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世界は『こうあれば良いな』で出来ている

作者: 川本 純

 私たちの世界は『こうあれば良いな』の集合で出来ている。


 『こうあれば楽しそう』


 『こうあれば幸せに違いない』


 『こんなものがあれば便利だな』


 『こんなことをしたいな』


 『こんな生き方をしてみたい』


 そんな集合で出来ている。


 だがこういう言う人もいるだろう。


 「私はこうなりたいと思ってこうなったわけではない。」


 「こうなりたかった。だがなれなかった。」


 「我々は特に『こうありたい』と思って生きているわけではない。」


 それはもっともな意見だ。だれもが『こうありたい』と思って生きているわけでも、『こうなりたい』と思って実現させているわけでもない。もちろん上手くいかない人もいる。思っていたように生きれない人も世の中には数えきれないほどいる。


 だがそれでもこの世界は『こうあれば良いな』という意志の集合で出来上がっている。


 『こうなりたい』『こんな世界を作りたい』『こんな生き方をしてみたい』『この理不尽をなくしたい』『これがあればもっと多くの人を救えるのではないか』『これがあれば人生もっと楽しいのでは?』『こんなことは間違っている』


 そんな思いがこの世界を作ってきたのだ。


 もちろん個人では達成できなかったこともある。大勢の人たちがその理想に共感し、協力し、認め、手を取り合って形作ってきたのだ。それがこの世界である。


 個人の話を言っているわけではない。


 だが誰かが動いたからこの世界はこうなっているのだ。


 『熱意があった』『挑戦心があった』『悲願があった』『成し遂げたいことがあった』『人生をかけても良いと思えるものがあった』『幸せにしたい人がいた』『悲しんで欲しくない人たちがいた』『全霊をかけても手に入れたいものがあった』


 そんな人たちがいた。


 道半ばで力尽きた人たちもいた。


 だが成し遂げた人たちもいた。


 その集積がこの世界なのだ。


 

 今も世界では綱引きが行われている。


 『こんな世界を作りたい』


 『こんな世界を実現させたい』


 『こんな世界を見てみたい』


 理想の実現。


 それは美しいものとは限らない。醜いものかもしれない。


 だがそれでも言えることがある。


 世界は人々の『こうあれば良いな』で形作られている

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