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らんでぶー(仮)  作者: オムラ
第1部
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励ましの一声




かんかん、と、二人分の足音が重なって響いている。

場所は私の住むアパートの1階から2階へ続く階段である。

二人分。そう、私と佐々良氏の二人だ。

スーパーからどうにか一人で帰ろうとしたが、私より佐々良氏のほうが一枚上手で、逃走を阻まれてしまった。

気がつけばすでに自宅。残るチャンスはあと一回。

最後に頭の中でシュミレーション。

鍵を開ける。素早く入る。素早く鍵を閉める。

なんて単純!


我が家の扉の前に着き、一つ深呼吸をする。

いざ、決戦の時!


がちゃ、


「あ、美保菜ちゃん、あれは!」

「え!」


突然佐々良氏が叫び、何事かと振り返る。佐々良氏が示す方向を見ると……アパートの向かい側にある大家さんの家で飼われている豆太ドーベルマンが、すごい勢いで水を飲んでいる姿があった。

確かにあのドーベルマンは恐ろしくて、水を飲む姿も鬼気迫るものを感じてより恐ろしいけれども……。


「あのドーベルマンは大家さんちの飼い犬で…」


隣にいた佐々良氏を見上げるつもりで振り返ると、さっきまでそこにいたはずの佐々良氏はそこにはいなかった。


「おじゃましてまーす」


半開きの扉から聞こえてくる佐々良氏の声。

扉が完全に閉まった時、タイミング良く豆太の鳴き声が聞こえた。



「ゥワンッ!(どんまい!)」





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