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逃走
「ヴ…ヴゥ…」
怪物がゆっくりとこちらを向く。
さっきまで僕が立っていた所はかなり深くへこんでしまっている。
「ヴゥ…人間…肉…喰う…」
グチャッという音と共に怪物が口を開く。
口の中には鋭く長い歯が大量に並んでいる。
怪物が一歩進み、ズン!という音で僕は我に返った。
「みんな!逃げろ!」
「う…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
その言葉に弾かれるように全員走り出した。
逃げる方向はみんなバラバラだ。
怪物は僕らがバラバラに逃げたことで誰を追えばいいのか分からなくなっているようだ。
さっき外から見た時、この校舎は四階建てだったことを思い出す。
僕は怪物が追ってくるかもと振り返ることもせず校舎の三階へと逃げた。




