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0004 お勉強の時間

「まずはどのくらい知らないのかテストだ。第1問、この国の王の名前は?」

「ぶりぶりざえもん3世。」

「それ俺じゃなかったら不敬罪で即刻処刑だからな?第2問、この国の名前は?」

「ウンパルンパ。」

「なんだそれ。チョコ工場にいそうな小人の名前みたいだな。」

「チョコ工場があ…チョコ工場ってなんだ?」

「知らない。第3問、なんでも良いから1カ国言ってみろよ。」

「セントビンセント及びグレナディーン諸島。」

「長いな。第4問だ、生活の中で使う三大能力は?」

「食欲、性欲、睡眠欲。」

「俺が無神論者でよかったな。信者の中で『欲』とか言ったら袋叩きだぜ?」

「これの答えなんだよ。てか今までのも教えてくれよ。」

「今はテスト中だからな。第5問、銀貨1枚で銅貨何枚分?」

「6兆くらい。」

「オッケー、もはや何言ってるかわからないが第6問だ。代表的な魔物を一匹あげてみろ。」

「ゴブリン。」

「おっ!正解だ。って事は今まで真面目にやってたってことかよ。」

「俺は現状把握のためには力を惜しまないタイプだ。」

「逆になんでお前と言葉通じてんのか不思議になってきたわ。じゃあ第7問目……………」

そんな感じでクイズは終わり、授業の時間へと移った。無論、命にかかわるので俺はほんの僅かな隙間があれば質問という名の補佐をした。その結果、彼は教師の才能を持ったことだろう。途中、

「人を殴ったらどうなる?」

って質問した時は、

「お前をぶん殴ってやろうか?」

って本気で怒られててちょっと怖かったです。俺の頼りは『身体能力を向上させる』っていうどこにでもある能力だけだからな。

話が逸れたな。では門番先生から教わった知識をご紹介しよう。

まず物理学関係。これは門番先生の知識の限りでは地球と同じだろう。というかしっかりとした検証が出来る気がしない。

次に天文学関連。この星は『エステラ』という名前で、一年が365日に12月と、地球と似た周期のようだ。曜日の概念はなく、週の概念もない。少し不便だ。ちなみに太陽は一つで月はない。

次に歴史関連。建国系統や創世系統など非常にだるいものが多かったが、一つ気が引くものがあった。それは『邪神ルジェス』という存在。こいつは、死者の魂が冥界へ行くのを妨害して、別の次元に送って苦しむ姿を見て楽しむという最低なクソ野郎だ。ちなみに本神と呼ばれる存在に殺された事になっている。悪役が必要なのはわかるから仕方ないけどね。信仰していた宗教はないが、神はいると思ってた俺としては、笑い飛ばせる話でもないと思った。

次に地理関連。ここでは国の名前だけ教えてもらった。曰く、

「お前、常識というか人間的なものが欠落してる。そんな事まで教えてたら俺が死んで骨になる方が早いわボケ!」

だそうだ。非常に心外である。

国の名前を挙げる。アルバ帝国。キュクロアチア教国。セルリオ連邦。ストニック公国。そして、ヴィッシュ王国だ。他にも国はあるらしいが、全て属国扱いらしい。ここはヴィッシュ王国の、モネグロという町らしい。モネグロ伯爵の管轄下とか。

次に魔法。カッコ良く魔学関連と呼称しよう。魔法は全国民に浸透している。だが、才能の有無に依るもので、出来るものはものの数秒で一個小隊を物言わぬ骸に変えることが出来るが、出来ないものはせいぜいが小さな種火を指先に灯す程度。こればかりは才能だから致し方ないというものらしい。

次に経済学関係。といっても貨幣の価値だけだ。ヴィッシュ王国が発行している『ヴィッシュ国際貨幣』を基準に考えると、銅貨100枚=朧銀貨1枚、朧銀貨10枚=銀貨1枚、銀貨10枚=金貨1枚、金貨100枚=聖銀貨1枚だとのことだ。銅貨1枚あたりが前の世界での10円ほどなので、銅貨10円、朧銀貨1000円、銀貨10000円、金貨が100000円、聖銀貨が10000000円という事になる。どれだけ聖銀というものは高いのだろうか。

最後に生物学関係。これは地球と色々違いすぎる。まず知的生命体が数十種類もいる。人類から猫人、犬人、狐人などの獣人。ゴブリン、オークなどの亜人。エルフにドワーフといった半精霊。リッチ、ハイレイスといったアンデッド。他にも龍や土着神といったものまで多種多様である。そして今日までその種族たちは自らの領土を広げようとしている。まぁ興味のないものたちもいるが。要するに、人類は非常に!弱い。悲しきかな人の運命。この大陸の一割ほどの領土しかないとのことだ。他の大陸を確認しようにも海やら何やらにとにかく色んなのがいて、領土に入ってこようものならぶち殺されるわけだ。

おっと、歴史の方へ進んでしまった。ここで俺らに直接的に関係する二つの事象がある。一つ目はレベリングシステム。門番先生は『霊力』と呼んでいたが経験値で全然問題ないだろう。相手を殺害すると、相手が保有する経験値が自らの体内に吸収される。そして、その経験値はそのまま肉体に反映されるのだ。まさに筋トレいらず。

二つ目は、特殊能力である。大抵の人が一つ持っていて、才能ある人間ならば複数所持しているというもの。それは耳が良くなったり、相手の悪意が読み取れたり、料理が上手くなったり、道に迷うことがなくなったり、ゴミでも美味しく食べれたり……。とにかく多岐にわたる。俺の身体能力が向上したのもこれだろう。これは努力次第で手に入れることが出来る。なんでもレイ力が本人の望んだ形へと変化することで手に入るらしい。

そして衝撃の事実。これらはいつでも確認できるらしい。なんでも念じれば自分のわかりやすいカタチで脳裏に浮かぶとか。早速試した。

――――――――――――――――――――

八柳 九龍 19歳 男性

HP 799

MP 2401

STR 921

DEX 738

INT 2010

CON 860

特殊能力

•真理…事物、事象の理を見通す

•支配者…自律可能な生物の思考の看破、制限、誘導

•戦神…肉体的能力の向上

•賢者…脳の演算能力の限界を突破する

――――――――――――――――――――

……すごいや。この世界の人間は化け物だらけだ。俺は平静を保つよう心がけながら問う。

「「この世界の人類の平均は?」」

ルッツもか。やばい感じのステータスなのか。

「はっはっ!さすが兄弟だ。考えることも一緒ってな!」

ああ、能力を自覚したら使える。門番先生非常に愉快そう。単純そのものだ。

「教えてやろう。0~50が無能。50~400が一般的な値。400~600がその職が天職な人の数値だ。800~1000が一流で、それより上は化け物だ。平均は150くらいかな?フルメス国王は知力が1000を超えてるらしいし、帝王のヴァルキアは肉体的能力が軒並み1000を超えるらしい。きもいな。ちなみに俺はだいたい筋力が410くらいで後は200くらい。あーあ、俺も才能が欲しいなー。」

これがっ……チート……ッ!

という事が分かった。どうしようかこれ?とりあえず3つ案を出そう。

1、強者の庇護を受ける。これは頭使わなくていいから楽だな。ただあんまり面白くはなさそうだ。

2、強者になる。俺は強さを表すものは武力、権力、財力だと思っている。強者になるには建国するか貴族にでもなって権力を手に入れなければならない。財力?ルッツがなんとかしてくれるでしょ。

3、旅に出る。これなら鬱陶しさが軽減されるだろう。さすがに国をまたいでまで勧誘には来ないだろうからね。世界中を見て回れるけれど、はてさて、この『エステラ』に面白い何かはあるものか。

俺は頭の回転を全開にする。生前、人の恋慕という感情について考えた時に脳がキャパオーバーを起こしてぶっ倒れた。緊急入院ものだったらしい。でも、『賢者』という特殊能力を手に入れた俺ならばいける!

数年後まで、シュミレートした。不確定要素が多すぎたが、その分多くのシュミレートをすればいいという判断で大量のパターンを作り出した。その中で一番安定したのは庇護を受けることだ。まあ当然ちゃあ当然だ。なんたって均衡状態の国の形を壊さないからな。

旅に出るのと、建国するのはやばかった。国を建てるまでは簡単なのだが、なぜか人類以外にも狙われるパターンが多かった。今演算中だが、なぜそういう結果になったのだろう?旅に出ても、なぜか他の生物に狙われるのだ。必ず。

となると……。

「門番先生、ありがとうございます。実は他の人よりも力が強いので、冒険者になろうと思います。」

旅に出て、いいとこ見つけたら国建てよう。

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