表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
らんでぶー(仮)  作者: オムラ
第1部
6/16

マニアックな趣味


いったん終了






あれ?どうゆうこと?


「ごめん、我慢出来なかった……」

「へっ!?」


佐々良氏の腕が私の肉に食い込むのではないかと思うほど強く巻きついてきた。

あれ、もしかしてこれプロレス技かな?


「ぐ、ぐるしっ」

「あ、ごめん」

「げほっ」


佐々良氏は腕を緩めて、背中を摩ってくれた。ありがたいけれど、いつまで暖をとっているつもりなのだろうか。そろそろ良いんじゃないかな。


「んぎゃっ」


突然の奇怪な声、失礼しました。いや、だってね、何か耳にね、生暖かいものが、ってまたっ!?


「ちょ、佐々良さん、一体何をっ!?」

「……神崎さん、良い?」

「だから何がっ!!??」


わけがわからない。わけがわからない。

何故佐々良氏の手が私の肉を撫でるように弄っているのか。佐々良氏の口元が私の耳元にあるのか。佐々良氏の息が若干荒いのか。

わからない。わからない。



そんなことされる意味が、わからない。



「ふんぬおっほー」

「おわっ」


未だかつてないほどの奇怪な掛け声を出して、私は佐々良氏の体を突き放した、というか投げ飛ばした。そこらへんの骨っぽい女の子よりは力があるんだよっ!




「いいかげんにしてくださいっ」



デブをからかうなんて趣味の悪いことを。



「騙されるとでも思ったんですか」



私は知っている。



「私みたいなデブでブスでオタクな女を、」



好きになるような、



「マニアックな趣味を持っている男がいるなんてっ!」

「いるよ」




……へっ?




「な、何を、言って」


というかここはシリアスな場面であって、今から昔の回想で男子から容姿のことで散々言われ続けて傷ついてだから信じられないのよ!っていう真相が初めて明かされる流れになるんじゃないの?もう流れで言っちゃったけど!



「正直神崎さんを好きなことがマニアックだと言われる理由がわからないんだけれども、神崎さんのことが好きな奴はここにいるよ」

「は、」

「身体は柔らかくて最高の抱き心地だし」

「ひ」

「低くて小さな鼻は可愛いし」

「ふ」

「俺と趣味はばっちり合うし」

「へ」

「大好き」


佐々良氏の顔は、今までに見たことのないほどに甘いものだった。ただでさえ甘い顔立ちなのに、それ以上で。その衝撃的な攻撃に私のHPはゼロになった。

しかし佐々良氏は一度離した身体を再びひっつけた。加えてその甘ったるい顔も近付いてくる。やめて!HPはゼロよ!





すっかり力が抜けきった私の何色にも染まっていなかった唇は、あっさりと奪われたのでした。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ