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分断する扉
「樹君!」
「良かった!無事だったのね!」
二人が外から話しかけてくる。
「二人ともちゃんと逃げられたんだな!」
「うん、樹君のおかげでねえ」
二人は安堵の表情を浮かべる。
しかし、僕はそうはいかない。
「ところで、鍵がかかってるのにどうやって出たんだ?」
「ああ、それなんだけど…」
「さっきまで開いてたのよ、でも私たちが出たら勝手に閉まって…」
なるほど、今までもそうだったが、常識的な考えは通用しないようだ。
「分かった、とにかく僕はここの鍵を探し…」
ズン…ズン…
階段を下りる足音が聞こえる。
「まずい!死神だ!」
恐らく僕らを探しているのだろう。
「二人は南校舎に戻って慶と凛ちゃんを探してくれ!」
「三島君は!?」
「僕は鍵を探してみる!」
「分かった!じゃああとで!」
二人は南校舎へ走り出す。
「さて、どうする…!?」
辺りを見回すと体育館の扉が開いている。
「…罠か?」
ズン…ズン…
考えている間にも死神は階段を下りてくる。
「くそっ!やっぱり考える暇はくれないみたいだな!」
僕はまだ少し痛む足に鞭を打って走り出した。




