プロローグ ♯ 最期のノルマ達成を控えて
アルファポリスにおいても投稿中です。
価値のある人間。価値のない人間。誰がそんな答えを出せるのか。
偏差値やランキング付けの大好きな生き物。人間。
上を羨み、下を蔑む。
見えない契約によってできた大きな集団。
そこへ入れなかった一匹オオカミ。
淘汰が始まる。
自分は一般人。
一般人は常識人。
常識には合わせよう。
そして、同じ人間が増える。
誰でも代用ができる自分が生産される。
知能を得た生物はお互いに戦う。終わりのない戦。
自分が誰か分からなくなり、寿命を全うすることなく逝く者。
無意味な価値観に囚われ、人格の崩壊の連続を繰り返し、他人の人生に影響を与える者。
今思えば、彼らのあの行動は自然だったのかもしれない。
だけど、俺は未だに分からない。色々な世界を見たが、まだ分からない。
分からないから、まだここにいるのかもしれない。そして、今回がついに最後のノルマになりそうだ。このノルマをクリアすることはできても、どの道、失敗と同等なものとなるだろう。ただ一つの救いと言えば、世界の運命に少なからず影響を与えることが出来るということかな。俺の人生は決して無駄ではなかった。という「事実」をこの世界、そして俺がいた世界に確かに残すことが出来る・・・それはありがたいことだ。
まぁ、、どうせあそこで人生が終わっていたのだから、最後のミッションは精一杯努力しようと思う。
先に逝った仲間たちの努力を無駄にしない為に、俺は俺の使命を全うする。
最期の駒として、正しいことをするように努力しようと思うのだ。例え、それが過ちだったとしても・・・
― 何も知らない俺はあの日、事件に巻き込まれた。
※ネクスト アナザー ライフ 始動。