表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

三角形のような四角形の恋

追いつけない、追いつきたくない。

作者: 茉莉

自分があいつを追っているという事に気付いたのは3年に上がる前であいつとよく目が合うなんて自惚れては自分に冷静になれと言い聞かせた。


恋をしたことがないなんてわけじゃない。なんで、あいつだけ特別だったんだろう。みっともなく声を挙げて泣きたくなるほど苦しくて、息が詰まるほど切なくて、自分の中から突き破ってきそうなほどにあつい熱。

今思い返せば、明らかに付き合えたのだろう。それが出来なかったのは、弱くておろかなその時の自分のせい。


自分は大人でなんでもできるなんて思いあがっていた、あの時付き合った元カノとの思い出はその時の愚かさを俺に知らしめるように心に爪を立てる。


『誰を好きでもいい、それでも私は…』

  『先輩っ!』


あいつと元カノの声と顔がクロスして、重なって。癒えない傷がまたじわりと血が滲む。近くて遠くにあったあいつの笑みが、あいつとの思い出が、太陽のように輝く傍らで元カノとの思い出も笑みも月のように寄り添う。いいわけなんか出来るはずもない。


どちらも触れていいものじゃなかった、きっと。だから、ただ幸せにと祈ろう。もう追いつけないところで笑っている二人を遠くから見つめながら。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ