追憶・思慕1
【別サイトより転載】初出:2014.06.12
木蓮の画像は、ぱくたそ(http://pakutaso.com)様の写真素材をお借りいたしました。
この作品は別サイトにて所属しておりましたサークル、『おじさんを受けにした掌編募集』の趣旨に沿って作成しています。
登場人物に対する説明不足等、多々難点があるかと思いますが、《掌編》という縛りの為とご了承いただければと思います。
死ネタが地雷な方は閲覧をご遠慮ください。
読まれて後の苦情は受け付けられません。
これも割りと有名な曲にインスピレーションを受けて書いております。
「いつまでも、一緒に居たい」
そう言っていた貴方は、俺を置いて逝ってしまった。
どんなに逢いたいと希っても、それは叶う事はなく。解っていた事だけど、それでも、俺は、少しだけ貴方が恨めしい……。
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俺が秀治さんと初めて出逢ったのは、木蓮の蕾が開きかけた春先。
営業の外回り中に偶然通りがかった家の、見上げるほどに大きな木蓮の樹に見蕩れていたら声をかけられたのが、きっかけ。
それから何度か付近を通る度に彼と会う様になって、いつの間にか二周りも年上の彼に惹かれていた。
たくさんの事を、彼と話した。
奥さんと子供さんを不慮の事故で亡くし、今までずっと独りで暮らしていた事。
……彼の、身体のこと以外。