校長室へ
「うーん、ホントに何か出そうな雰囲気だねえ」
「ちょっとお兄ちゃん、やめてよ。本当に出てきそうじゃない」
「あはは、ゴメンゴメン」
校長室へ向かう途中、星野兄妹が緊張感0の会話をしている。
「あれ?凛ちゃんってお化けとか苦手だったの?私はむしろ倒すとか言うんじゃないかと思ったんだけど…」
咲宮が疑問を口にする。
それもそのはず。凛ちゃんは空手の達人で男子でも敵わないほどの腕を持つのだ。
「だって!お化けって殴ったり蹴ったりしても倒せないじゃないですか!」
「なにそのいかにも強そうなやつが言いそうなの」
僕はついツッコむ。
「強そうなんじゃないです、強いんです」
自信満々に返されてしまった。
「ねえ、高村君。この学校の七不思議って何があるの?」
咲宮が慶に問う。
「ええっとな…」
慶は服のポケットから紙を取り出した。
「まず一つ目が『夜の校長室で動き出す歴代校長の肖像画』」
「音楽室のベートーヴェンとかモーツァルトとかじゃないんだねえ?」
「そう、で二つ目が『理科室の人体模型や骸骨標本が夜中に動き出す』」
「おお、それっぽいですね!」
「凛ちゃんなんで急に元気に…」
「骨なら殴れますから!」
「ああそう…気を取り直して、三つ目に『夜中に音楽室のピアノが鳴る』」
「ベタな奴だな」
「そう言うなって樹。七不思議なんてそんなもんだろ。で、四つ目が『トイレの花子さん』」
「まあこれはあって当然よね?」
「そうだな、七不思議の代名詞だろう。五つ目が『誰も居ない体育館でボールが跳ねる音がする』」
「おお、七不思議っぽいねえ!」
「いや、さっきまでのも七不思議だから!…まあいいとして、六つ目が『二宮金次郎像が深夜の校庭を走っている』」
「………」
「急に誰もコメントしなくなったな…で、最後が『鏡に自分が映らない』の七つだ!」
「ふーん…慶、もう校長室ついてるぞ?いつまで説明してるんだ?」
「わざわざ説明してやったのにそりゃねえよ!」
「いいから早く中に入りましょうよ」
「うう…樹と言い凛ちゃんと言い酷い奴らだ…」
慶は渋々ながらドアに手をかける。
ギィィィ…
校長室のドアは重々しい音と共に開いた。




