迫る影
僕らは入ってきた入口まで戻ってきていた。
しかし外には出ていない。なぜなら…
「くそっ!鍵がかかってやがる!」
そう、鍵がかかっているのだ。しかもご丁寧に鎖までされて。
出ないのではない、出られないのだ。
「私たちが入ってきたときにはかかってなかったのにどうして?」
咲宮は明らかに怖がっている。
「う~ん…まさか…」
「お兄ちゃんどうしたの?」
星野が何かを考えている所を凛ちゃんが話しかける。
「いや、さっきの手紙にさ書いてあったでしょ?」
…まさか!?
「怪物がどうのこうのって。」
全員の体が固まる。
「…い、いやいやいや!まさか!んなわけないって!」
慶が大声で笑いながら星野の背中を叩く。
滝のような汗をかきながら。
「そ、そうよお兄ちゃん!怪物が鍵なんかかけるわけ…」
凛ちゃんまでもがそれに加わる。
「い、痛いって…俺はあくまでも関係あるかもってこと言いたかったんであって…」
「で、でも…それが本当だったら…」
咲宮の顔が見る見るうちに青くなる。
「咲宮?大丈夫か?…ん?」
僕は足元に紙が落ちていることに気が付く。
さっきの紙を落としたんだと思い拾うと、
「…!おいみんな!これって!」
そこに書いてあったのは。
「ココカラ出タケレバ三ツノ鍵ヲ見ツケ出セ。正シ我ハ貴様等ノ肉ト魂ヲ欲スル。我ハ死神ナリ。」
僕が読み上げると全員の顔が真っ青だった。
「おい、これって…」
「うん、例の怪物だろうね」
「と言うか、死神って…」
つまり、ここから出るには鍵を三つ見つけ出して脱出しろってことだ。
『死神』に狙われながら。
ふと気が付くと全員が僕の方を見ていた。
「お、おい…」
「三島君…」
「先輩…後ろ…!」
いや僕の方ではない、正しくは僕の後ろだ。
僕は振り向くこともせずにその場から飛び出す。
ドゴッ!
背後で重い音がする。少し離れていたみんなの真ん中に倒れる。
すぐに起き上がり恐る恐る後ろを振り返る。
そこにいたのはなんとも形容しがたい、まさに『怪物』だった。




