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らんでぶー(仮)  作者: オムラ
第1部
2/16

変化の訪れ


勢いで書いたデス





それはいつもの飲み会と変わらないはずだった――――そう、だったのだ。


「どうした佐々良、あっちに戻らなくて良いのか」

「たまには部長たちに混ざりたいんですよ、駄目ですか」

「いやいや俺たちゃ構わないんだが、あっちのお嬢さんたちはさぞかしがっかりするだろう」

「ははは」


はははじゃないですよ、お兄さん。貴方は爽やかにしていますが、あちらのお嬢さんたちからの視線を感じないのですか。ああそうですか、私が壁になって当たらないんですねわかります。

何故、お隣のグループからのチクチクした視線を浴びなければならないのか。それは全て、今現在何故か私のお隣に座っていらっしゃる佐々良氏が原因である。

突如としてナイスミドルグループの元に現れた佐々良氏は、私と総務部長もとい夏木なつき部長の間に入り込んできた。

これまで何回も合同飲み会が行われてきたが、初めてのことである。


「神崎さん、迷惑だった?」


ええそりゃあもう!なんて答えるほど私は冷酷非道な人間ではない。

少し俯いていたのを佐々良は機嫌が悪いと解釈したらしく、ちょっと困った感じの顔で私の顔を覗き込んできていた。

ううん。冷酷非道な人間であっても、この捨てられた犬のような雰囲気を醸し出していたらちょっと躊躇うだろうな。容姿が優れているってスバラシイネ。


「そ、そんなことないデスヨー」

「そう?」

「こら、神崎さんいじめんなよ。お前と違って純粋なんだから」

「…それどういうことですか」


噛んだ上に棒読みになってしまった私の台詞がうまい具合に流れていった。夏木部長ナイスです!



いつ戻るのかと期待していたのだが、佐々良氏は中々戻ることなく、飲み会は終わりに近付いていた。

飲み会は終始、課長たちと佐々良氏の会話が中心であって、私はそれを聞きながらも隣から時折感じる視線に耐えていた。


「そろそろお開きにしようか」


営業部部長、上巻あげまき部長の声に、疲れがどっと出たような気がした。漸く終わる。長かったようでまじで長かった。

そういえば今は何時なんだ。そう思った私はメールチェックついでに時間を確認しようと携帯を取り出した。

うん、1時間弱よく耐えられたな私。自分で自分を褒めてみたけどそれで疲れが取れるわけでもなく。早く帰って寝よう。


「神崎さん……」

「はいっ」


未だ私の隣にいた(すっかり失念していたが)佐々良氏に不意打ちで話しかけられ、すこし声が裏返ってしまった。

…今更だが佐々良氏は私の名前を知っていたのか。今まで話したことなかったような気がするのだけど……。あ、そうか私が悪目立ちしているからか。納得納得。


「ごめん、見るつもりはなかったんだけど…」

「はい?」

「携帯の壁紙……」


私の携帯の壁紙は、某携帯ゲームの学園RPGで出てくる学園のエンブレムだ。ちなみにこのゲーム知る人ぞ知ると言えばかっこいいが、率直にいえばマイナーな作品である。マイナーと言っても決して人気がないわけではなく、シリーズ化されているくらいだ。(ん?それでは知る人ぞ知るという言葉でも合っているのか?)

私はこの作品がとても好きで、ほとんどのシリーズを持っている。そう、ほとんどなのだ。残念なことに第一シリーズだけ持っていない。以前一度だけオークションで見たことがあるのだが、驚くほどの高値で泣く泣く諦めた。


ついつい語ってしまったが、とにかく私の携帯の壁紙は大好きなゲームに出てくるエンブレムなのだ。

それがどうかしたのだろうか……



「…CISだよね?」

「!?」



佐々良氏の口からその名が出るとは一体誰が思うのだろうか、否思わないだろう。


CIS、それは私が愛してやまないゲームのタイトルだ。





動き始めたマイレボリューション



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