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疾走
「はっ…はっ…はっ…」
今度は四階へと階段を駆け上がる。
「…うっ!?」
右足に鋭い痛みが走る。
「普段の…運動不足が…ここで来るか…!」
気付くとわき腹にも痛みを感じる。
その痛みに耐えつつ四階へと急ぐ。
「ヴォォォォォッ!!」
死神がその巨大な口を開けて追ってくる。
昔、こんな風に黒い化け物に追われる女の子の映画を見たことがあったな…
必死で逃げているのに何故かそんなどうでもいいことを思い出してしまう。
「全く…今のが走馬灯だったなんて言わせないぞ…!」
僕は何とか四階へたどり着き、図書室の前へ立つ。
「さっきの鍵で…開いた!」
僕は鍵を開けると、図書室へ飛び込み、本棚の陰に隠れる。
すると、死神が入ってきた。
「ヴゥ…人間…」
僕はまた息を潜める。
ここで諦めてくれるだろうか。
足の痛みも相当なものになってしまった。
これ以上走るのはつらいだろう。
「くそっ…せめて考えてから動くんだった…」
死神はあたりを見渡している。
僕は諦めてくれとただ祈る。
しばらくすると、死神は後ろを向き、廊下へ出て行った。
「…はぁ…助かった」
僕はそれを見て一息ついた。




