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短編集  作者: 蓮渓 蒼
7/8

「なんで、もっと早く……!」

「ごめんね。邦くん」

 白い病室の白いベッドの上の彼は今にも消えてしまいそうで、俺は手を握り締めて立っていることしかできなかった。

 それから、最後の日まで俺達はたくさん話をした。

「身体が良くなったら、海に行きたいな」

「約束だよ。でも秀治さん泳げないでしょ」

「僕は邦くんが泳いでいるのを見てる」

「えぇ?見てるだけなんてつまらなくない?」

「ずっと傍に居て、同じ物が見られたら、それでいいんだ」

 果たせるかどうか分からない、むしろ果たせない約束ばかりが増えていく。

 家に帰りたいと言う秀治さんの為に、医師を説得して自宅へ帰った。

 それから暫くして、春の日差しが柔らかく辺りに降り注ぐようになったある日、秀治さんは俺の傍から居なくなった。


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