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2年ぶりの学校

作時はカーテンの隙間から微かに入ってくる日差しを感じ目を覚ました。


「あれ…今日って何月の何曜日だ?」


作時はベッドから降りるとすぐにカレンダーを見た。その時、作時は目に妙な違和感を感じた。


「視力が落ちてる…」


そう一言呟いてから、カレンダーの見える位置まで近づいた。


「やはりいつ見ても2年の年月が流れたのか…」


2年前、作時は好意を寄せていた女子に振られてから学校に行かないようになった。

最初の頃は具合が優れないという理由をつけて学校を休んでいたが1ヵ月位経った頃からだろうか学校側も心配だったのだろう、教員が毎週入れ替えで作時の部屋を訪れるようになった。

そんな日々を送っていて気づいた時には2年という年月が経っていた。


「そういえば僕も今年で受験生か…久々に学校に言って少しくらい授業にでてやるか…」


と言うと作時は2年ぶりに制服を着てリビングへと降りた。


『あら、作時やっと学校に行く気になったのね。』


そう話しかけて来たのは久しぶりに会う母さんだ。母さんは僕が学校に行かなくなってから仕事をやめて専業主婦になり作時の事を誰よりも近くで支えてきたのである。


「あぁ、母さん今日は久しぶりに学校に行くことに決めたよ。」


そう、作時言い放つと母の目から涙が零れた。

母はよっぽど嬉しかったのだろうか泣き止む気配もない。


「やっぱりいつでも母さんは僕が学校に行くと言うと泣き出すのか…」


と作時は泣く母の姿を何度も見てきたかのような事を呟いた。


「ところで母さん僕の眼鏡はどこにあるんだっけ?」


『眼鏡?そんな物前までかけてなかったじゃない。まさか作時、部屋に引きこもってたから目が悪くなったの?』


そんなことはないと思い昨日の記憶に遡ると視力はこんなにも低くなかったはずだ。急にここまで視力が落ちるとも考えられない。今は朝ベッドから落ちて目をぶつけたという事にしておこう。

「いいや、違うんだ母さん。今朝寝ぼけてベッドから落ちたんだ。」


『全く貴方は何歳になってもドジね』


「そうなんだよ。眼鏡の事は2年間も閉じこもっていたからすっかり忘れていたよ。」


そう嘘の理由を説明して母と笑っていると、ふと父親の予備でいつも置いてあるコンタクトレンズがある事を思い出した。


「そういえば父さんのコンタクトレンズあったよね?それを付けていくよ。」


母は笑いながら僕に言ってきた。


『コンタクトレンズじゃ、ぶつけた目が良くなるわけじゃないわよ。』


確かにそれはご最もだ。仮にもし本当に目をぶつけていたとするならば、さすがにコンタクトレンズは付けて行こうとは思わないが今は母が笑ってることを上手く利用してコンタクトレンズを付けていくことにしよう。


「わからないじゃないか。もしかして奇跡的に視力回復なんてことがあるかもしれないだろ?」


そんな馬鹿げた話ある訳ない。


『作時がそこまで言うなら付けていけばいいわ。』


「うん、じゃあコンタクトレンズ付けて行くことにする。」


まずは落ちた視力の分は補えた。では目的の学校に行くとしよう。


「待ってて。……ちゃん。」


作時は呟き学校へと向かうのであった。


プロローグを書いてから数日も経ってませんが本編の1話を書かせていただきました。作者の焔 虎介です。今回は作時がクソニート卒業(?)を果たしていよいよ2年ぶりに学校に行くという回でした。まだ学校に行くとは決まったわけではありません。もしかするとホームシックを発病してまた家の中に戻るかも知れません。なんて事はありません。今回は恋愛物をというか日常小説っぽくなってしまいました。ですが次からはいよいよ作時のトラウマである女子のいる学校編へと突入です。まだキャラは2人しか出てませんが(作時と母さん)学校編ではキャラが一気に増えるのでキャラ1人1人に注目です。もちろん女の子の他にも男の子が数人登場します。え?男の子が出てこなかったら完全にハーレムじゃないかだって?それは私も羨ましい限りです。では、こんな冗談は置いといて。作時にトラウマを植え付けた女の子もちゃんとでてきます。振った本人からしてみればトラウマを植え付けたとは思ってないんでしょうね。もちろん今作品のヒロインとも言える女の子も登場します。さて、学校で作時はちゃんとトラウマを克服して女子と話せるようになるのだろうか、そこに必見な回になると思います。では、2話もよろしくお願いします。


ハーレム1度でいいからなってみたい…

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