
本当に…
姉の巻き起こした影響は大きい。
リンリンは心を整理した。
うん…
ルンルン←知月
ランラン←ライライ
ガルガル←ロンロン
リンリン←無し
……心が荒む。魅力がないのか?
リンリンには姉と同じく、はずむ胸は無い。
「話おわったー?おで灯台のぼりたい!」
チョンチョンと袖を引っ張る河童小僧
「待っていてくれたのねですね?いい子いい子!…それでは皆さん行きましょうか!」
「わーいわーい!」
リンリンの心に温かい物が満たされた。
……ちなみにだが
ロンロンはドレッドヘア桂が気に入ったようだった。
黒い肌とみょうに合う。
この琉宮王国編と作るにあたり
沖縄と琉球王国を軽く調べたりしてみたんだけど
いざ書き始めるとかけらも活かされなくて草である




