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29話 配管作業と基礎工事

 河の主が居なくなり、安全を確保した俺達は早速配管作業に取り掛かる。一番太い木のパイプを川岸に勾配をつけて設置するとパイプを伝い河の水が流れ出す。

 そして2本目のパイプを1本目の管口に合わせると水魔法のカッターを使い管口部分の木をテーパー状になる様に削る。テーパー状に細くなった部分は叩き込めば一本目のパイプに入り込む、その後は接合部の頂点から2本のパイプが貫通するように穴を空けて繋げたパイプが外れない様に離脱防止の楔を打ち込んだ。


「なっ! 水が出るだろ! こうやってパイプの木を繋いでいけば楔が在るから外れる心配も無いし、この方法を使って村まで水を運ぶつもりだ」


 ドヤ顔でそう言ってみたが、彼等はハァ…… と言うだけでイマイチ反応が鈍い。もっと驚いてくれるだろうと思っていただけにがっかりしてしまう。


「とにかくやっていくぞ皆はパイプを運んでくれ。勾配は俺が見ていくから」


 普通の水道は圧力を掛けて水を押し出す仕組みである。だがこの世界には加圧設備など存在しないその為に俺は村より標高の高い場所を選んだ。木は水を含むと膨らむ修正がある。なので木だけでつなぎ合わせた接合部分は水を吸い込み互いに膨らみ相って気密性を増す。そして水は高い所から低い所へ流れていく為に斜面に沿ってパイプを設置していくだけで重力の影響を受けてパイプの中は圧力のある水が通る筈だ。


 ドンドンと下流の方へと設置を続けて行くと地形の関係で逆勾配の所も発生したが始点部分の詰栓を取ってみるとパイプを伝い水は数mも飛び出していた。流石にこの光景はシャトラ達を驚かす。


「これが水道っていう物ですが…… 水が木を伝ってこれは魔法ですか?」


「魔法じゃない。これは…… うんそうだな。科学だ!」


「科学…… それは一体どんな力なのですか?」


「科学は力って訳じゃない。俺も詳しく説明は出来ないが知識? 理を知る学問って事でいいんじゃないかな?」


「科学ですか……」


 シャトラはそう呟くとブツブツと考え込んでいる。


「ここまで順調に来ている。ドンドン作業を進めるぞ」


 俺はそう告げると、村へと向けて水道管を伸ばしていった。村から2000mも離れた場所から配管を続け1週間後に村の端へと配管が届いた。此処からは空中に上がるようにコンクリートで架台を作りその上に載せていく。道路の隅でも配管が在れば接触などの事故で破損してしまう恐れがあるからだそれを防止する為に空中に配管を通す。日本の電線と同じ考えでやっているだけだがその効果は大きいと考えている。


村の各区画に配管を配るためには分岐のパイプが必要となる。その分岐の木は木工師のフェンスさんに頼んで作って貰っていた。その分岐を使い4区画に主管を通した。


「皆これで一先ずは完成だ。この主管から各敷地に一本ずつ細いパイプを分岐させていく。だがその作業は家が建った後がいいだろう」


「それじゃ、次は何を?」


 ライラックはそう問うてきた。村には道があり敷地があり下水や水道の設置も完成している。なので次はいよいよ家を建てるのがいいだろう。

 家を建てている間に公園の整備や細かい所の工事をやるのが効率がいいと判断していた。


「今後は各土地に家を建てる。その作業はフェンスさん主体でやってもらう予定だが、今までの家の建て方とは違う方法で家を建てて行こうと思う」


「違う方法?」


「あぁ、今までは地面に直接家を建てていただろ? それだと家が雨の時に水にずっと浸っていて痛みやすいし家の中にも地面から虫なども発生し易い。だから最初に基礎を作ってその上に家を建てて貰う」


「基礎? それも科学ですか?」


 今度はシャトラが聞いてくる。シャトラに科学を教えた後は俺がやる事を科学か?化学か?と聞いて来ている。シャトラは科学に相当な興味を持っている様だ。


「そうだな、もう俺がやる事は科学でいいよ」


(本当は基礎が科学かどうか解らないけど、説明するのも鬱陶しい……)


 俺は適当にそう答えた。


「それで基礎って言うのはコンクリートで作った土台の事だ。コンクリートは時間が建てば固くなるだろ? シッカリとした土台の上に家を建てれば自身などにも強い家を作れる。それにコンクリートで高さを調整できるから地面より高くする事で雨の湿気や家の換気にも有効だ。取り敢えず簡単な図面を書いているから一度見てくれ」


 俺は基礎の図面を皆に見せてみた。図面と言っても簡単な物で厚さ15cm正方形のコンクリート土間の外周だけを30cmの立ち上がりを作るただそれだけだ。だが地面とは厚さ15cmコンクリートが遮り湿気を遮断してくれる筈である。


「取り敢えず、一度作ってみよう。簡単だから一度見れば解るはずだ」


 俺はそう言うと区画整理を終えた一角へと向かった。その場所は平坦に整地されており転圧も終えている。その場所の周囲に木の板を図面に記載された大きさで設置し中にコンクリートを流し込んだ。


(本当は鉄筋など使いたいがこの世界では高価だからな。今回はこれで代用するしか無い)


 型枠に厚さ15cmのコンクリートを流し込んだ後に立ち上がりを作る部分に細長い石を突き刺していく。長さ30cmの石はコンクリートから15cm程度飛び出している状態になる。

 その後に立ち上がりを作るのだが、飛び出した石を巻き込みながら立ち上がりコンクリートを打設すると最初に打設した部分と一体になり立ち上がりだけが衝撃で動かなくなる。


「今日の作業は此処までだ。立ち上がりは今日打設したコンクリートが固まってからやる予定だ」


 そう伝えた後俺達は解散した。此処までは順調に作業も出来ている。俺が作る村がどう仕上がるかは今後の仕上げ作業によって大きく変わっていく。


 俺のモットーは見栄え重視! これからは一層気合を入れて村を作り上げて行くつもりだ。

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