表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編集  作者: 蓮渓 蒼
6/8

 そのうち、しつこい俺に根負けしたのか絆されたのか、秀治さんは優しい笑みを浮かべて俺に手を差し伸べた。

「仕方ない。こんな爺さんでもいいのなら、邦くんに僕をあげる」

 初めての夜の事は、今でも鮮明に覚えている。

 少しかさついた唇の感触。

 折れそうに細くて、しなやかさはないけれど、どこか肌に馴染む身体。

 受け入れられた中の焼けるような熱さ……。

 今思えば、彼に無理をさせたのかもしれない。俺とこんな風にならなければ、彼の命はもっと先まであったのかも知れないと思っても、その時の俺には自分の想いを止められなかった。


 一緒に居たのは八年。

 そのうちの二年、秀治さんは病床の人だった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ